38話 オリジナル最強魔法、石の少女、従属神
『あそこまでいって良かったのか?』
ゴブリンを素手で魔石に変えながら質問してくるナナシ。
『いいんですよ、それにどうせ自分は、ね?』
『そうだったな』
まだ、ヒーラーまでしか出てきてないな。
「クロ、大丈夫ですか?」
「はい、問題無いです」
魔力の反応を見た感じ大体、毎秒50体くらいか。
「近くで見ても凄い速度でゴブリンが減っていってますね」
「そうですか?結構皆さんのために抑えてるんですが」
「確かに一瞬で1万くらいは戦闘不能にできるんでしたね」
あれも加減したんだがな。
「4000行ったら打ち上げをお願いします」
こくりと頷くナナシ。
「他の皆さんはどうですか?」
「ジーク達は毎秒40、カリナ達は35、生徒会は45ですね」
この反応を見ると、生徒会長と副会長が殆どだな。
「アサシンも出てくることを考慮してあと1分ですかね」
「それじゃあ全力で行きます!」
「良いですね、自分の限界を感じて下さい」
『ジーク、カリナ、本気でどうぞ』
ジーク達にも『思念通話』で伝える。
『OK』
『了解』
魔力が一気に放出されるのを感じる。
「ここまでとは、自分もまだまだ未熟ですね」
今の一瞬で2000体ほどの魔力が消失した。
「ナナシ、もう上げて下さい」
空に魔法の花火が打ち上がる。
「クロは先に」
「はい、頑張って下さい」
クロを『テレポート』の魔法陣で移動させる。
「『デコイ』『交換』『テレポート』」
『デコイ』、発動者の実態のない幻影を移す無属性魔法。
「こんにちは皆さん」
「っ!?白騎士様!?」
ジーク達の後ろに立つ、全員帰ってきてるな、魔力は消耗しているが。
「やっぱり遅れてしまいましたか」
「サイレントさん忙しかったんじゃ・・・?」
「来れないとは言っていませんよ、音無はそこんところ分かっていた見たいですから」
「黒騎士様」
「サイレントで良いですよ、貴方は・・・ふむ、ナナシが言っていた生徒会長さんですか」
「はい、シルヴァーナ・ルリエーレと言います、それで、彼、音無くんは世界と戦うといっていたのですが・・・」
「それは違いますよシルヴァーナさん、彼は世界と戦うのではなくて、世界のために戦うんです」
「どういう事ですか?」
「彼が本当に世界と戦おうとしたら、正面から戦っても彼には勝てないんですよ」
「それは・・・」
「ありえないですか?、ジーク君達は知っていますが、彼は魔法を使えるんですよ」
「え?」
聞いてないやつは驚いてるな。
「それに、全ての魔法、そして全ての無属性魔法の使用も可能、そんな彼は何故魔法を使わないと思いますか?」
「実力を隠すためですか?」
「確かにそれもあるのでしょう、ですが一番は皆さんの才能を潰さないためなんです」
「それって」
「彼は言ってましたよね、一人だけが強いんじゃいけない、全員が強くないといけないんだって」
「・・・」
「今の世界は勇者に全て丸投げしているんですよ、勇者がいればいいと、ですがそれではいけない、この世界には危険が迫ってるんです」
「危険ですか?」
「はい、それこそ魔王と一緒に戦わないといけないくらいに」
「それは本当ですか?」
「本当で無ければ彼は命かけてませんよ」
「どういうことですか?」
言っておくか。
「彼はこの世界を助けるためなら自分の命はどうでもいいんですよ、それこそ悪役を演じて世界をまとめるくらいには」
「そんなこと・・・」
「最初の計画なんて酷かったですよ、全ての生き物と仲良くなり、裏切って、矛先を自分に向け、それで死を引き換えに仲を持つなんていう計画です」
「・・・」
「ですが、彼は考えを変えた、世界を見て、色んな生き物と触れ合い、新たな可能性を見た」
「それが、世界統一ですか?」
「はい、それこそ、戦う相手を強くなんてしませんから」
「音無君を少し誤解していましたね」
「それと、皆さん彼を思うなら、彼を忘れないで下さいね、せめて名前くらいは」
「意地でも忘れませんよ」
「名前くらい覚えておけます!」
頼もしいな。
『少し我儘を言っていいですか?』
『はい、良いですよ』
『実は■◆▲で◆●■して欲しいのと、もし、自分が死んだら、自分の事を誰も覚えてないようにして欲しいんです』
『いいんですか?』
『はい、元々その世界の人間では無いですし』
『わかりました、そうしましょう』
『ありがとうございます』
ただし、解除出来ないですよ?か。
「それと、彼が全員を強くする理由ですが」
「世界を守るためですよね?」
「そうなんですが、正確には、保険です」
「保険ですか?」
「実際その敵は彼が本気で戦えば何とかなります、ですがそのあいだは彼は世界を守れない、敵は一人とは限らないという事です」
