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第百一話  ハレル教圏崩壊の序章

 やっと、ノーバリシアル制裁の後始末の終了です。

 西セイルモン諸島



 此処は、かつての緊張状態が嘘の様な賑わいを見せていた。

「これが、イウリシア大陸で新たに精製された鋼材です。以前よりも大幅に質が上がりました。」

「さぁさぁ、スマレースト大陸から運ばれた保存食品は如何かな!?これは缶詰と呼ばれる物で、年単位の保存を可能にする優れモノだよ!おっと、保存食だからと言って味が悪いなんて思っちゃいけないヨ!」

「この服、今まで見た事の無い質の高さだぞ。それで、何でこんなに安いんだ?」

 彼方此方で売り込みや商談の声が響き渡り、訪れた人々はこれまで見た事も無い高品質と低価格の商品に驚愕する。

 そして、

「どうだ?」

「駄目だ・・・色々試してみたが、どうやっても突破出来ない。」

「クソッ!」

 路地裏で悪態を吐く怪しい集団の元へ、警備員が近付く。

「はい君達、ちょっといいかな?」

「な、何の用だ?」

「ちょっとお話を聞かせて貰いたいんだ。」

 警備員が目を付けた集団は、密偵である事が後に分かった。

 ハレル教圏の孤立化と核攻撃により、セイルモン諸島を取り巻く緊張状態は自然休戦状態となっていた。

 その結果、暁勢力圏の製品が手に入り易い西セイルモン諸島にはあらゆる商人が押し掛ける様になり、分断される以前の活況を思い起こす程の賑わいを見せていた。

 だが、暁勢力圏から外れている場所である事から、暁帝国の弱点を突きたい国々からすれば格好の的であり、多くの密偵が放たれてもいた。

 特に多いのが、ガリスレーン大陸の中小国である。

 モアガル帝国を追い落とし、暁帝国の庇護下で甘い汁を啜ると言う当初の目論見が破綻した事で、各国は強硬策へと移ろうとしていたのである。

 しかし、地理的に軍を派遣する程の余裕は無く、情報収集の為の商人や旅行者の拉致と、暁帝国製の製品の分解解析を主目的としている。

 尤も、暁帝国によって設置された監視カメラ等の各種センサー類を掻い潜っての行動など出来る筈も無く、その犯行を知らず知らずの内に晒してしまい、前者を実行しようとした者は全員が御用となっていた。

