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MURDERER  作者: KAI
4/5

出会い

どれくらい歩いただろうか。


あれから、何時間か過ぎ、ただ途方に暮れていた。


当然、時計なんてもっていないわけで、時刻はわからない。


しかし、もう日が落ちているのはわかる。


俺「クソッッ、腹減った。」


俺は力、体力に自信はあるが、どうにも空腹には弱い。


幼いころ、おっさんに引き取られるまではどこでどう暮らしていたんだろうか。


疑問に思ったことは何度もある。


何度、おっさんにそのことを聞いても何も話さない。


おっさんと俺の両親とに何の関係があったのだろうか。


何かあるから話さないとしか考えられないだろう。


しばらくそれから歩き続けると街の明りが見えるところまで来ていた。


俺「おっしゃ!町ってことなら行けばなんとかなるな。」


俺は喜びのあまり走って街の中に入って行った。


ここの街は何度か来た記憶がある。


依頼で来た街の名前くらいは覚えるようになった。


この街は治安がとても悪く、政府が最も危険視しているとおっさんも言っていた。


俺「こりゃやべえとこ来ちまったな。」


街を歩いていると早速、他人と肩がぶつかる。


わざとらしく相手の男は、ぶつかってきたっぽいってのがよくわかった。


男は二十代前半くらいだろうか、割と若い分類かもしれない。


男「おいおいクソガキ。てめえ、人の肩にぶつかっておいてただで済むと思ってんのか?」


男の後ろに数人の男がいる。


その真ん中に俺同じくらいの歳の少女がいる。


察するに拉致られたってとこだろう。


ざっと十人くらいか。よくもまあ大勢でいらっしゃること。


俺「じゃあどうすればいい?金か?あいにく一円も持ってなくてな。まあ払う気はさらさらないけどな。」


男「金ないか~。ほんじゃあ一発殴らせてもらっちゃおうかな。」


男は俺の腹に一発、鉄拳をくらわせる。


たいして強い力じゃない。


一般人ならともかく俺ならこんなのは痛みに入らない。


今日殺した組織の人間のようにデブではなく、筋肉すらない拳は俺にとっては無に等しい。


男「なッッ???」


男は驚く。無理はない。


俺「今度は俺の番だな。」


俺は構えも取らずに男の腹めがけて拳を飛ばした。


ドスッッ 


効果音と共に男は後ろに体ごと飛ぶ。


男「がはッッ。」


倒れた男は気絶し、血を吐く。


後ろにいる男たちが唖然とする。


男2「て、てめえ!!!」


男は俺の顔めがけて拳を飛ばす。


俺は無言のまま、その男の顔を殴りつける。


男2「うがあああ。」


男は左に飛び、またもや気絶する。


今度は口と鼻から血を吐く。


それを見た後ろの男たちは、恐怖で怯えた顔をしてその場から立ち去った。


少女を助けにきたとでも思ったのか、少女をおいて去って行った。


少女「あ、あの・・・・助けていただいてありがとうございました。」


少女は体を震わせている。そりゃ拉致られればそうなるわな。


俺「いや、別に助けるつもりはなかったんだけどな。」


結果的には助けたようなものか。


グ~~~。


俺の腹の音が鳴る。


俺「やべッッ、腹へって死ぬ。じゃあな、気をつけて帰れよ。」


俺はさっさと食べ物を探しに歩き出す。


少女「あ、あのお腹すいてるんですか?」


少女は呼びとめる。


俺「まあな、昨日からなんも喰ってなくてな、まあどっかで見つけるから大丈夫だ。」


少女「あ、あのもしよければせめてものお礼ではなんですが、私の家でごはんでも食べていきますか?」


・・・・


少女はとんでもない一言を言った。


いつもの俺なら人とはあまり関わらない性格だが、今回に限っては俺の腹の虫が鳴いている。


俺「・・・・まじで?いいのか?」


