酔っぱらいヴォルフのデレ(ヴォルフ視点)
デレたヴォルフが見てみたい! ということで、甘甘めざして、酔っ払わせてみました。
馬鹿な真似をしちまったなぁ。
久しぶりに自警団の連中と飲みに行ったら、何故か他の獣と飲み比べをすることになっちまった。
そんなものしなくても、結果は分かり切っているっつうのにうまく乗せられて、ある酒全部飲み干す勢いで飲みに飲んだその結果。
自分も相当酔っているのに、ぶっ倒れて寝こけたフィリウスを運んで帰る羽目になり、余計な運動のせいで、さらに酔いがまわる。
さっさと寝ないと明日に響く、と足元も覚束なくなるほどふらふらになりながら家に帰ると、奇妙な違和感を感じた。
・・・なんだ?
気のせいか、とは思うものの、胸騒ぎにも似た妙な違和感は消えない。
危険、じゃねぇな。
ただ、あるべきものが無くなっちまっているような、物たりなさ。
酔った頭で、もう一度自分の寝室を見回して、気がついた。
ああ。俺の、あれがないのか。
明日も仕事があるから、さっさと眠りてぇのに。
ぶつぶつ言いながら、廊下に出て取りに行く。
おお、あったあった。
ったく面倒かけさせやがって。
それを両手に抱えて、自分の寝室に戻る。
これでやっと、安眠できる。
・・・翌朝。
「あれ? あたし、なんでここで寝てるの? あ、ヴォルフに襲われた?」
「んな訳あるかっ! 毎度毎度、一体どうやって入ってくるんだ、おめえは!?」
自分の部屋で寝て居たはずのミリディアの頭に「?」が一杯浮かぼうが、酔っ払って記憶を飛ばしたヴォルフの完全否定の前に、無意識でヴォルフを目指して移動しちゃったのかも、と思い込んでしまうのは。
・・・日頃の行いのせいかもしれない。
ミリィのせいになっちゃった!?(予想外)