第二十話 決着
思った以上に長くなってしまった
ハンカン王国 サンカイ
この街は現在、暁帝国軍の軍政下に置かれている。
至る所に歩哨が立っており、街全体が何とも言えない緊張感に覆われいた。
その様な状況に甘んじているこの街の中を、部下を伴って歩くコウヨウの姿が見られた。
暁帝国軍へ降伏した彼は、人望と実力もあり臨時にサンカイの統治者として選ばれたのである。
監視付きではあるがそれなりに自由な行動が許されており、その様子を目撃した住民の不安を和らげる効果をもたらしていた。
「・・・もう驚かんぞ」
桟橋に出たコウヨウは、街の沖合に停泊する先の戦闘で見た船よりも遥かに巨大な船を目にして呟く。
MLP 大湊
機動揚陸プラットフォームとも呼ばれる艦である。
運用に高い港湾能力を要求される輸送船を、最前線で運用する為の艦である。
米海軍で、「港が無いなら、港を持って行けばよくね?」と言う意味不明な発想を具体化して建造された艦であり、中国海軍も実用化に必死になっている様である。
大湊は、ウェルドックを持たない輸送艦と接舷すると、鉄橋の様な橋を接続して輸送艦に収容されている車両を受け入れる。
その後、搭載していたLCACによって続々と揚陸作業を進めて行った
その間、先に上陸した海兵隊はサンカイ制圧後から周辺地域の制圧に乗り出しているが、投げ捨てられた武器が散乱するだけで敵は一人もいなかった。
これは、上陸時にF35が飛び回る姿を目撃して恐れを為したからである。
コウヨウ程の優秀な指揮官は他にはおらず、全員が我先にと逃げ出していた。
ゲリラ戦を警戒していた海兵隊は肩透かしを食らったが労せず橋頭保が手に入り、陸軍の上陸完了を待つ。
・・・ ・・・ ・・・
ハンカン王国 シーエン
王城では、緊急会議が開かれていた。
少し前、サンカイから敵軍接近の報が入った。
当初、「すぐに終わるだろう。」と誰もが楽観しており、それ程関心を持つ者は軍関係者を除いて殆どいなかった。
確かに、サンカイでの戦闘はすぐに終了した。
陥落と言う結果によって。
「・・・以上の事から、サンカイが陥落した事は確実であると思われます。」
一通りの報告が終わる。
彼等は、サンカイの陥落を直接把握している訳ではないが、サンカイからの連絡が途絶している事、通信から多数の味方部隊が敗走している事を知り、これ等の状況証拠から既に陥落していると分析した。
誰もが動揺を禁じ得ず、その表情は暗い。
「何と言う失態だ・・・!首を刎ねるべき大失態だ!そうは思わんか、軍務卿?」
ハンガンが、怒りの篭った声で尋ねる。
「ハッ!ま、全くその通りであります!」
指名された軍務卿は、上擦った声で答える。
サンカイの陥落により被った被害は、戦死(捕虜を含む)約2万、敗走約1万となっている。
歴史に残る大敗であり、大臣クラスの首が物理的に飛んでも文句は言えない。
「ホウ、貴様は自らの命を以って責任を取ると言うのだな?」
「そ、それは・・・」
軍務卿は、答えに窮す。
バァァン
突然、乱暴に扉が開かれた。
「何事か!」
青ざめた連絡員が飛び込んで来る。
「て、敵軍が進撃を開始しました!」
全員が、揃って驚愕する。
「何だと!?」
「は、早過ぎる・・・」
「すぐに体制を整えねば!」
思い思いに動き出そうとする大臣達。
だが、連絡員の次の言葉で動きが止まる。
「敵は既に50キロ以上進軍しており、我が軍の被害は5万を超えると推測されます!」
想像を大きく超える事態に、誰もが思考停止状態となった。
「軍務大臣」
静寂が支配する室内に、ハンガンの声が響く。
「敵軍を返り討ちにする事は出来るか?」
「・・・はっ?・・・ハッ!残存戦力を一ヶ所に集め、敵を迎え撃てば必ずや。」
突然の指名に戸惑いつつも、軍務大臣は自信を持って言い切る。
