決心した気持ち
蒼希
「…ただいま。
智希さんと話してて遅く…」
廊下を歩いて
ガラスドアを開けたら
頬に保冷剤を当てながら
寝ている智嫁の姿があった。
蒼希
「智嫁?」小さい声で呟いた。
智嫁はテーブルに右頬を下にして
左頬に保冷剤を乗せて寝ていた。
蒼希は手を伸ばして
智嫁の頬に当ててある保冷剤を
当ててる意味が分からず取ってみた。
蒼希は
智嫁の紅く染まった頬に
思ってもみなくて目を張った。
蒼希は
保冷剤を頬に当てて
タオルケットを優しく掛けて
テーブルに肘を付いて智嫁を見ていた。
ーーーーーー
AM4時00分
急に智嫁は
ピリッとした痛みで目が覚めて
それが頬からきた痛みだと分かった。
冷たかった保冷剤も
朝方には常温になっていていた。
智嫁は起き上がると
掛けてあったタオルケットを
軽く微笑みながら蒼希に掛けた。
そして、鏡で頬を見るために
パウダールームに行き自分の目で
確認して見てみた。
智嫁
「やっぱり…一日じゃあ無理かぁ。」
分かってた様に呟いた。
昨日よりは頬の持ってた熱は引いたが
多少の腫れぼったさや見た目も違和感があった。
キッチンで
コーヒーをカップに注ぐと
テーブルにカップを置き一口飲んだ。
智嫁
『大我の母親がいなければ
こんな問題は起きてないはずだ。
それに、大我が叩いたのは許せない、
話し合えてなくても大我は手を出した。
それ以前に…親がした事は連帯責任。
だから、少し追い詰めてやる。』
この時に
智嫁は心に復讐と言うのを決意したのだった。
ーーーーーー
AM11時11分
あれから智嫁は
眠ることは出来ず考えた結果
蒼希が起きたら告白しようと心を固めていた。
この時間になり、蒼希は起きて
智嫁が淹れたコーヒーを飲んでいた。
智嫁
「…条件だったよね。」
急に蒼希に話し掛けた。
急に話し掛けたと思ったら
ゆっくりと歩み寄り隣に座った。
蒼希は何も言わずに
『何だろう?』と言う顔で
隣に座っている智嫁を見てるだけだった。
智嫁
「少し前に…
蒼希が過去を話してくれたでしょ。」
この時の智嫁の目は潤んでいた。
蒼希は
何と返したらいいか分からずに
無言で智嫁を見て頷いて返事を返した。
智嫁
「私の気持ち…条件とか義務とか
関係無くして聞いて?」
それは蒼希が初めて見た
智嫁の弱々弱々しい姿だった。
蒼希
「条件は破棄する。
だから…思った様に言っていいよ。
僕は、智嫁を受け入れられるよ。」
智嫁は軽く笑みを返して
蒼希に言った。
智嫁
「あの夜、蒼希が話した時に
私の中で信頼って言葉を実感できたの。
…出来なかった話す事。
話す勇気と信頼を蒼希がくれた。
だから、私の全てを話すよ…。」