 後者に関しても、技術レベルが違い過ぎる上にそもそも魔術的な技術を利用している訳では無い為、解析は不可能であった。

 それでも諦めずに密偵の派遣は続いているが(上層部が失敗を認めたく無いだけだが)、事態は更に悪化しようとしていた。



 西セイルモン諸島北方沖  アルーシ連邦海軍 哨戒艦



 セイルモン諸島は、イウリシア、セイキュリー両大陸にとって重要な海上拠点である。

 その為、多くの戦力が常駐している。

 緊張状態が大幅に緩和されているとは言え、決して気を抜いて良い程安定化している訳では無い。

 以前から設置されていた基地から哨戒の為に艦艇が周辺海域を往来し、時には牽制し合う事もある。

 また、時折海賊が姿を見せる事もあり、油断は出来ない。

「現在の所、不審な動きは確認出来ず。」

 哨戒活動を行っている蒸気フリゲート艦<オリョール>の艦橋で、定期連絡が行われていた。

「巡視船からは何か連絡はあるか?」

「何もありません。」

 艦長の問いに、通信士官が答える。

「暁帝国の船は索敵範囲が異常に広いと聞いているが、本当なのか?」

「いくら範囲が広くても、この海域全てを見渡す事は出来ませんよ。それに、この海域に派遣されている巡視船は少な過ぎます。」

 艦長の不満に、副長は淡々と答える。

 セイルモン諸島は、暁帝国にとっても重要な中継地点である為、巡視船が派遣されている。

 とは言え、そこまで数は多くは無く、アルーシ連邦がこの海域の主力を担っている。

 だが此処最近になり、海賊によるものと思われる商船の被害が増加傾向にあり、目視に頼るしか無い上に速度も遅いアルーシ連邦艦艇では対応し切れなくなって来ている。

 その為、少数の巡視船しか派遣しない暁帝国に対する不満が現場から上がり始めていた。

 技術供与に同意した際の取り決めとして、暁勢力圏の船舶に被害が出た場合には、イウリシア大陸各国が責任を取らなければならない。

 その様な事情もあり、トカゲの尻尾として扱われかねない現場の人間はピリピリしているのである。

「暁帝国も、もう少し此方の意図を汲んで欲しいものだがな。」

「仕方ありませんよ。ハレル教圏がレック諸島に対して圧力を強めていると言いますし、インシエント大陸へ向かおうとする連中に対しても警戒しなければいけないんですから。」

 同時に、イウリシア大陸で潜伏しているハレル教徒の摘発にも協力しており、暁勢力圏の治安維持機関は気の休まる暇が無かった。

『救難信号受信!現在地より北東30キロ地点!』

「面舵一杯、最大船速!付近の味方艦へ連絡を入れろ!」

 不満を漏らそうとも最前線で活動する指揮官に相応しく、瞬時に必要な命令を飛ばす。

「艦長、救難信号を発している船舶は、ピルシー帝国の商船である事が判明しました。幸いにも汽船である為に船足が早く、追い付かれてはいない様です。ですが、整備直前である為に調子が悪く、全力運転は出来ていないそうです。」

 乗員が戦闘体制へと移行する中、通信士官が伝えられた状況を報告する。

「本艦が到着するまで持ち堪えられそうか?」

「それは問題無いかと。ただ・・・」

「ただ、何だ?」

 中々先を言わない通信士官に、艦長が怪訝な顔をする。

「その・・・襲撃して来た敵船なのですが、魔導砲を多数搭載しているとの事です。」

「な、な・・・何だって・・・?」

 信じられない単語が出て来た為に、艦長は間抜けな声を出す。

「魔導砲です。海賊が魔導砲を搭載しているそうです。」

「そんな馬鹿な事があって堪るか!」

 思わず怒鳴る。

 魔導砲は、製造にも整備にも高い知識と技術が必要である。

 購入するにしても、その辺の海賊が購入出来る程安くは無い。

 中には、国による公認を受けた海賊がその縄張りに限り魔導砲の使用を許される例もあるが、それも運用可能な程の規模と統率があってこそ可能な芸当であり、更に有事の際には前線に出る事が求められる。

