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第106話 新たなる聖鎧。

聖剣と聖鎧が出来上がったのは夜中で日付が変わって土曜日になっていた。

ワタブシが「もう無理、俺500歳近い爺さんなの。寝たいから昼来て」と言っていたと言うのをタカドラ経由で聞いたヘルケヴィーオから言われた。

なのでジェイド達は昼食を済ませてから工房に立ち寄ることにした。


ジルツァークだけは工房に入るまで「後1日踏ん張ってよ!」とプリプリしていたのだが出来上がった聖剣と聖鎧を見たら何も言えなくなった。


「聖鎧が3つ?」

驚くジルツァークの前には聖鎧が3つあった。

それぞれの鎧とわかるように装飾に使われる差し色が違っていて、女性用でミリオンの鎧とわかる者には赤の差し色が施されていて、残りの鎧には青色と緑色が使われていた。


「おう…せっかくだからセレストとミリオンの分まで作ったんだよ。これで長生きしろよな。

まあミリオンのは身体のサイズを聞きにくくて見た感じの想像で作ってヘルケヴィーオに見て貰ったりしたから時間かかった上にピッタリか心配…」

ヘロヘロのワタブシが情けない事を言いながら自嘲する。


「…ワタブシさん…」

「それは聞けばよかったんじゃ無いか?」

感動するミリオンの後ろでジェイドが冷静にツッコミを入れる。


「恥ずかしいだろ?こんなジジイに身体のこととか聞かれたら嫌だろ?ミリオンはお姫さんなんだろ?」

ワタブシが赤くなって照れる。

先程からジジイを連呼するがワタブシの見た目は40歳くらいだ。


「そんなわけでミリオンの魔法契約は最後な。今から調整しないといけない」

「…アンタねぇ。ますます遅くなるじゃない!」

ジルツァークが不満を口にするがワタブシも負けてはいない。

「そこは感謝と相殺しろって」と言って呆れ笑いをするし、「ジルツァーク様、私頑張ります!」とミリオンは張り切っている。

結局2人にそう言われたジルツァークは諦めてと引き下がる。



「よし、先にジェイドが鎧と魔法契約な」

「俺か?」


「そうだよ。ジェイドはその後でタカドラの所に言ってナマクラ、まあ自称の名前があるからそれは後で聞いてやってくれ。ナマクラと魔法契約すんだからよ」


なにがなんだかわからないジェイドは白銀に輝く鎧を身に纏う。

デザインは若干ワイトのものと違っていた。

その事に気が付いたワタブシがちょっと嬉しそうに笑う。

ジェイドが細かい違いに気付いてくれて嬉しいのだ。


「前の鎧はもうないから完全新作だぜ」

「形や細部が違っている」


「まあ俺も100年前と違うって話だよ。前より攻撃を受け流せる形だし、前より頑丈なんだぜ?

よし、そこに魔法陣があるだろ?上に座れ。そんで始まったら目を瞑れよ」


ジェイドは言われるままに座るとワタブシが「ジェイド、ワイトはワイトだったけどフルネームってあるのか?」と聞いてくる。

どうやら魔法契約にはフルネームが必要なようだ。

ジェイドも王族としてジェイドだけではなく長い名前がある。


「ある。ジェイド・グレオス・グリアだ」

口にして随分と久しぶりに名乗ったなと思う。

もうグリアはないのにグリア、王族と言っても国も無いのにグレオスを名乗るとは思っていなかったのだ。


「よし、【汝、ジェイド・グレオス・グリアは我が鎧と魔法契約を成し他の鎧を身に纏う事を契約違反とする代わりに全力でその身を守らせる事を約束する】」

ワタブシが唱えると魔法陣が光ってからジェイドの身体が聖鎧ごと光る。

セレストとミリオンが慌てていたが、ジェイド自身は別に嫌な光ではないので落ち着いていた。



「よし、ジェイド、光が消えるまでは目を瞑って鎧に自己紹介でもしておけ。

光が消えたら契約は終わりな。

ほれ、ミリオンは今のうちに調整しちまおうか?

どうだろうな…、え?胸がキツい?嘘だろ…」


そんな話を聞きながらジェイドは鎧に亜人共を倒してエクサイトを救う為に力を貸してくれと頼んでいた。

その甲斐があってかは知らないが徐々に鎧の重みが気にならなく無くなっていく。


目を瞑っているから光がどうなっているのかはわからない。

だが鎧の重みはどんどん無くなっていき、それに合わせて一体感が出てくる。

暫くして「おう、お疲れさん。終わりな」と言ってワタブシが声をかけてきた。

ジェイドが目を開けると目の前にワタブシが居る。

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