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掌編小説集4 (151話~200話)

月の土地

作者: 蹴沢缶九郎

「ほら、月の土地を買ったぞ。」


ある民間企業から月の土地を購入した男は、土地の権利書を妻に見せながら言った。


「やったわね、あなた。これで私達も月の土地の地主ね。」


と、妻は冗談っぽく笑いながら答えた。


「とは言え、いくら月の土地を買ったからといって、月に行けないのでは意味がないけどな。」


「あら、そんな事ないわよ。夢があっていいじゃない。月見の時の楽しみが増えたと思えばいいでしょ?」


「ううん、そういうものだろうか…。」


「そういうものよ。だから買ったんだもの。」


「まあ確かにな。」


夫婦がそんな会話をしていると、突然部屋のドアを開けて入ってきた、明らかに人間ではない異様な姿の侵入者が、


「俺は月からやってきた者だが、お前ら、ここは俺が購入した地球の土地だぞ。さっさと出ていけ。」


と、懐から取り出した地球の土地の権利書を夫婦に見せつけた。権利書を見せられた夫婦は、逆らっても無理そうだと悟り、未だ手軽に月に行く事の出来ない地球の科学を呪ったのだった。

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