Sの謎
定期的に運ばれてくる食事。もう何回目だろう…
何の変化もない薄暗い部屋にはロウソクの灯りが揺れているばかりだ。
時間の感覚なんて物はとっくになくなり、囚人達は言葉を発する事すら忘れたように静まり返っていた。
外の地獄に比べて此処は天国のように平和で、まぁ、頑張ったし。たまには休憩したって損は無いだろう。
最初はそう考えて過ごしていた。だが、何か変だ。何かは分からないが気持ちの悪い違和感が背筋をじっとりと舐めていく。
やはり此処に長居すべきでない気がする。
だが脱獄しようにも窓1つない部屋がずっと続いているという事は、恐らく地下なのだろう。
何とかして牢を破ったとしても地上まで逃げるのは不可能に近い。
「なぁ、アンタ。Sなのか?」
口の軽そうな方に呟いてみた。
「あ?んなもん此処の奴らは皆んなそうだろ?」
「俺は違う。どうしてそう言えるんだ?」
そういうと男は急に大声を出して笑い始めた。
「お前もそうだろ!」
「いや、俺は違う!入った事なんて無いんだ!」
すると輪をかけて笑い出し、その声はこのフロア全体に響き出した。
「五月蝿いぞ!」
隣から怒鳴り声と壁を蹴る音が聞こえた頃、やっと笑いが治まってきたようで、男は話し始めた。
「悪魔の証明って知ってるか?」
「あぁ。」
「お前も知っちまった。それだけの事さ。」
「じゃあ3つ聞かせてくれ。」
「まぁ、暇つぶしくらいにゃ〜なりそうだな。」
「鳥籠から出た奴はいるのか?」
「さぁ?Aは出たんじゃあないのか?」
「此処から出たがってる奴らにはどう会えばいい?」
「いいか?ヒヨッコ。会えないぜ。」
「どうしてだ!?協力し合えば天龍だってどうにか出来るだろ!」
「キョウリョク?あぁ、協力ね。そんな言葉あったな忘れちまってたぜ…お前さんホント変な奴だな。こんな奴初めて見たぜ俺は。」
それからは誰も何も話さなくなった。
恐らく此処はファームだろう。シュガーに会えればこんな所さっさとおさらば出来るのに!
早く、早く此処から出たい。
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不知火美月




