妻と夫と馬の日々
ウーマさんがやってきて数日後の出来事です。
今日は夫が迎えに来た馬車で出かけているので、馬の世話をすることになりました。
「よいしょっと。ウーマさん、ご飯ですよー」
馬と言っても、私の知る馬よりもかなり身体が大きく、足も太いのですが、顔が馬に似ているので私は馬と呼んでいるのですが、それがそのままウーマとして名付けられてしまったちょっと気の毒な馬です。
馬に似ているのですが、馬ではないので、食べるものも違いました。
草ではなく、意外なことに雑食らしいのです。
なかでもお気に入りは果物。その辺も馬に似ていますね。
主食(材料不明)をもそもそ食べ始めるのですが、あっという間に空になってしまいます。
物足りなそうにしている馬に、隠し持ってきた果物を上げながら、さりげなく腕をのばしてわしわし頭を撫でてあげました。
気持ち良さそうにしている馬を見て、ふと思いついて家のなかに戻り、クシと紐を持ってきて、不思議そうにしている馬の両側の鬣を三つ編みにしてみました。
か、かわいいっ!
紐の端をリボン結びにしているので、余計にとっても可愛いです!
調子に乗って、一生懸命三つ編みとリボンを増産していたら、いつの間にか帰ってきた夫が私と馬を眺めていました。
「あ、旦那さま、お帰りなさいませ! 見てください、かわいいでしょう!?」
この感動を分かち合おうと、夫に満面の笑みで言うと、夫はちょっと首をかしげて、しばらく馬を眺めていました。
なんだか、馬が居心地悪そうにしているのは、どうしてでしょうか?
それにしても、こうして夫と馬が並んでいると、クマさんとお馬の組み合わせで、なんとなく癒される気分です。片方は、リボンだらけですしね!
夫の反応をわくわくしながら待っていると、たった一言。
「オスだ」
・・・ウーマさん、ごめん。
無意識で、結果的にウーマさんをいじめてしまう妻(笑)
一応、反省しています(たぶん)