 セイルモン諸島周辺に出没する海賊は、どれも小規模でバリスタ装備の船ばかりの筈である。

「発砲されたとも報告されています。幸い、全弾外れた様ですが。」

「・・・とにかく、現場へ急行しなければ。」


 暫く後、


『救援対象と思われる商船を発見!』

 見張りからの報告が入り、艦長は双眼鏡を取り出す。

 商船の約3キロ後方に、追い縋って来る大型艦が目に入る。

「海賊船だと?冗談じゃない、アレは戦列艦では無いか!」

 全乗員に嫌な汗が流れる。

 この近辺で戦列艦を保有し、ピルシー帝国船を攻撃する勢力は一つしか無い。

「商船との間に割り込め!」

 直ちに反撃しなければ命は無い。

 そう判断した艦長は、迅速に指示を出す。

 商船へ追い縋っている戦列艦は、追跡に拘るあまり未だに艦首を向けている。

 それに対し、左翼から接近する形となったオリョールは、取り舵を切りつつ商船の前へ出る。

『戦列艦との距離、2600!』

「撃てー!」

 既に砲撃準備を終えていたオリョールは、直進を開始すると同時に発砲した。

「・・・・・・」



 ドザザザザザザーーー・・・・



「当たらんな。」

 砲弾は、戦列艦の周囲に水柱を上げただけであった。

『敵艦、面舵を切ります!』

「同航戦に持ち込むつもりか?」

「次弾装填急げ!」

 いくら戦列艦時代より高性能な艦を使っているとは言え、敵艦の具体的性能は一切不明のままである。

 その事情が恐怖を生み、焦りは乗員への命令となって表へ出る。

 そして、敵艦が舵を切り終えた所で砲撃準備が終わる。

「撃てーー!」

 両艦から同時に砲炎が吐き出される。



 ドザザザザザザザザザザーーーーー・・・・



『命中確認!信管も作動しています!』

 戦列艦からは、命中弾による爆炎が噴出していた。

 信管の信頼性に不安のあった新型砲弾は、見事にその役割を果たした。

「敵弾、全て2キロ地点に着弾しています。」

 対する戦列艦は、そもそも届いてすらいなかった。

「敵の魔導砲の性能は、此方の旧式砲と同程度か。」

 艦長は、火災の発生している戦列艦を眺めつつ呟く。

「艦長、間も無く応援のコルベットが到着します。」

 その後、到着した蒸気コルベット艦と共に拿捕を試みたが、最後まで降伏する事は無かった為、敵の射程外から撃沈するに至った。

 この事件は迅速に本国にまで上がり、事態を重く見たアルーシ連邦政府は艦隊の増派を決定した。

 また、付近を警戒していた巡視船も同様に海賊行為を働いていた戦列艦と遭遇し、この顛末は暁帝国も周知する事となった。




 ・・・ ・・・ ・・・




 暁帝国  東京



「よりにもよってこんな時に・・・」

 セイルモン諸島での情勢悪化は、東郷の耳にも届いていた。

 タイミング的に最悪と言える状況に、頭を抱える。

 ノーバリシアル制裁に端を発する緊張状態が抜け切らない中、新たな不安の種が現れれば市場が過剰反応を起こしかねない。

 しかも、敵が戦列艦を使用している事実から考えるに、この様な行為を行っている勢力は一つしか無い。



 コンコン



「総帥、裏が取れました。」

 頭を抱えている東郷の元へ、太田がやって来る。

「入念に調査を行った所、戦列艦はハレル教圏からやって来ている事が確認されました。」

 他に心当たりが無い為、報告を受けても何の感情も湧いて来ない。

「連中、いきなりどうしたんだ?何かの前触れか?」

「かも知れません。レック諸島でも圧力が強まっているとの事であり、部隊を増派する必要があると考えます。」

「まぁ、そっちは追々考えよう。しかし、タイミングが悪いな。こうも動きが活発化すると、接近した艦隊が気付かれるかも知れないな。」

「それは、彼等を信じるしか無いでしょう。」

 二人は、二つの亡命問題を抱えている第零艦隊を思う。




 ・・・ ・・・ ・・・




 小ウォルデ島



「それでは、本題へ入りましょうか。」

 吉田は、顔色を悪くした勇者一行を前にして口を開く。

「本題?」

 対するレオンは、何の話か分からずにいた。

 カレンとシルフィーも同様であり、首を傾げる。

「まだ説明していなかったのですか。」

 この期に及んで何も話していなかったとは思わず、吉田は呆れ顔であった。

「何の話を・・・?」

 シルフィーが問い掛けるが、吉田はスノウを睨む。

「そ、それでは、私から説明します。」

 スノウは、亡命を申し出た事について説明する。

「・・・・・・」

 突拍子も無い話に、三人は固まったまま動かない。

「しかし、一つ問題がありますな。」

「何でしょう?」

「あなた方は、ハレル教圏では有名過ぎるでしょう。だとすると、常に御付きがいるのでは?」

「そう言う事ですか。それならば問題ありません。私達は冒険者でもありますので、街中にでもいない限りはむしろ単独行動の方が多いのです。」

 勇者一行は、その実力故に危険度の高い場所へと赴く事が多く、付いて行くには相当な覚悟と実力が必要となる。

「それならば何とかなりそうですが、集合場所はどうするべきか・・・」

「確か、そちらは私達の魔力を探知出来る筈でしたね。でしたら、それ程難しい作業でも無いと思うのですが」

「ちょ、ちょっと待って!ちゃんと説明してよ!どうしてそんな話が出て来るのよ!?」

 話が勝手に進んで行くが、何も知らなかった三人は固まっているだけで納得した訳では無い。

(十分な根回しは期待すべきでは無かったか・・・)

 勇者と言う立場上、自身の意見が即採用される上に基本的に表の活動ばかりである為、この様な裏での活動には慣れていなかった結果、吉田の目の前で醜態を晒す事となっていた。

