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ボウドゥ牧場に行こう!①


ウーマさん牧場、おこたも行きたい(うっとり)



 ただ今私、夫と一緒にウーマさんの背に揺られて、お出かけ中です!


 でも、今日のお出掛けは、ただのお出掛けじゃないんですよ?

 夫がウーマさんと出かけている時でも、私が自由に外出出来るように、もう一頭、馬もどきを家族に迎えることになったんです!


 これまでずっと、私一人で出掛けることを嫌がっていた夫ですが、これからしばらく夫とウーマさんが留守がちになってしまうのだとか。

 そうなると、当然、私が一人でお留守番することになるわけです。

 お仕事ですから、仕方ないですよね。

 でも、これまで半日や丸一日留守にすることはあっても、数日続けて夫やウーマさんがいないことは初めてなので、しっかりしなければ、と、ちょっと緊張しちゃっています。


 夫は、そんな私の様子に気がついていたようで、お仕事が始まる前に馬を迎えよう、と言ってくれました。


 普段から歩くのが好きな私ですが、買い物をしたり、何か緊急時には馬が居た方がいいですし、ひとりでお留守番するよりも心強いですものね!


 そんなわけで、夫と一緒にウーマさんの背に揺られて牧場に向かっているわけなのですが、いったいどんな馬がいるんでしょうか?

 ワクワク感が抑えられなくて、背中の夫にひっきりなしに話しかけて、ウーマさんの首を撫でまくります。


 ああ、ものすごく楽しみですっ!


 牧場に着くと、寡黙そうな初老の牧場主が出迎えてくれました。


「おおっ!! よく来た、よく来た! 待っとったぞっ。さぁさぁ、こっちに来てくれ!」


 ・・・見た目と違って、全然寡黙じゃない方みたいです。

 それに、なんというか、とんでもなく熱い視線をウーマさんに注いでいるような気がするのですが。


 あっけにとられて牧場主を見ていると、ウーマさんが早く行こうよ、と言うように私の背中を鼻先で押してきます。

 夫のほうを見ると、小さく頷いて促してきました。夫は、牧場主と何かお話することがあるみたいです。


 なんだか、牧場主の物言いたげな視線を非常に感じた気がしたのですが、振り向いた時にはもう、反対方向に歩き出した夫を追いかけて行くところでした。


 ・・・気のせいだったのでしょうか?

 ちょっと首を傾げつつも、ウーマさんに押されるまま、一足先に牧場の馬を見せてもらおうと放牧場に向かった私は、目の前の光景に思わず歓声を上げてしまいました。


 ウーマさんです。

 小さめなウーマさんがたくさんいますっ!


 私の歓声に驚いたのか、数々のつぶらな瞳がこちらを見ていて、身悶えしそうになるのをぐっと堪えました。

 大きさも色もそれぞれですし、立ったままご飯を食べているものも、横になって寛いでいるものもいます。全部で20頭ほどでしょうか。

 ウーマさんと比べると、みんなふた周りほど小さいので、まだ子供達なのかもしれません。こうやってみると、ウーマさんが桁外れにがっしりしているように見えますね。


 それにしても、か、可愛い子がいっぱいいますっ!


 どきどきしながら、一番近くにいた真っ黒な馬に手を伸ばそうとすると、ちょっと怯えたように下がって行ってしまいました。


 ああ、残念っ。

 急に手を出したので、怖がらせてしまったのでしょうか?


 他の子ならどうかな、と別の子に驚かさないように注意しながら手を伸ばすと、さっと逃げられてしまいました。


 ええっ、またダメ?

 私、動物には割と好かれる方だと思っていたのですが。

 それから別の子たちにも試して見たのですが、私が近づいただけでみんな逃げていってしまいました。


 ・・・私、もしかして、嫌われてる?


 流石に落ち込んで柵に手をかけてうなだれていると、ウーマさんが、気にしちゃだめだよ、と慰めるように鼻先を寄せて来てくれます。


 う、ウーマさんが、優しいっ!


 落ち込んでいるところを慰めて貰えて感激して抱きつくと、どこか誇らしげな目で、もっと撫でて? とせがんできます。


 もう、かわいいなぁっ!


 ぐりぐりと気持ち良さげなウーマさんを撫でまわしていると、後ろからお腹に太い腕が巻きついてきて、一気に引っ張られました。


 ・・・こんな事をする犯人は、ひとりしかいません。

 危ないですし、女性のお腹はそうやすやすと触ったり掴んだりしちゃダメです。油断している時は特にダメです。

 本当に、切実にやめて欲しいですよっ。


 と、引っ張った犯人である夫に抗議しようと振り向いて、あれ? と思いました。


 それまで沢山いた小さなウーマさんたちが僅か三頭しか残っていません。

 それも、どこか怯えるように遠巻きにこちらを見ています。


 他の子達はどこに行ってしまったのでしょうか?

 周囲を見回して探したのですが、見つかりません。


 ・・・なんだか悲しくなってきました。

 やっぱり私、怖がられているんでしょうか?


 ちょっと落ち込んで居ると、夫がきゅっ、とお腹に回している腕に力を込めました。

 たぶん、慰めてくれているのだと思います。

 でも、ひとつ言わせてください。


 ・・・お腹のお肉に触るのは禁止ですっ!




妻「旦那さまっ! 掴むのはもっと禁止ですっ!!(怒)」



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