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手と手を合わせて・・・?

なかなか甘くならない夫妻に、甘い甘い、としつこく呪文のように繰り返しながら打ち込んでいたら、やっとこ甘めの小話が出来ました! うん、甘いって言ったら、甘いんです! そして相変わらず妻は限界にチャレンジ中(?)。



 私、ただいま、観察中です。

 なにを観察中かと言うと、何に使うのかよく分からない道具の手入れをしている夫を手の動きを観察しています。


 夫の手は、かなり大きくて、がっしりしています。でも肉厚というわけでもないので、意外と細かな作業も平気そうなんですよね。


 それがすごく不思議です。

 そんなに大きな手で、どうして細かい作業ができるんでしょうか。

 大は小を兼ねるといいますが、私よりもずっと大きな手が、私にはできないような細やかな動きをしているのを目の当たりにすると、ついつい集中してみてしまうんですよね。


 本当に不思議です。


「旦那さまの手、大きいですよね」


 あまりにもじっと見ていたせいか、夫が手を止め、自分の手と私の手を見比べてから、手のひらをこちらに向けてきました。


 うわ、やっぱりこうして改めて見るとやっぱり大きいです。手自体が大きいのであまり感じませんが、指も私よりもずっと太そうですよね。感心して眺めるとちょっと手のひらを近付けてきました。

 あ、合わせみろってことですね。

 手を広げて合わせてみると、私の手は、夫の第二関節までしか届きませんでした。

 ちっちゃっ!


「・・・小さいな」


 夫が感心したようにつぶやいていますが、違いますよ? 私の手はいたって普通のサイズです。中の中です。夫の手が大きすぎるんです!


 夫は興味を沸いたのか、手首を掴んで手のひらや手の甲を眺めたあと、するり、と指を絡めてきました。

 ぞくっ、と背筋に悪寒のようなものが走り、思わず手を引こうとしたのですがそれよりも早く夫の指に力が入って、全く抜け出せませんでした。


 本当に、相変わらず絶妙な力加減ですね。

 痛くないけど、動かせません。夫は何かそういう特殊訓練でも受けていたのでしょうか。卵を割らずにどこまで力を込められるか、とか。


 現実逃避しているうちに夫が繋いだ手をじっと見て、おもむろに私の手の甲に顔を寄せてきて。


 くん、と一度鼻を鳴らしたかかと思うと。


 ぺろ。


 っ!?


「・・・甘い?」


 ・・・・しっ、知りませんよ、そんなことを私にきかれてもぉぉっ!!


 っていうか、甘いんですか、匂いが甘かったから今、な、舐めたんですか!?


 あ、そういえばさっきウーマさんにこっそりハチミツをつけたパンを持っていってあげたのですが、それでしょうか?

 でもその後にちゃんと手を洗いましたし、夫が匂いをかいでいたの、手の甲ですから、流石にそこまで蜂蜜を飛ばしたりしないとおも・・・・っ!?


 再び手の甲に走ったぬるり、とした感触に、硬直してしまいました。


 というか、また舐めっ!?

 もう確かめなくていいで、うぁぁぁっ、さっきよりも範囲が広がっ!?

 やーめーてーっ!


 多分真っ赤になりながら息を止めて、ついでに手の甲に舌を這わせる夫を見ていれられなくて目を閉じると、余計に感覚が鋭くなるって、これどんな罰ゲームですか!?


 もうダメです。限界です!


 羞恥の限界を超えてなにかの行動を起こそうとした瞬間、夫の舌の感触が離れました。


 ホッとして目を開けると、私の手に指を絡めたまま真っ直ぐにわたしを見ている夫がいました。そして、最期につ、と手の甲に鼻先を滑らせた夫がたった一言。


「甘い」


 判定。

 ・・・私の手は、甘いらしいです。





夫の判定でました~!

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