「教皇庁の行いがどれ程のものかは、三人とも理解されている筈です。」

 詰め寄る三人に対し、スノウは静かに話し始める。

「このまま教皇庁の元で動いては、知らず知らずの内にあの様な凶行に加担する事になってしまいます。」

「だから、真っ先に逃げ出すってのか!?本当にどうしたんだ!?」

「そうよ、いつものスノウらしく無いわ!すぐにでも戻って、教皇代理を問い質すべきじゃないの!?」

「それだけじゃ無い・・・。皆にも知らせないと・・・!」

 勇者らしい勇み足な意見を矢継ぎ早に突きつけられるが、スノウは一切動じない。

「問い質したとして、素直に認めると思いますか?知らせたとして、信じる人がいると思いますか?」

 汚職をした官僚が、疑われているからと言って素直に罪を認める事はまず有り得ない。

 その様な分かり切った事を問われ、三人の勢いは弱まる。

「けど、私達の言う事なら」

「その私達ですら、そう簡単に信じられなかったでしょう。」

 三人は、遂に黙る。

「それに、無暗にこの事を言い広めたとしても、教皇庁に美談にされてしまうのが落ちでしょう。最悪、私達全員が背教心理にかけられるかも知れません。」

 美談と言えば聞こえは良いが、要するに自身の正当性を示す為のプロパガンダである。

「そんな事・・・」

 否定しようとしたが、出来なかった。

 勇者一行こそが、そのプロパガンダの一番の被害者だからである。

 自身の戦いを武勇伝としてハレル教圏全体へ伝えられた事は数知れず、しかもある事無い事織り交ぜて好き放題言われて来たのである。

 聴衆からすれば耳心地良い物語ではあるが、勝手に題材にされている立場からすれば堪ったモノでは無かった。

 否定しようにも、口の上手い者達によって忽ち言い包められ、流言飛語を止める事は全く出来ずにいた。

 また、その過程で不当に貶められている敵が多くいる事を、戦場へ出続けた事でよく知っていた。

「このままでは、私達の存在が新たな凶行へと導いてしまう事になります。此処は、一旦身を隠すべきです。」

 数多の期待の視線を浴びて来た彼等は、自身がその場にいるだけで周囲の者達が強気になる光景を何度も見て来ていた。

 更に、核攻撃を境にその傾向がより強まっている事も実感していた。

 これまでは教皇庁の元で活動を行い、各国も何も言わずにその姿勢に従っていたにも関わらず、各国が勇者を独自に囲い込もうと動いているのである。

 この動きだけを見ても、良からぬ事を企んでいると勘繰るには十分である。

「・・・俺達が身を隠す事で、どれだけの民衆が犠牲になる?」

 レオンは、爆心地の調査後に見た惨状を思い出す。

 直前まで彼等が指揮を執っていた聖教軍によって、近隣住民が大きな被害を受けていたのである。

 その様な惨状が氷山の一角に過ぎない事は理解しているが、曲がりなりにも勇者の存在はある程度混乱を抑制していた。

 だが、此処でその勇者が身を隠したらどれ程の事態となるのか・・・

「失礼ですが、あなた方がいてもいなくても大して変わりませんよ。」

 重苦しい空気など何処吹く風で、吉田が口を挟む。

「・・・何だと?」

 吉田の言葉は、彼等の勇者としてのプライドを刺激した。

 その様な事情など一切考慮せず、吉田は内戦状態へと陥った二ヶ国の経緯を語る。

「分かりますか?既に、手遅れと言える所まで事態は悪化しているのです。」

