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第31話

後日談、どうぞよろしくお願いします。







俺は、大学を卒業して、親父の会社を継いだ。


というより、新部門を立ち上げて、分離したって言い方のほうが正しいかな。


今、俺は会社を共同経営しているが、発起人でリーダー的存在。


仲間はそれぞれ別の本業を抱えており、実質俺が仕切っている。業績は右肩上がり。


年商10億円突破した。


一方、俺の年収は400万、何故って?


会社の事業内容は、国内外の企業への融資とか、あと、まあ、堂々と言うことではないが、慈善事業をやっている。


金銭面、人材面など多岐にわたる部分で、人としてどうすれば良いかをモットーに個人、団体等を支援する。


ここに俺が貰うべき金を使っている。


世の中の慈善事業とは一線を画していると思う。色んな利権が絡んでいないし、見返りを求めてもいない。


これ、新聞、ニュース、SNSには絶対に載らないようにしている。


また、俺の会社は、れっきとしたホワイト企業である。


初任給平均の2倍出しているんだし、俺自身、部下には徹底して気遣いを心がける。


パワハラは見つけ次第すぐに処分、そんなやつ南極に送って24時間365日天候観測させて、一生かけて地球温暖化が進んでいるか調査させてやる。(したことない)


俺はプロジェクトに失敗した女性社員を励まそうとして声をかけた。


「大丈夫だよ、また次頑張ればいいんだ。今日もお疲れ様」


「そんなことないです、すいませんでした。ええっと、ところで、今日はまだお仕事されますか」


女性社員はどうしてなのか、俺の予定を聞いてきた。


「そうだな、まだ仕事はあるからな。すまないが、先に帰ってくれ。ありがとうな」


俺がそう言うと、その女性社員は残念そうな顔をして荷物をまとめて帰っていった。


さて、会社の戸締りもしたし俺も家に帰るかと思い、席を立った瞬間、俺は胸に激しい痛みを感じた。


俺は倒れてしまった。


「誰かいないのか!は、早く、きゅ、救急車を呼んでくれ」


女性社員はもう帰ってしまい、オフィスに誰もいない。


机の上にある携帯には、手が届かない。


心臓が止まったなって感じる。


俺、死ぬのか……?


出来れば、もう一度、彩子の顔が見たかった。


息子も……まだ一歳だぞ……?



そ、それ以外……は、人生25年、後悔はなし。


みんな、今までありがとう。


目の前が真っ白になった。







社員さんからの連絡を聞いた私は、運び込まれた病院に駆けつけた。


面会謝絶……赤いランプが光っている。


「あ、あなた!……ど、どうして……?」


まだ、右も左もわからない息子を残すの……!?


最近、帰ってくるのが遅かったし……ご飯も満足に食べてなかったのかしら……。


もう少し、旦那のことを見ていれば……




「あ、彩子さん!?神宮寺くんは大丈夫なの?」


「じ、神宮寺は今どこにいるんだ!?」


瀬戸夫妻が、駆けつけてくれたみたい。


「こんな遅くにごめんね……ここにいるみたい……ダメかもしれないの……」


「そんな弱音吐かないの。きっと大丈夫よ」


「あいつが、そんなすぐどうかなるわけないだろ。気を確かに持て」



途中、お医者さんが、経過を伝えに来てくれたけど、まだどうなるか分からないそう。


朝を迎えて、お義父さんとお義母さんが病院に駆けつけたみたい。


でも……会わせる顔がない私は、挨拶できたのか分からない……もしかしたら寝てしまっていたかもしれない。




ど、どうなってしまうの……達也くん……た、助かって……もう一度、声聞かせてよ。








落ち着くまで、書いていきたいと思います。

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