もしも妻が怪我をしたなら
夫妻の日常の一コマ。
質問:
もしも妻が怪我をしたら、夫は、ウーマさんは、どうするのでしょうか?
「いたっ!」
夫が出かけている間にウーマさんのお世話をしていたのですが、柵の一部にトゲが出ていて刺してしまいました。
ぷっくりと盛り上がってくる血に思わずため息がでます。
今日はどうもついてないんですよね。
さっき玄関横の石に躓いて転んで膝を擦り剥きましたし、洗濯物を干すときに伸びた草で足を少し切ってしまいました。
ウーマさんの原材料がよく分からないご飯を取りに行けば、同じ場所にあった他のものも一緒に落ちてきてかばった腕と手の甲に内出血ができました。
そして、トゲを刺したと。
ちょっと注意力が散漫だったかもしれません。
こういうことは重なるときはいくつも重なるものですから、気を付けなきゃ、と思っていたのに夕飯の支度をして居るときに指を切りました。
もうっ、注意していたはずなのにっ!
切れ味が悪くなってきているから、よけいな力が入っちゃったんですよ、そりゃ指もきりますよっ!
自分の立て続けの失敗に一人で腹を立てていると、夫が帰ってきました。
手当をした指を目を細めて見ていたので、一人で怒っていた気恥ずかしさを誤魔化す為に今日の出来事を事細かに夫に話して聞かせました。
こんなことがあったから、私がちょっとおかしな言動をしていても仕方がないんですよ、だから是非とも無い無い尽くしを発揮して、気にしないで下さい、と頑張って言外に主張してみました。
夫はそんな私を無表情で眺めつつ、最後に小さく頷いていたのですが。
翌日。
洗濯をしに外にでたら、玄関の周囲に石はなく、草は刈り込まれ、棚はわたしの目線まで低くなり、厩舎の柵は全部取り外されて、包丁はまな板まで切れてしまいそうなほど、鋭く光を放っていました。
・・・というか。
昨日夫は私よりも先に寝ていたはずなのですが。
・・・いったい、いつの間に?
回答:
怪我の原因を排除します。




