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妻、夫に鍛えられる②


運動は大事・・・だけど。


 それからしばらくして。

 夫が走ろう、と言い出しました。


 たぶん私がいつまで経っても本格的な運動を始めないので、業を煮やしたのかもしれません。

 でも、自慢じゃありませんが、私、走るの苦手なんです。

 短距離、長距離わけ隔てなく、苦手です。

 昔、兄弟たちからも、お前は歩いたほうが早い、といわれてしまっていたくらいなので、出来れば遠慮したいなぁ、と思ったのですが、でも、まぁ、せっかく夫が誘ってくれたんですし。

 ちょっとくらい、走ってみようかな、と思ったのが間違いでした。


 一人で走るのでもなく、夫が隣で走ってくれるわけでもなく。

 後ろから、夫が追っかけてきます。


 私がこんなに必死に走っているというのに、涼しい顔で追っかけてくる夫に、とても悔しい思いをしていたのは最初だけ。


 後ろから、夫がどんどん迫ってきます。

 ぜぃぜぃ呼吸しながら、つい後ろを振り向いてしまうのは、怖いもの見たさというよりも、もう追われるものの強迫観念にほかなりません。


 い、いやぁぁぁぁっ!!

 ずっと同じ速度で走っている夫に捕まると、もれなく罰が下るんです!


 必死に少しでも夫との距離を維持しようと限界を超えて足を動かすのですが、所詮、超鈍足が鈍足に変った程度。夫は涼しい顔のまま、一定の速度で走り、徐々に距離を詰めてきます。


 スピードを上げて、すぐに呼吸が荒くなり、肺が痛み出しました。


 こ、このままでは追いつかれてしまいますっ!

 こうなったら、最後の手段!


 私は大きく息を吸うと、呼吸を止めました。

 そのまま、限界まで走りますっ。こうすると、息が苦しくて、もがくようにして走る速度が上がるのです!


 でも、それも一瞬のこと。


 大して距離も走らないうちにあっさり限界が来て、速度が落ち、あっさりと夫が伸ばした腕で背中をトン、と叩かれてしまいました。


 ま、またつかまった・・・っ


 もう自分が息を吸っているんだか吐いているんだかもわからなくなりながら、荒い呼吸を繰り返していると、どこか楽しそうな夫の視線とぶつかり。


 あ、と思ったときには、もう罰が執行されました。


 むに。


 夫の大きな手が、私の、私の・・・っ!

 わき腹を掴んで脂肪の感触を確かめていますっ!


 むにむに。


 私は悲鳴を上げて身をよじるのですが、夫の手は離れてくれません。

 これ、何の羞恥プレイですかっ!? 

 女性の脂ぼ・・・ウエストを掴むなんて、ひどすぎます!


「だ、だんな様の、ばかぁぁぁっ!」


 最後には、捨て台詞を吐いて、ウーマさんのところに逃げ込みましたが。

 ・・・すぐに、回収されてしまいました。





女性の脂ぼ・・・ウェストは、禁断の場所ですよね?

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