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聞き込み調査

 取りあえず、山岡と朝山は駅前じゃ目立つということで近くのハンバーガー店に入った。学生たちがはびこる中、山岡と朝山は奥の目立たない席に座った。取りあえず、何も注文をしないでいると店の店員に怪しまれてしまうかもしれないので、取りあえず山岡はホットコーヒーを注文して、席に戻る。そして、朝山は”後で、届けてくれるって”と言い、席に戻ってきた。

 

「さてと……、改めまして、私の名前は山岡と言います。まだまだ、新米な刑事ですが、今回の事件に一応参加させてもらっています」


 と頭をかきながら言う。朝山はぺこりと頭を下げて


「始めまして。私の名前は朝山由美。職業は現在、花屋をしております」

「先ほど、事件に参加したいと言っていたのは……やはり、弟さんの仇ですか?」


 ”ずいぶんと、確信をえぐるような質問をしてくるな……”そう、思った朝山は少し顔を曇らせながら


「はい。そうです……」


 と答えた。

 ”流石に聞き方を間違えてしまったか”と思い、山岡の表情がやや焦っているようにとらえることができる。少しの沈黙の後、再び口を開いたのは朝山だった。


「あの……捜査の状況はどうなっているんですか?」


 と聞く朝山。その顔には、焦りなどが見てとらえることができた。しかしながら、山岡は先ほどと違い、冷静な面持ちで、その質問に答える。


「申し訳ないのですが、操作の事は外部に漏らすわけにはいきませんので……」


 そういうと、朝山は悔しそうな顔をして下にうつむいてしまう。

 また沈黙が続いたのであるが、その時山岡の携帯が鳴った。携帯画面には先輩刑事の名前が表示されており慌てて立ち上がり、急いで店の外に出た。


「はい、山岡です」

「もしもし、金山だけど」

「先輩、どうかしたんですか?」

「……」

「先輩?」

「あのさ、あなたのところに朝山由美って人来てない?」

「今、一緒にいますけど……それが、どうかしましたか?」

「!! え? 本当?」

「はい。いますよ」

「今どこにいるの?」


 と、先輩刑事にハンバーガー店の場所を教えると


「10分くらいで着くから、そこにいてね。もちろん、朝山由美と」


 そういうと、ブツリと電話が切られてしまった。

 不思議に思いながらも、店の中へ戻ると先ほどまでいた席に山のように積んであるハンバーガーが見えた。急いで戻り、確認するとそれを朝山がおいしそうに食べていた。


「あの、すみません。何個頼んだんですか?」


 そう山岡が聞くと、彼女は幸せそうな顔で


「120個」


 と言い再び黙々と食べるのであった。

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