我が家に馬(?)がやって来た!
ウーマさん、初登場!
結婚して数日がたったある日、夫が馬っぽい生き物を連れて帰って来ました。
「っぽい」というのは顔は馬なのですが、私が知る馬よりもかなり身体が大きく、足も太い。馬って足を骨折したら致命傷だと聞くのですが、かなり力強そうな足腰をしていて、これを折るのは無理な気がするほどの太さです。安定感抜群で、聞いたところによると見た目通りに力強いそうです。
でも顔は馬なので、目が大きくてクリクリしていて可愛いんですよね。
そーっ、と手を差し出して、手のひらの匂いを嗅がせて見ました。大人しくかいでます。
うん、これなら撫でられそうですね!
驚かさないように慎重に手を伸ばして耳の後ろを撫でてあげました。気持ち良さそうにしています。うん、可愛い。
「いい子ですね! 旦那さま、この子の名前はなんですか?」
夫の方を振り向くと、ちょっと驚いたような顔をしていました。最近、夫は無表情が基本だとわかって来たので、私までびっくりしてしまいました。
「あの、名前を聞いたら不味いんでしょうか?」
心配になって聞いてみると、夫は小さく首を振りました。じゃあなんでそんなにびっくりしていたんでしょうか? 不思議な人です。
「名前は、何がいい?」
夫が聞いてきたので、ちょっと考えてみました。
「私が暮らしていたところの馬っぽいので、馬とかどうですか?」
いや、正直私もそれはないかなぁ、と思っていたのですが、夫がとっても微妙な顔をしました。
馬(仮名)まで、その大きなつぶらな瞳を悲しげに揺らしています。
いや、ちょっと言ってみただけで本気じゃ無いですよ!?
流石の私も、犬に猫って名前をつけたりしませんって!
慌てている私をよそに、夫が馬(仮名)に向かって、
「ウマだ」
と断定的に言いました。
その時の馬(仮名)の顔と言ったら。
つぶらな瞳にいまにもこぼれ落ちそうな涙を浮かべて、この世の終わりのような悲しげな風情で震えています。
うああっごめんなさい、ほんっとごめんなさいっ!!
その後、私の必死な説得により、「ウーマ」というちょっとあんまり変わってないんじゃないか、という名前になりました。
全くなにも考えていない訳でもなく、なんでもこちらではウーマとは縁起のいい名前だとか。
・・・ウーマ(確定)も、私も、心底ホッとしました。
教訓1:名前は一生ものですから、ちゃんと考えましょう。
教訓2:夫に冗談は通じません。