そうしなければ命は無い。
「本当だろうな?」
ハンガンは度重なる失態から、簡単に首を縦に振ろうとはしない。
「これまでの戦況を推察しますに、敵は奇襲によって戦果を挙げて来たと考えられます。つまり、奇襲によって我が軍の混乱した隙を突き、各個撃破したのでしょう。しかしそれは、逆に言えば正面から戦えば勝てない事を意味します。従いまして、奇襲を受けない様に待ち構えて迎撃すれば、敗北する様な事は有り得ません。」
「なるほど。いくらか強力なのは認めざるを得ん様だが、所詮はその程度と言う事か・・・それで、何処で迎え撃つつもりだ?」
「この街の正面で迎え撃つのが宜しいでしょう。市民に我が軍の精強さを見せ付けると共に、敵に決定的な敗北感を与える事も出来ます。」
ハンガンは納得して首を縦に振った。
「よし、では直ちに準備に掛かれ。これは最後のチャンスだ。分かったな?」
「この命に代えても!」
退路は断たれた。
軍務大臣は、文字通り命懸けで職務を遂行する事となる。
ハンカン王国 東部
「ハア… ハア… クソッ!」
上級魔術師である男は、息を切らしながら吐き捨てた。
彼は、火と光の二属性を使いこなすエリートである。
国にスカウトされて訓練を積み、軍へ進んだ。
何度か出征したが弱小な軍隊ばかりが相手であった為、彼の活躍の場を提供しただけで終わっていた。
王国有数の魔術師として名を馳せた彼は、今回も大活躍して更なる名声を得る筈であった。
しかし、やって来た敵軍は彼の想像を超えた強力なものであった。
自身の壁となる筈であった重装歩兵は瞬く間に蹴散らされ、側面から攻撃しようとした軽騎兵も薙ぎ倒され、あらゆる魔術を受け付けない。
更に、飛竜よりも巨大で強力な何かに空から追い立てられた。
生き残った味方は散り散りになり、彼を守る者は誰もいなくなっていた。
「ハァ・・・どうしてこの俺がこんな目に・・・」
典型的なプライドの高い魔術師である彼は、この様な理不尽な目に合わせた敵を憎悪する。
「魔術も使えん蛮族の分際でこの俺を・・・必ず皆殺しにしてやる!」
ブォォォォォォォォォ
決意を新たにした時、背後から散々聞かされて来た音が近付いて来る。
「クソッ!」
咄嗟に木陰に隠れ、呪文を唱える。
「@-^^¥。・¥@-^\\」
唱え終えると、味方を蹴散らした鉄の化け物が近付いて来るのが見えた。
(俺をこんな惨めな目に合わせた報いだ。いくら化け物でも、この距離なら・・・)
木陰から顔を覗かせつつタイミングを図る。
「・・・喰らえ!」
赤い閃光が走り、化け物に当たると爆発した。
バァァァァァァァァン
爆発音が鳴り響き、化け物の正面が爆炎に包まれる。
「フハハハハ、どうだ!?蛮族如きが俺に逆らうからだ!」
だが煙が晴れると、無傷の化け物が姿を現した。
「な・・・そんな馬鹿な!」
その言葉が、彼の断末魔となった。
ダダダダダダダダダダ
そんな音が聞こえると同時に彼の四肢はバラバラとなり、声を上げる事も出来ずに息絶えた。
同じ様な光景は各所で繰り返され、ハンカン王国軍の被害は増え続けた。
軍務卿の作戦に沿って首都への集合命令が発令されたが、極度の混乱と敵の進撃によって全体には行き渡らず、集まった部隊は全体の三分の一もいなかった。
シーエン
「これ程とは・・・」
軍務卿は、絶望していた。
開戦前には15万もいた兵力が、今では4万5000にまで減っているのである。
竜騎兵も、首都とその近郊に配備していた36騎しかいない。
海上戦力は更に悲惨で、上陸戦の際に15隻が沈められた為、35隻しかいない。
「奇襲とは言え、辺境の蛮族に此処まで・・・」
頭を抱える。
(いや、奴等は本当に蛮族なのか?ただの蛮族が、これ程の戦果を挙げられるのか?)
