収束9
けたたましい咆哮と共に突如前方に天龍の白く大きな頭がグランドツリーから突き出てきた。
「「な!!!」」
驚いたワイバーンは一瞬怯んだのか体制を崩しかけている。
「シャーーー!!怯むな!その大きな両翼で俺を頂まで連れて行け!お前なら飛べる!飛べーー!!!」
ワイバーンは両翼にありったけの空気を掴んで飛び上がった。
「良くやった!やっとちったぁ使えるようになってきたじゃねぇか!!」
「ふざけるな!しっかり手綱引け!ここまできて死ぬなんて」
その瞬間、隣に巨大な黄金の鏡が現れはっきりと俺達の姿を写しこんでいた。
鏡の中の自分はとても怯えた表情で此方を見つめている。
「あれは俺か――」
その時、鏡の中の自分と目が合っている事に気づいた。すると鏡の中に引きずり込まれて行くような感覚に囚われ始める。
怖い。
怖い?一体何に恐怖しているんだ?
鏡に写る自分…いや違う。そのずっと奥にある物だ。縦に割かれた隙間から覗く果てしなく続く闇…
「見るな!!!」
後ろから発せられた男の言葉にふと我に返った。
「俺は…」
黄金の瞳を掠めるようにして通りすぎると、今まで通りの木の壁が流れていく。
「ヤツの目は見るな、引きずり込まれる。さぁて、締まってけよ坊主。ここからがクライマックスだ!」
ギャーーーーーーーーーーーーー!!!!!!
先程ので完全にロックオンされたようだ。
すぐ後ろから響きわたった轟音は、今までと比にならない程凄まじい王蛇の咆哮であった。




