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ボウドゥ牧場に行こう!(ウーマさん視点 その①)


ボウドゥ牧場に行こう!のウーマさん視点を作ってみました。ウーマさんってば・・・と生暖かく見守っていただけるといいなぁ。


 相棒がおかしなことを言い出した。

 大好きな人のために新しいボウドゥを捜す、って。


 最近、僕たちは頻繁に狩りに出ていて、時々、丸一日かかってしまうこともあった。

 それでも、大好きな人を一人ぼっちにしないためにも、僕らは一日以上かかる獲物は他の獣に任せるようにしているんだけど、もうすぐ、獲物が一気に活発に動き出す星消えが始まるから、この時期だけは、僕たちもでなきゃいけない。


 何日かかるのか、何度出なきゃいけないのかわからないし、大好きな人を一人ぼっちにさせるのは、僕もものすごく心配だよ?


 でもさ。

 なにも新しいボウドゥを捜さなくてもいいんじゃない!?


 僕たちが留守の間は友達の家に行ってもらったり、来てもらえばいいじゃないか、と思うんだけど、思ったんだけど・・・ダメだよね、相棒の場合・・・。


 大好きな人に関しては、心が狭すぎるくらい、狭いんだよね、相棒。


 がっくり項垂れながら、じゃぁ、せめて大好きな人を守れるだけのボウドゥを僕が見つけ出してあげるっ! と心に決めて、ボウドゥ牧場に来たんだけど。


 ここには、ふさわしいのが居ないみたいだ。


 大好きな人が乗るから、出来るだけ小柄でおとなしい性格がいいと思って相棒もこの牧場を選んだと思うんだけど、体格同様、気が弱すぎて、話にならない。


 大好きな人が触れようとするたびに、後ろからほんの少しにらみつけるだけで、怯えて下がっていってしまう。

 手加減している僕でさえこの有様じゃ、相棒の冷たい視線に耐えられるわけが無いよね。


 だって、僕らが出かけている間中、大好きな人を独り占めする相手だよ? 相棒が嫉妬しないわけが無いし。


 大好きな人が落ち込んで柵に手を着いて項垂れているのを、ものすごく気にしているのに、誰もよってこようとしない。


 ああ、ごめんね? あなたのせいじゃないから、気にしちゃ、だめだよ?


 鼻先を寄せると、嬉しそうに僕に抱きついてきてくれる大好きな人。

 それをうらやましそうに遠くから見ている牧場のボウドゥたちに、ふふん、と鼻で笑ってやる。


 どうだ、うらやましいだろう!


 それにしても、やっぱり、温室育ちのボウドゥじゃだめかな。

 ちょっと気性が荒くなってしまうけど、僕と同じ元は野生のボウドゥじゃないと、相棒の嫉妬には耐えられ・・・野生でも、耐えられるの、かな?


 ちょうど、話が終わってこちらに向かってくる相棒が、大好きな人が僕に抱きつきながら落ち込んでいるのを見て、いきなり不機嫌になった途端、気の弱い牧場のボウドゥたちはさっと逃げていってしまった。


 ・・・僕もちょっと逃げたいかも。


 冷や汗を流す僕から大好きな人を引き剥がして自分の腕に囲った相棒は、どこか凶暴な視線で周囲を見回し、まだ残っていた牧場のボウドゥがさらに数を減らし。


 それを見て、大好きな人が悲しそうな顔をしているのを慰めようと、さらに抱きしめているみたいなんだけど。


 ・・・それ、相棒のせいだからね?





威嚇しまくりのウーマさんと夫に一言。


君ら、妻のボウドゥ捜す気無いだろ・・・?



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