62話 自称凡人の攻城戦2
2話投稿とは何だったのか。
すみません、急用が重なったのと、設定資料がどこかへ消えたのとで遅れてしまいました、取り返せるように頑張ります。
~??? 視点~
「申し上げます!」
部屋の中に1人の兵士が入ってくる。
「第一から最終結界に大小多数の損傷を確認しました!」
「それだけなら、知らせずとも各地の魔道士で修復すればいいでしょう?」
「そ、それが、同様に第一から最終城壁も大小多数の損傷が・・・」
「・・・それはどのように?」
「は、はい、全ての結界及び城壁がほぼ、いえ、同時に損傷したと・・・」
あの結界と城壁はこの世界では破壊不可能な代物、それを私の下にある魔道士が同時と言うほどとは・・・。
「相手は何人ですか?」
「・・・」
「どうしました?早く報告しなさい」
「・・・その、第一から最終結界、城壁にて侵入者は確認されませんでした、現在も捜索中ですが、ネズミどころか、虫1匹の反応もありません・・・」
「なっ・・・」
そのような事が・・・。
「もう、下がっていいですよ、また、何かあったら報告してください」
ありえない、としか言えません、これほどの事をやってのける者はこの世界どころか他の世界にもそうそういないでしょう、我が主と同等のレベルです。
「そう言えば、我が主からそのような者の話がありました、あの時は半信半疑でしたが・・・」
そう言って資料を手に取る。
『容姿、黒と白いローブを纏った2人組、同じく黒と白のこの世界では『カタナ』と呼ばれるものと似た形状のものを所持している、その戦闘能力は二人がかりで最下級の石兵を倒す』
最下級の石兵は私達『七つの大罪』の分身の戦闘能力に匹敵する。
「いや、まだ、早計ですね、この資料の者が破壊に特化している可能性もありますし」
しかし、念には念を入れておきましょう。
「丁度いい駒がいることですし・・・」
しかしまぁ、いい仕事ですね、食い散らかして、欲を満たすだけでいいなんて。
「ふふふふ、あはははははは」
『暴食』の罪が1人で笑う。
「しかし、この2人はどんな味がするのでしょう、食べてみたいですねぇ」
それに、あの子も・・・。
「おっと、いけないいけない、あの子は食べてはいけないんでしたね」
あの苦悶の表情の中で、絞り出される食欲をそそる液体、何にも変え難い絶品の肉。
「少しくらい味見してもいいでしょうか」
ゆっくりとねっとりと、獲物を思い浮かべて舌なめずりをする。
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~音無 ナギサ 視点~
「ナナシ、少し力を貸して下さい」
『あぁ』
「アルもお願いします」
「はい、マスター」
『魔力探知』で、辺りの探索をする。
「反応なしと」
「生体反応はありません」
生物はいないのか、なら、いいな。
「サイレントさん?」
「呼びにくいなら、音無でいいですよ」
「あ、はい、音無さん、進まなくていいんですか?」
「進みますよ、ただ、ひとつ懸念が減っただけです」
「?」
「・・・」
中心を目指して進んでいく。
「普通に行くと1時間程で着きますね」
「ていうことは何か障害があるのか」
「はい、もう既に」
「そう言えばさっき、違和感があったわね」
「気づきましたか、どういう罠かは分かりましたか?」
「いえ、分かりませんでした」
「じゃあ、こうしましょう」
そう言って『』を地面に突き刺す。
「それでは行きましょうか」
「え、音無さん、刀が・・・」
「大丈夫です」
そう言って少し進むと、地面に『』が刺さっている。
「あれ?刀が・・・」
「無限ループか」
「そうですね」
『』を引き抜く。
「これの原理は移動元のA地点と、移動先のB地点を無限にループするように繋げています」
指で円を描く。
「移動系の魔法は意識して障壁を張れば防げるので簡単ですね」
「意識して・・・」
「障壁を」
全員が移動系魔法対策の障壁を張る。
「そのまま進んでください」
魔力が体にまとわりつく感覚が一瞬あってからループを抜ける。
「抜けましたよ」
「ふぅ」
「あの、音無さん?」
「何でしょう」
「さっき『魔力探知』をしたんですよね?」
「はい」