少女「粗末な物しかありませんが・・・・よければどうぞ。」


俺「俺は喰い物に関しては遠慮しないぞ?」


少女は俺の発言に対して少し微笑み、


少女「あはは、面白い方ですね。では案内します。」


少女に甘えさせてもらうことにした。


しばらく街を歩くと、住宅地に出た。


住宅地をこれまたしばらく歩くと他の家々よりも少し小さめの家の前で立ち止まった。


少女「ここが私の家です。どうぞ」


扉を開け、俺を案内する。


俺「邪魔するぜ。」


家の中には明りが灯されていたが、人の気配は感じられなかった。


俺「留守なのに電気つけてたのか?」


少女「いえ、ちょうどあなた様が来る一時間前くらいに宅配便だとか言われて、外に出たら連れ去られてしまったのです。私の家、スピーカーしかないので音しか聞こえないんです。」


俺「あ~なるほどな。親は?人の気配はしないが。」


少女「私の両親は仕事熱心なので、あまり家にいる時間は少ないんです。」


俺「そっか、邪魔して悪かったな。それと、親がいねえんなら簡単にドア開けんな。」


少女「いえいえ、とんでもない。す、すみません。」


俺「以後気をつけろ。」


はい。っと少女は小さくうなずいた。


少女はまだ、体を震わせていた。


俺「大丈夫か?お前、体震えてんぞ。まあ無理もないけど・・・・」


少女「だ、大丈夫です。あ、今、ごはんお持ちしますね。」


俺「あ、ああ。」


少女は急いで、キッチンに入り、何やら冷蔵庫を開けたり、レンジを使っている音が聞こえた。


俺は近くにあったテーブルの椅子に座らせてもらう。


しばらく椅子で待っていると、少女がおぼんに白米、味噌汁、煮魚、煮物を持ってきた。


テーブルに置き、それぞれに配置する。


少女「どうぞ、あの、粗末なものですけど・・・・」


俺「お、サンキュー。いただくぜ。そんなこたーない。」


俺はがつがつ白米を食いながら、味噌汁をすすり、煮魚はまるごと口の中に放り込み、最後に煮物を一気に喰いつくす。


わずか一分のできごと。


俺「あ~うまかった。ごちそうさん。」


少女は俺の喰うスピードに驚いていた。


少女「そ、それは良かったです。お粗末さまでした。食べるのお早いですね。」


俺「そうか?俺は結構これが普通だけどな。」


もっと喰いたかったがかたずけをしだしたのでやめておく。


俺「んじゃ~帰るわ。飯ありがとな。邪魔した。」


スタスタと俺は玄関に向かう。


少女「あ、あの待ってください!!!」


俺「ん?」


少女はまたもや引きとめる。


少女「あ、あのどこか行くあてはあるんですか?見たところ、あなた様は服も汚れていらっしゃいますし・・・・」


まあ普通に考えて拷問された。なんて言えねえよな。


俺「あ~いや、まああるけど正直ここの街から帰れるか自信はねえな。」


少女「あの、だったら、私が道教えます!!!ですから、今日はその、泊っていってください!!!」


少女はとんでもないことを言った。


少女の顔はカーっと赤くなった。


俺「いいのか?俺は何するかわかんねえぞ?」


少女「あなた様はそんなことする人には見えませんし、大丈夫です。たぶん・・・・」


たぶんかよw


俺「冗談だ、何もしねえ。悪いななにからなにまで。」


少女「いえ、これも助けてもらったお礼です。親もいませんし。」


俺「そうか、ちょっと早速寝かせてもらっていいか? 今日は疲れたわ。」


空気を読めないのが俺だ。


少女「あ、じゃあ今から布団引きますね、待っててください。」


俺「あ~俺どこでも寝れるから大丈夫だ。床で寝させてもらう。


そう言って俺は床に転がり就寝した。


・・・・・・・・


・・・・・・


・・・・

















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