智嫁の過去
智嫁
「私は中3~高1に彼氏がいました。
苺鈴の特進科は持ち上がりで、彼氏と
2年目に入った時でした。
彼の母親が私の家まで会いに来たの。」
ーーーーーー
智嫁
「初めまして。
高等特進科の杉浦智嫁です。
お名前を伺っても?」
大我の母親
「橋本 美羽よ。
急だけど大我と付き合ってるわね。」
智嫁
「はい、中3からお付き合いさせ」
智嫁の言っている最中に口を挟まれた。
美羽
「別れなさい。
あなたは大我に適当な相手じゃないわ。」
智嫁
「えっ、どういう意味ですか?
急に別れるなんて…‼
私たちお互いに本気なんです。」
美羽
「じゃあ、話が早いわ。
智嫁さん、愛する人が
人生を失敗する姿を見たい、味合わせたい?
別れないなら、大我が手にする全てを私が手にする。」
智嫁
「どういう意味ですか?
手にするって…何をするんです?」
美羽
「大我は医師になるのが夢なの。
医師になるには大学進学が必要不可欠。
大学に入学出来ない様に圧力や手を回すのは
財力がある私には出来る容易い事。
それが失敗しても病院に手を回す事も出来る。
大我を好きなら夢を打ち砕く様な真似出来ないわね?」
智嫁
「……別れれば
全て言ったものを撤回されますか?
それなら別れを告げます。」
好きな人が辛い思いするのを
見たくなかったからの智嫁の思いだった。
ー18時頃ー
必ず大我は
智嫁の家に寄ってから帰宅する。
今日もいつも通りに
智嫁の家のチャイムを鳴らして
智嫁は普段と変わらずに鍵を開けた。
大我の手には
飲み物が入ったビニール袋が握られていた。
ただ、今日違うのはこれから。
智嫁は玄関の鍵は開けたが
奥には通さずに話をした。
智嫁
「私たち別れよう…。」
その瞬間に大我はビニール袋を
落とし袋の中身が散らばった。
大我
『はっ、何で?』
そこまでは言葉が出たが
驚きでその先は詰まってしまった。
智嫁
「だから、ここには来ないで。
私は…大我には相応しくないから。」
目を会わせながら話した。
自分の感情を読み取られない様に
目を合わせて話をした。
大我
「まさか…好きな奴が出来たのか?」
智嫁
「違うわ、好きな人が出来なくても
感情は気持ち、変わることだってある。」
智嫁
『もう、帰って…。
これ以上傷付けたくない、お願い。』
心の中から願った。
でも…その願いは通じなくて
言葉の変わりに左頬を叩かれた。
叩かれた反動で
智嫁が床に座る形で倒れた。
大我はよく分からない感情になり
智嫁を追いて、玄関を開けて出て行った。
手を差し伸べられる訳でもなく
叩いたことの謝罪がある訳でもなく
思いっきり走って行った。