 容赦の無い追い打ちに、五人は顔面蒼白となった。

 敗ける事が分かり切っていたからこそ、彼等は強硬策を取ろうとする両国を止めようとしていた。

 だが、これ程までに事態が悪化するとは全く考えてもいなかった。

 彼等は、改めて暁帝国との圧倒的な力の差を思い知る。

「ですが、あなた方にも出来る事があります。」

「出来る事?」

「治安維持です。」

「・・・は?何を言ってるんだ?とっくに、手遅れな程に治安は悪化してるんだろ?今更、何の治安を守れって言うんだ?」

 フェイの疑問に、四人は頷く。

「治安が悪化しているのは、セイキュリー大陸だけではありませんよ。」

「じゃぁ、他の大陸の治安維持に協力しろと言う事か?」

「そう言う事です。」

(何を考えてるんだ?)

 最前線で戦って来た彼等にとって、治安維持しか役目が無いと言うのは屈辱的ですらあるが、それ以上に敵対勢力の人間に治安を任せる意図が理解出来なかった。

 そうなる事が分かっていた吉田は、各地のハレル教徒による活動を説明する。

「致命的な行動は未然に防げていますが、いずれは限界が来ます。このままでは、最悪の場合はハレル教徒の殲滅を行わなければならなくなるかも知れません。」

 知らない所で醜態を晒している信徒が多い事を知り、今度は憤慨する。

(酷い有様だな・・・確かにこんな状態が続くとなると、身を隠しながら治安維持に協力した方がいいかも知れないな。)

 レオンのハレル教に対する不信感は、遂に後戻り出来ない所にまで達しようとしていた。

 カレンとシルフィーも不信感を強めており、それを察した吉田はスノウへ問い掛ける。

「皆さんは、ケミの大森林を突破出来ますかな?」

「え?・・・ええ、私達だけでしたら可能です。」

「流石ですな。でしたら、集合場所はそこにしませんかな?察知されにくく、我々も用がある場所です。」

「・・・そうですね。艦隊を連れている以上、一旦戻らなければなりませんし、そこで落ち合うのがいいでしょうね。」

「衛星電話はありますな?」

「大丈夫です。失くしてなどいませんよ。」

 今度は、勝手に進んで行く話を誰も妨害しなかった。


 暫く後、


「それでは、またお会いしましょう。」

 吉田がそう言うと、暁帝国使節団は退室した。

「・・・・・・クッソ・・・!」

 静まり返った室内に、嗚咽交じりの声が響き渡る。

 レオンも、シルフィーも、カレンも、受けた屈辱に涙を流して膝を屈した。

 絶望した過去が、戦いの日々が、信じて来た正義が、・・・・・・

 これまでの人生の全てが、否定されたかの様な気分であった。

 同じ道を通って来たスノウとフェイは、掛ける言葉が無かった。

 誰かが何かを言った所で、解決出来る問題では無い。

 自分自身で乗り越えられなければ、先は無い。

 だからこそ、ただ黙って待ち続ける。


 その後、最後まで残っていた二つの船団は、それぞれ別のルートを通って小ウォルデ島を離れた。

 暁帝国艦隊は西へ、神聖ジェイスティス教皇国艦隊は東へ。

 その様は、両国の険悪な関係を示しているかの様であった。



 最近の投稿ペースは酷くなってますね。

 何とかしないと。

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