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第七話  神話について

 解説パートその三です。

 原初の刻


 世界には、火が無かった 大地が無かった 水が無かった 空気が無かった 昼も夜も無かった

 あるのは、魔力のみ。

 属性も定まっていない大量の魔力が無秩序に吹き荒れていた。


 その魔力の嵐の中に、一ヶ所だけ吹き溜まりがあった。

 まるで、川底の澱みの様に長い時間を掛けて溜まって行き、遂に臨界を迎えた。

 眩い光が辺りを照らし、光が収まるとそこには澱みの魔力を全て内包した人の様な存在がいた。

 彼は、生まれながらの魔法使いであった。

 自らを<ハルーラ>と名付けると、吹き荒れる魔力へ向かって魔法を行使し始めた。


 「我に従え」


 ハルーラがそう叫ぶと、吹き荒れていた魔力がピタリと止まり、彼の元へ集まった。

 全ての魔力が彼の体内へと入り、ハルーラは魔力に属性を付与し始めた。


 最初に、火属性を付与した。

 すると、虚空に巨大な火球が出現した。

 その火球は、見る者全てを焼き尽くす凄まじい熱を放っていた。

 次に、土属性を付与した。

 すると、巨大な大地が姿を現し、火球を覆い尽くした。

 火球を覆った事で、周囲の熱が徐々に冷め始めた。

 だが火球の熱は凄まじく、時間が経過するとその熱は大地の表面にまで達し、地表を焼き尽くし、所々で火山が顔を出した。

 次に、水属性を付与した。

 すると、大地に激しい雨が降り注いだ。

 雨は、焼け爛れた大地を少しずつ冷やして行き、その過程で雲が出来た。

 やがて雨が上がると、大地は丁度良い温度へ下がり、広大な海が出来上がっていた。

 次に、風属性を付与した。

 すると、大地の上に空気の流れが出来た。

 空気の流れは海を掻き回し、雲を動かし、気候を作った。

 次に、光属性を付与した。

 すると、空に昼と太陽が現れた。

 最後に、闇属性を付与した。

 すると、空に夜と月と星が現れた。


 そして、ハルーラは大地に降りた。

 既に、あらゆる生物が生まれ始めており、その光景に満足したハルーラは、最後に残った魔力で人を創った。

 生まれたばかりの人は理性や知性など無く、まるで獣の様であった。

 だが、ハルーラが手を翳すと途端に理性と知性が芽生え、言葉を理解する様になった。

 そして、ハルーラは生まれたばかりの人にこう語った。

「私が君達を生み出した、名をハルーラと言う

 私が君達を生み出したのは、この大地を管理させる為だ

 私は、自らの住む場所を作る為にこの大地を創った

 しかし、それによって力を使い果たしてしまった

 これから私は、永い眠りに着かなければならない

 私が眠っている間、君達がこの大地を管理し、守ってくれ」


 そしてハルーラは最後に、彼等を<メイジャー>と名付けて眠りに就いた。



「以上が、神話の冒頭になります。」

「なるほどな。魔法とは、この星を創り上げた力そのものの事か。」

 神話らしい壮大な内容に聞き入っていた東郷は呟く。

(‘自称‘神が言ってた星を創った存在と言うのは、このハルーラかも知れないな・・・)

 ‘同時に、自称‘神から貰った情報との擦り合わせを行う。

「世界中の魔導士達も、この魔法の正体を研究しています。一番有力なのは、無属性の魔力が魔法の正体では無いかと言う説です。」

「無属性?さっきの説明には出て来なかったな。」

 東郷は首を傾げる。

「はい。無属性魔力も神話の中にしか出て来ません。神話によれば、六属性全てを使いこなせば使える様になるとあります。」

「そんな事が出来るのか?」

「不可能です」

「どうして?」

「相反する属性を同時に持つ事は出来ないんです。」

 つまり、火属性の魔術を扱える者は、反対の水属性の魔術を扱えないと言う事である。

 これは、同時に扱える属性の上限が三つまでと言う事でもある。

「そうなのか、意外と不便だな。」

「殆どの人達は一つの属性しか使えないのであまり関係がありません。二つ以上の属性を使える人は、国や貴族が囲い込んじゃうので殆ど縁もありませんし。」

 有用な人材を少しでも多く確保しようと必死なのだろう。

 そう言った事情はどこの世界でも同じ様だ。

「他に何か聞きたい事はありますか?」

「いや、もう無いよ。ありがとう。」

「いえ・・・」

 アイナは、照れくさそうに返事をする。

「アイラもあり・・・」

 東郷がアイラにも礼を言おうとしてアイラの方を向くと、

「スピーー・・・」

 眠っていた



 見直してみると結構恥ずかしいな・・・

 

 これで、世界観の解説は終わりです。

 次回からいよいよ他国と接触していきます。

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