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分岐物語 ★動物園って言ったら猛獣でしょ! 左の道に行こう。



 せっかく動物園に来たんだから、普段は見れない猛獣達を見ないでどうする! と左の道を進んで行くと広場のようなところに出て、突き当たりに園内図が描かれた大きな看板があった。

 猛獣館はこの道を曲がってすぐのところ。

 他にも特別展示会場や夜の生き物館、爬虫類館、鳥類館などがイラスト入りで描かれている。

 看板を見るだけだと大まかな場所は分かるけど、どんな生き物がいるのかまでは分からない。

 どうしようかな、と思いながらパンフレットと看板を見比べていると。


「何かお困りですか?」


 突然声を掛けられて驚いて振り向いたら、すごく眩しくて目を細めてしまう。

 瞬きを繰り返しながら目をあけると、日差しを反射して眩しいほどにキラキラと輝く、長い銀髪の男性が立っている。


 年齢不詳。

 この言葉はこの人のためにある言葉に違いない。

 ものすごく年上にも見えるし、そんなに年の差がないようにも見える。逆に、40代だと言われても、20代だと言われても、なんだか納得できないような、不思議な感じの容貌だ。


「おや、驚かせてしまったようですね」


 柔らかな微笑みを浮かべた男性は、優しげな水色の目でパンフレットと私を見比べると、ああ、と何かを納得したように頷いた。


「まずは猛獣館へ行ってみてください。今の時間なら、きっと面白いものが見れると思いますから。猛獣館の中は、熊と狼、ヒョウ、ライオンがいますが、全て入口が別になっているんです。ほら、あそこにそれぞれの動物の絵が描かれた扉があるでしょう?」


 手で促された方向を見てみると、やけにリアルな熊と狼、ヒョウ、ライオンの絵が書かれている四つの扉があった。

 入口がそれぞれ別なんて、ちょっとめんどうだなぁ。

 とりあえず左から順番に見ていこうかな、と思っていると、パンッ、と手を叩く音に意識を銀髪の男性の方へと戻される。

 

「意識的にしろ無意識にしろ、人は一生のうちに様々な選択を繰り返しているものです。あなたもここに来るまでに、なにかしら、選択をしてきましたね?」


 顔は微笑みを浮かべているけれど、水色の瞳は真剣な色を浮かべていて。

 確かにこの動物園に来るって決めたのも選択だし、入口で右に行くか、左に行くかっていうのも選択したから、気圧されつつも小さく頷いた。


「何気なく選ぶその道が、一生を決めることもありますから。よく考えて、決めてくださいね」


 それでは。

 と言うだけ言って、銀髪の男性はさっさとどこかへ行ってしまったのだけど。


 ナニコレ、超選びにくいんですけどっ!?


 勝手に案内して勝手にハードルを上げて勝手に消えた銀髪男にちょっとした殺意を覚えながら、四つの扉を睨みつける。

 さっきまでは左から順番に見ていくつもりだったのに、なんだか意味深な言葉を残して言った銀髪男のせいで、今この瞬間が人生の分かれ道なような気がして来てしまう。

 しばらく扉を睨んで悩んでいたけど、だんだんバカバカしくなってきた。

 どうせ、最終的には動物園の全部の生き物を見ていくつもりだし、先になるか後になるかの違いだけ。


 もう、直感で決めちゃおう! 



D.クマを見に行く。

E.狼を見に行く。

F.ヒョウを見に行く。

G.ライオンを見に行く。




年齢不詳なあのお方。


さて、みなさんはどの動物を見に行きますか?


活動報告コメントか、メッセージで読んでみたいルートをお知らせいただくと、おこたの打ち込みスピードが上がるかもしれません(笑)


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