そう思っても、口には出せない。
暁帝国の人間が蛮族である事は確定事項だからである。
そして、何とか搔き集めたこれ等の戦力で、やって来る敵軍を迎え撃たなければならない。
決戦は、間近に迫っていた。
・・・ ・・・ ・・・
暁帝国陸軍 第一旅団
上陸後、先頭を走り続けた部隊である。
ストライカー旅団戦闘団を参考にした第一旅団は、高度なネットワークと綿密な連携によって破竹の勢いで進撃していた。
だが、現代を基準にするとあまりにも劣悪なインフラが、装甲車ファミリーを中心に構成された装輪式車両の足を引っ張ってもいた。
『此方三号車、パンクです。』
『タイヤ交換終了。戦列に復帰出来ます。』
その様なやり取りが、各所で頻繁に発生していた。
「装軌式だったら幾分マシだったんだがなぁ・・・」
旅団長は、そう呟いて後方にいる第七機甲師団を羨む。
それでも、この世界を基準にすれば十二分に進軍速度は速く、首都は目前となっていた。
「旅団長、司令部より入電です!首都10キロ手前で進軍を停止せよとの事です!」
「どう言う事だ?このまま一気に堕とした方がいいだろうに。」
この戦いでは、国王の確保が目的の一つとなっている。
途中で進軍を停止すれば、脱出の時間を与えかねない。
「敵の残存戦力が、首都の目の前に集結して待ち構えているそうです。これを一気に殲滅したいのでは無いかと思われます。」
占領軍にとって最も厄介なのは、残存部隊によるゲリラ戦である。
何処で攻撃を受けるか分からず、何人いるかも分からない。
このまま進軍を続ければ、ゲリラ化の恐れのある敵兵を多数取り逃がしかねない。
国王確保の前に、後の不安の芽を摘み取っておこうと言う判断から出た命令であった。
「それもそうだな。よし、各隊に伝達!」
こうして、僅かながら小康状態が生じた。
・・・ ・・・ ・・・
シーエン郊外
「壮観だな」
そう呟いたのは、王国防衛軍と名付けられた残存部隊を指揮する リュウショウ である。
4万5000の陸上戦力、36騎の竜騎兵、西海岸では35隻の軍艦が遊弋している。
だが、元の戦力と比較すればその数は激減していた。
「フゥ・・・」
(コウヨウ殿でさえ敗北した。サンカイに比べれば数は多いが、敗残兵が大半を占める軍で勝てるかどうか・・・)
リュウショウはコウヨウと同期であり、友人でもある。
彼は、開戦前に暁帝国の情報を熱心に研究していた事を知っており、その優秀さも相まってコウヨウが敗けるとは考えてもいなかった。
だが現実は、目の前の光景が物語っている。
「リュウショウ様、斥候から報告です。敵軍は、此処より10キロの地点で進軍を停止したとの事。」
「何、停止だと!?間違い無いのか!?」
「間違いありません。」
(何かトラブルでも起きたのか?いや、しかし・・・)
リュウショウは判断しかねた。
「リュウショウ様、これは好機では?」
「好機?」
「はい。これまで信じられない勢いで進軍を続けて来た奴等が停止する理由など、一つしかありません。即ち、何らかのトラブルに見舞われたのです。」
部下は、自信満々に言い切る。
「この機を逃さず兵を進めれば、敵を追い散らす事が出来るでしょう。」
(確かに、何らかのトラブルがあったとしか考えられない。だが・・・)
「リュウショウ様、御決断を。」
「・・・いや、進軍はしない。」
部下は驚愕する。
「何故です!?機会は今しかありません!一刻も早く」
「それは、ただの希望的観測に過ぎない。敵の罠の可能性もある。それに、我々には制空権が無い。この間も、敵の飛竜と思われるモノが街の上空に現れただろう。」
