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妻、夫に鍛えられる①


運動は大事です。


 夫が、急に私に運動を進めるようになりました。

 まぁ、確かにこちらに来てから毎日家事や庭と畑の手入れが忙しくて、あまり運動らしい運動はしていなかったのですが。


 どうして、急に運動するように言い出したのでしょうか?


 もしかして。

 私、太っちゃいました?


 確かに最近、三食しっかりお腹いっぱいになるまで食べているほかに、レインからもらったお菓子とかも食べていましたっけ。ウーマさんにハチミツパンをあげるついでに、私もつまみ食いしちゃってましたし。そういえば、スカートがちょっときついような・・・。


 これは、由々しき事態です!


 でも、運動ってなにをすればいいでしょうか?

 家の中で出来ることといえば、ひたすらお掃除したり、爪先立ち出歩いたり、体の節々を伸ばしたりするくらいしか思いつきませんし、外となると走るとか、縄跳びとかででしょうか。


 とりあえず、お掃除からしましょうか。運動も出来て、部屋もきれいになって一挙両得ですし。

 まずは前々から気になっていた物置部屋の片付けから始めることにしました。

 私の私物は入り口付近にまとめてあるのですが、正直物置部屋の奥側にはなにが入っているのかさえ、知らないんですよね。

 以前、物置部屋で寝られるようにした時は、雨漏りと隙間風がひどかったですから、もしかしたら、結構痛んでいるかもしれないので、ついでにそこも確認してみましょうか。


 手近なものを運び出して、少しでも空間が空くように、並べ替えたりしていたのですが。


 お、重い、です。

 なんでこんなに重いものばっかりなんですか!?

 箱の中身を開けてみてみたい気もしましたが、これらは全て夫の私物なので、それはしちゃだめですよね。見てはいけないものが出てきても嫌ですし。

 でも、本当になにが入っているのでしょう。

 さっきから持ち上がらない箱もたくさんありますし。


 ちょっと夫に手伝ってもらおうかな、と考え事をしていたのがいけなかったのか、頭の近くまで箱を持ち上げたらグラリ、と体が揺れて倒れそうになりました。


 うわっ、転ぶ!

 

 と思って目を瞑った瞬間、腕から重みが消え、体を支えられました。

 そっと目を開けてみると、夫が片手で箱を持って私の肩を支えてくれています。


「あ、ありがとうございます」


 夫は無言でしばらく私を見ていたかと思うと、持っていた箱をひょい、と私に渡しました。反射的に受け取ったのですが、重みにふらつくと、また箱を回収されます。

 夫はその箱を軽く積み重ねると、さっきまで私が重くて持ち上げられなかった箱を持って、私に渡そうとしました。


「ちょ、だ、旦那さま、それ無理です! 持てないです、絶対落とします!!」


 思わず逃げ腰になると、夫はちょっと驚いたような顔でまた何かを考えているようでしたが、結局元に戻しました。


 それにしても、夫は、あんなに簡単にもてるんですね。

 一つ一つの箱が異様に重いのは、夫仕様になっているからに違いありません。

 私は、完璧に片付けることは早々にあきらめることにしました。


 ・・・それにしても、箱の中身が気になります。




妻、むしろ女性としては力もちな方なのですが、比較対象が夫しか居ないので、非常に非力に見えてしまう・・・(悲)

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