「音無さんの様子からして反応がなかったんだと思ったんですが・・・」
「そうですね」
人差し指を立てる。
「自分の今の状態では『魔力探知』には引っかかりませんよね?」
「はい」
人差し指の先に『炎』を灯す。
「そしてこうすれば、『魔力探知』に引っかかります」
「つまり・・・」
「発生してない魔法に『魔力探知』をしても引っかからないと」
「ということは、私達があの場所に来てから魔法が使われたということですか?」
「そうなりますね」
「つまり、私達の居場所がバレているんですか?」
「違いますよ」
立ち止まり、地面に手をかざす。
「これは、魔方陣ですか?」
「魔方陣の初歩の初歩です、魔方陣の効果範囲内に対象が侵入したらさっきの魔法が発動します」
「えっと・・・」
全員が魔方陣を眺める。
「この形は独立型ですね、でも、どこから魔力を・・・」
「・・・ここ、大気中のマナを変換してる」
「かなり細かいですね・・・」
魔道士組が魔方陣を観察して解析している。
「いい参考になりましたか?」
「はい、魔方陣についてのいい復習になりました」
「・・・こんな初歩に引っかかるのは不覚」
1番最初の城壁に到着する。
「所々に穴が空いてますね・・・」
「場所を分かりにくくするために、全方向から仕掛けましたからね」
「・・・」
さて、そろそろ第1関門か。
「皆さん、覚悟を決めてくださいね、元々、耐性は付けてもらうつもりでしたから」
本当はつかない方がいいんですけどね。
「いたぞ!あそこだ!」
20人ほどの鎧を着た集団が辺りを囲む。
「殺れ!」
それぞれの剣が迫る。
「ガキッ!」
だが全ての刃が近づく前に落ちる。
「遅いな」
「お兄ちゃんに比べれば止まって見えます」
「そうね」
敵全員が、地面に倒れている。
「ピク」
倒れた鎧の集団が、立ち上がる。
「くそっ、殺れ!」
また、刃が迫る、だが、今度は容赦なく刃が防がれる。
「コキッ」
全ての腕が曲がっては行けない方向に曲がる。
「そこら辺でやめておけ、次は後遺症が残る」
「・・・」
そして何事も無かったかのように剣を振り回す。
「こいつら、痛覚がないのか?」
「違いますよ、この方達は殺さない限り止まりません」
1人を捕まえる。
「離せ!この、止めろ、止めてくれ、あぁ!あぁ!あああああああああああああああああああ!」
「グシャ」
形があるものが潰れる音がしてその場に落ちる。
「音無・・・さん・・・」
白い衣装が真っ赤に染まったのを見つめる。
「・・・」
ゆっくりとジーク達に手を伸ばすと少しだけ後ろに下がる。
「皆さんその眼でしっかりと見てください」
全員に魔力を渡す。
「っ!」
「これは・・・」
「酷い・・・」
「・・・」
全員には目の前の鎧の集団が、肉の塊が鎧を着ているように見えている。
「認識阻害の魔法ですか?」
「しかも、かなり高度のです、肉の塊ですから関節を折ろうが関係ありません」
物理攻撃もほとんど効果が無い。
「戻しますよ」
「そういえば、生き物はいないんだったな」
「はい、いくら、肉の塊とはいえ人型を倒すんです無理はしなくてもいいですよ」
「大丈夫です」
「はい」
全員が深呼吸をする。
「なら、1人1体ですその他は自分とナナシでやります」
「あぁ、痛い!痛い!」
「止めろ、止めてくれ!」
「あぁ、お母さん」
「ぅうううううう!ううう!」
肉の塊が声を上げる。
「すまない」
「ごめんなさい」
「許して下さい」
「ごめんね」
「どうぞ、ゆっくりと眠ってください」
「・・・静かに眠って」
ジーク達がそれぞれ、一体ずつゆっくりと倒していく。
「ナナシ、ケアをしっかりしておきましょう」
『そうだな』
こっちも全員を倒す。
「大丈夫ですか?」
「あぁ」
「はい」
どう見ても大丈夫では無いな。
「あれは、召喚の残骸です」
もう必要数は集まったので、いらない物を使い捨てにして捨てている、という感じだ。
「・・・」
「はい」
やっぱり精神的ダメージが多いですね、少し休んでから行きますか。
「少し、昔話をしましょうか」
「?」
「とある少年の物語です、つまらないものですが気分を紛らわすくらいはできるでしょう」
そう言ってゆっくりと語り始める。