暁帝国と本格的に戦端を開いて以降、各地で頻繁に見馴れない飛行物体が飛び回る様になっていた。
その正体は未だに判然としないが、多くの者は暁帝国の保有する新種の飛竜だと推測している。
「そ、それは・・・しかし、アレが敵の飛竜だと決まった訳では。」
部下は、尚も食い下がる。
暁帝国を辺境の蛮族と見下している為、押せばどうにかなると考えているのである。
だが、リュウショウは違った。
「どちらにしても、我が軍が大きな被害を被ったのは事実だ。今優先するべきは、被害の拡大を抑える事だ。此処で進撃すれば、お前の言う通り敵を蹴散らす事が出来るかも知れない。だが、我が方も大きな代償を必要とするだろう。」
「・・・」
納得出来ていなかったが、遂に黙った。
リュウショウの言う通り大損害を受けた事実がある以上、此処で敵に攻撃を仕掛ければ、大きな被害を受ける可能性を否定出来なかったのである。
「まあ、敵が止まってくれたお陰で準備の時間が出来たんだ。それでいいじゃないか。」
そう言うと、各所の調整の為に駆け回る。
・・・ ・・・ ・・・
暁帝国軍 第七師団
「砲兵隊、配置完了」
「航空隊からも、攻撃準備完了との報告です」
「戦車隊、配置完了しました」
第七師団司令部に、次々と攻撃準備完了の報告が入る。
今回の攻撃は、第七師団が先頭に立つ事が決定された。
機甲戦力を先頭に立てる事で、圧倒的な火力と装甲を敵へ浴びせて轢き潰し、絶対に敵わないと言う印象を定着させようとしているのである。
また、その圧倒的な戦果を見せ付ける事により、今回の様に諸外国から下に見られて開戦へ追い込まれると言う状況を是正し、且つ主導権を握った状態での周辺国との国交締結へと繋げようとも画策していた。
「全部隊、準備完了しました。」
副官からの報告を受け、師団長は指示を出す。
「よし、攻撃開始!」
・・・ ・・・ ・・・
王国防衛軍
一方、彼等の準備も整いつつあった。
整然と隊列を組むその勇姿に、城壁から眺める市民の期待は大きい。
「これなら負ける事は無い!」
「蛮族共め、目にもの見せてやる。」
追い立てられて意気消沈していた兵士達も、自信を取り戻していた。
だが、地獄は突然始まった。
ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥゥ・・・・
「何の音だ?」
「鳥か?」
聞き慣れない音が響き渡り、その出所を探る。
ドドドドドドドドドォォォォォォォン
突如、隊列のド真ん中に多数の爆炎が吹き上がり、1万人近い兵士が呑み込まれた。
「な、なにが・・・なにが、おきた・・・」
リュウショウは、言葉を失った。
爆炎が晴れると、そこには四肢を失った兵士や、原形を失った残骸が散乱していた。
「こんな・・・ことが・・・」
だが、絶望している暇は無かった。
バタタタタタタタタタタ
音の聞こえる方を見ると、飛竜とは似ても似付かない飛行物体が接近して来るのが見えた。
直ちに、36騎の竜騎兵が迎撃に向かう。
シュパァァァァ・・・・ドドドドドドォォォォン
飛行物体は槍の様な物体を放出すると、あっという間に竜騎兵を殲滅してしまう。
あまりにも絶望的な光景に、腰を抜かす兵士も出始めた。
「私は、夢でも見ているのか・・・?」
リュウショウは、思わず呟いた。
だが、飛行物体が地上部隊への攻撃を開始し、その轟音に呟きは掻き消された。
「畜生、あんなのにどうやって対抗しろってんだ!」
「悪魔だ!俺達は、悪魔にケンカを売ってしまったんだ!」
「がああああああ・・・腕があああ・・・俺の腕が・・・!」
