揺るぎない決心
智嫁
「蒼希たちと会う前に何回も訪ねて、
同じ会話をして、追い出すの繰り返し。
これが…蒼希たちに会う前日の全て。」
蒼希
「でも…あの日智嫁は泥酔してた。
まぁ、頬が腫れぼったく感じたけど
初対面だったから分からなかったんだ。」
智嫁
「蒼希に会った日…
あの人が持ってきた袋にはお酒が入ってて
出でった後、6本以上をやけ酒?して
外に出て、歩けなくなって座ったの。
後は…何も記憶が無くて。」
智嫁は続けて話をして
こうも告白した。
智嫁
「昨日の夜に会ってたのも
私を叩いた相手だった。
あの人は同じ話をして、思い切り叩いて…
何も変わってはいなかった!
期待したっ」
興奮して話していた
智嫁の言葉は途中で途切れた。
原因は蒼希だった。
智嫁を思いっきり抱きしめていて
口も蒼希の身体に覆われいて途切れた。
そんな
智嫁の目から一筋の涙が流れた。
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智嫁
「あの2人を精神的に追い詰めるわ。
制裁を下した後に罪があるなら私が償うわ。」
蒼希
「それは間違ってる。
制裁は天に任せるべきだよ、
本当に罰を受ける人なら天が判断するよ。」
智嫁
「精神的、肉体的苦痛を受けたのは私!
それを天に任せるなんて出来ないわ。
それに、やられた分の痛みを返すの。
ゆっくりとね、これでも優しい方だわ。」
蒼希
「でも、好きで愛してる人に対して
同じ苦痛を与えるなんて…出来る?
いくら…暴力を振るわれたとしても…。」
智嫁
「何度も変化を期待するほど馬鹿じゃない。
もう今は、愛してないの。
叩かれたからじゃない…。
見捨てていく人間性、性格…
色々の積み重ねで愛してる感情は無くなった。」
蒼希
「僕は…過去を聞いてる限り
智嫁はそんな事が出来る気持ちを
持ってるとは思えない。」
智嫁
「私を美化しすぎよ。
人間は強くなることが出来る、それが今。
愛してないって気が付いた時には
お酒に逃げる自分は居なくなってた。」
蒼希
「相手は恋人が智嫁でないと幸せじゃないなら
智嫁が幸せになるのが誰も傷付かない
一番の考えだとは思わない?」
智嫁
「あの人は私に依存してるの。
じゃなかったら、見捨てたりしない。
それに、私は蒼希見たく優しくなれない。」
蒼希
「智嫁、考えても見て。
幸せになる…それが1番の復讐だ。」
智嫁
「痛みを受けた人の気持ち…
蒼希には分かるはず、私の気持ち。
絶対に受けた分の傷は返してやるわ!」
智嫁の言葉の迫力と
もう決心した様な目を見ると
蒼希は何も言えなくなってしまった。
そして、蒼希の中の気持ちを
智嫁が動かしたのだった。
少しの沈黙の後に言った。
蒼希
「感情的になってたよ、
復讐するのは僕じゃないのに。
決めたよ、智嫁を気持ち受け入れるよ、
この先、何があったとしてもね。」