「えっ、つまり私達の相手は弱い方、それがこの世界が力を合わせないほどいけないほど強いのですか?」
「彼の推測ですが、確かに今のあなた達では歯が立たない、それに数も多い、と」
「それが全員が強くないといけない理由か・・・」
「はい」
大体伝えられたな。
「これから見ることは他言無用ですよ?」
「分かっています」
その言葉を聞いてゴブリンの集団へ向かう。
『伝えてきました』
『良かったのか?』
『はい、いずれ教えるつもりでしたから、それに』
『この国に長くは居ないんだろ?』
『はい』
『ジーク達はどうするんだ?』
『それなんですよねぇ』
『逃げるか?』
『きちんと話をしますよ、今の所クロは連れていくつもりですが』
『この話はあとにするか、今は』
『目の前いるのを何とかしないといけないですね』
さてさて、自重せずに行きますか。
『やっぱり下位の魔法だと細かい調整に限界がありますね』
『それが出来たら、上位魔法が意味無いからな』
氷属性のオリジナル最上位魔法。
『氷世界』
ゴブリンの集団が氷漬けになる。
『自重しないねぇ』
『サギも出来るでしょう?』
『そうだな』
サギが使うのは雷属性のオリジナル最上位魔法。
『紫電一閃』
辺りが一瞬光り、氷漬けのゴブリンを粉砕する、そして魔石に変わる。
「『ロックオン』魔石『テレポート』」
全ての魔石をジーク達の所へ移動する。
『これで終わりですね』
『そうだな』
サギと『テレポート』で去ろうとすると。
「パリン」
「「っ!?」」
何かが割れる音がした、そして感じたことのある空気。
『皆さん、丁度あちらから来てくれた見たいですよ』
『それってさっきの音』
空を見上げると、何もない所に亀裂が入っている。
「やっぱり無理やり入りに来ましたか」
その亀裂から落ちてくる物が1つ。
『石ですか?』
グウェンが聞いてくる。
『ただの石では無いですね』
その石は変形し人の形をかたどっていく。
『石が変形するか、それとこの形』
その石は大体13歳ほどの少女になる。
「・・・」
石の少女はこちらをじっと見つめて動かない。
『これは恐らく神世界のものだな』
『はい、そしてこれは、敵情視察ですね』
『セーブしていくぞ』
『分かっています、気をつけて下さい、いくら偵察といっても直接繋がっているようですし、『神力』も使えるでしょう』
『あれ完全に魔力の上位互換だよな』
『取り敢えず当たらないように、生憎こちらの情報は女神さんのおかげで漏れることはありませんから』
さて、どうしたものか。
『ナギサ、ナイフ』
『確かにあれなら問題無いですね』
『』のナイフを取り出す、白と黒のナイフが1本。
「あなたは?」
「・・・」
「名前を聞いてもいいですか?」
「・・・」
反応なしか、相手の手前女神さんに連絡も出来ないし。
『ナギサ、いくら神世界の石とはいえ、『神力』通しただけで動くと思うか?』
『・・・あぁ、なるほど』
『神力』はどうか分からないが、魔力は石を操作するほどの力を使えるのなら、直接こちらに干渉出来る、もしそうだとしても、前に食らったトラックの時と力の大きさが圧倒的に小さい。
『石に魂を憑依させ、それに干渉すると』
大体、今くらいの力で意思を持った言う事を聞く人形の完成、こんな姿なのは魂の持ち主がこんな容姿だったからだろう。
石を操るより、体の意識を操る方が力が少なくて済む。
『石に無理やり憑依させられ、操られるか』
『相手の魂に意識を集中させてみろ』
サギに言われた通りにする。
『助けて』
そう、言った。
『しかし、魂と体をどうやって分けているんだろうな』
『『神力』だと、力が少なすぎて説明にならない、多分操ってるやつの能力ですね』
『能力は・・・大体見当がついてるか』
『はい、恐らく『逆』にする能力』
おそらく、何でも『逆』に出来るだろう。
『感情の反転から始まって数えたらキリがないな』
『そうですね、『逆』の条件も見ておかないといけませんね』
ナイフを持って石の少女と対面する。
「名前の知らない方、少し時間がかかりますが待っていてください助けますから」
「貴様如きの人間に我の兵が倒されるか」
石の少女から声が発せられる、会話は出来るみたいだな。
「貴方は何者なんですか?」
「そうだな、神だ!」
隠さないな。
「神ですか?結構しょぼいですね」
「我が主から承った力がしょぼいだと?」
「はい」
「良かろう、試運転のつもりだったが貴様如きこの1体で事足りる」
「一体しか送れなかったの間違いでは?」
「そ、そんな訳ないだろう!」
それなりに背景は見えたな、さっさと終わらせるか。