阿鼻叫喚の地獄絵図が繰り広げられ、逃亡しようとする兵士も出始める。
ブオオオオオオオオオ
だが、悪夢はそこでは終わらず、正面から更に聞き慣れない音が聞こえて来る。
見ると、鉄で出来た巨大な馬車が接近していた。
「うわああああああ!」
既に士気崩壊を起こしていた兵士達は、この新たな敵の出現に耐え切れずにパニックを起こした。
ダァン…
轟音と同時に、一瞬で隊列の一部が吹き飛ぶ。
一発だけでは済まず、複数の馬車が同じ様に攻撃を繰り出した。
「ッ、退却だ!市内へ退くぞ!」
我に返ったリュウショウは、敵わないと悟って叫ぶ。
これ幸いとばかりに誰もが必死に逃げ込むが、その間にも容赦の無い攻撃が続いた。
彼我の戦力差を明確に理解し、偏見やプライドに捉われずに退却を選択したリュウショウの決断は決して間違いでは無かったが、遅きに失した命令はあまり効果が無く、生存者は5000人程度しかいないと言う悲惨極まる結果を残したのであった。
・・・ ・・・ ・・・
ハンカン王国西岸沖
インシエント大陸との間の海峡であるこの海域には、辛くも暁帝国の攻撃を逃れた35隻の艦隊が遊弋している。
だが、この艦隊は現在、絶体絶命の危機に立たされていた。
「クソッ、何て威力だ!」
「どうすればいいんだよ!?」
彼等の目線の先には第一〇一艦隊の戦艦 信濃 尾張 が鎮座しており、傍目に見ても帆船程度で勝てる相手では無い事が分かる。
それを裏付けるかの様に、46センチ砲の威嚇射撃によって生じた波に煽られ転覆し掛かっている彼等に、抵抗する余裕は皆無であった。
『ハンカン王国艦隊に告ぐ、直ちに降伏せよ。』
勝ち目が無い事を悟った艦隊は、指示に従い降伏した。
こうして、ハンカン王国最後の抵抗は、まともな抵抗一つ出来ずに終了した。
・・・ ・・・ ・・・
シーエン 王城
「クソッ、何たる事だ・・・!」
ハンガンは、悪態を吐きながら歩き続ける。
王国防衛隊の惨状は王城からもよく見えており、恐怖した臣下の説得により脱出しようとしてるのである。
「たかが辺境の未開人の分際でこんな目に合わせおって・・・クローネル帝国の力を借りて、必ず復讐してやる・・・!」
ハンガンの呟きは続く。
だが、その呟きを止める声が正面から聞こえて来た。
「残念ですが、それは不可能です。」
「何者だ!?」
護衛が前に出る。
護衛の問いに応える様に、複数の男が現れた。
「お初にお目に掛かります。我々は、暁帝国の者です。国王陛下をお迎えに上がりました。」
驚愕
その一言が場の空気を支配した。
「な・・・あ、暁帝国の者だと!?そんな馬鹿な、見張りは何をしておった!?」
「見張りの方々には眠って戴いております。直に、目を覚ますでしょう。」
「役立たず共め・・・此奴等を始末しろ!」
護衛が斬り掛かる。
ダンダンダンダンダンダンダン
発砲音が連続して鳴り響き、護衛は全員戦死した。
「ヒッ・・・!」
あまりにも一方的で圧倒的な殺戮が展開され、ハンガンは恐怖のあまり腰が抜けてしまう。
「さて、邪魔者もいなくなりました。御同行願います。」
衛る者のいなくなったハンガンは、有無を言わさず連行された。
・・・ ・・・ ・・・
その後、ハンガンが拘束された事は直ちにシーエン市民へ公開され、降伏を迫った。
リュウショウは降伏を受け入れたが、一部の者達は反発し脱出を図ろうとした。
しかし呆気無く殲滅されてしまい、抵抗を示す者はいなくなった事で、当初から恐れていたゲリラ出現の可能性は無くなった。
こうして、ハンカン王国戦は暁帝国の完勝で幕を閉じたのである。
次の展開どうしよう。




