それから・・・。
「ジャジャジャジャ~ン!! 毎度お騒がせしております、魂回収業者の悪魔でございま~す!!」
バタンッと勢いよく開いたふすまの向こうからなんだか明るい声がした。
おどろきすぎて悲鳴も出せないじゃない。
落ちつくために、吸って吐いてって息をする。
それから確認。
「・・・なんて言ったんですか?」
暗い部屋の中に立つ男はなんだか大きく見える。
「ん~? 聞こえなかった? それではお兄さんがもう一度説明しよう! 魂の回収に来た悪魔ですよ~」
アクマ? たましい回収? 意味がわからない。
「・・・なんで?」
「なんでとは、これまたなんで? ワンコの命を復活させてあげたよね? あんな適当な魔法陣と呪文で。しかも、あのやっすい鶏ムネ肉で。パッサパサじゃん!! あれで唐揚げしたら、めっちゃ不評でさ、さっきの鶏モモ肉でどうにか名誉挽回だよ。でも、あれも安物だよね? ちなみに俺、唐揚げはゆずポン酢で食べるのが一番好きだから。お? やっと電気ついた。今回の停電は長かったね?」
パッと電気がついて、ろう下からの明かりで見たアクマは黒ずくめのかっこうだった。
それに意外とイケメンじゃない?
ううん。それよりも問題は・・・。
「そんなびしょぬれで家の中歩き回られると困るんだけど。とりあえずはこの部屋から出て下さい。タタミがぬれます」
「おっと、ごめんよ。いや~、いきなり雨が降って来るから焦ったよ~。あれってゲリラ豪雨って言うんだよね? 俺、必死で入れてって言ってんのに入れてくれないしさ。で、どっちの魂回収すればいい?」
アクマはそう言いながら、何か呪文を唱えてぬれた服を乾かした。
すごい。本物なのかな?
ずいぶん拓海が静かだと思ったら、なんか寝てるし。
おどろきすぎたみたい。
まあ、おしっこもらしてないからいいか。
それにしても・・・。
「ひとつ訊きたいんだけど、アクマさんってじゅみょうはどれくらい?」
「ん? 俺? 俺はね~数千年ってところかな」
「じゃあ、待って下さい」
「何を?」
「たましいの回収」
「え~? それはちょっと聞けないお願いだな」
「タダでとは言わないです」
「なになに?」
「私と、拓海と二人分の魂をあげるから、だからあと80年回収を待って下さい」
「こらこら、それって人間の寿命を全うしちゃうね。いや、むしろお得じゃね?」
本当は心ぞうがバクバクしてる。
だけど、ここで引いたら「しっかり者のお姉ちゃん」が台無しだから。
頑張るんだ。
「そうかな? 2人分も回収できるんだから良いと思うけど。それにさらにおまけをつけてあげます」
「・・・なに?」
「私たちのお父さんにならせてあげます」
「なんだって?」
「お母さんは早くに結婚したから、まだ30代前半だしお得だと思います」
「いやいや、あのね? さっきから君、何言ってんの? それに俺にも好みってものがあってね・・・」
「でも、お母さんは私に似て美人だし、気立てもいいんだよ? 会社でもモテモテなんだって。あ、ひょっとして、アクマともあろうものが人間の女性相手だと恥ずかしいとか、無理とか言わないよね? 自信ないとか?」
「おいおい、俺が人間の女一人落とせないわけないだろ? すぐに心だって奪えるっつうの!」
「じゃあ、証明してください」
「おう、いいぞ」
「けいやく成立だね」
「って、おい、こら」
と言う訳で・・・。
ハロウィンの夜、私と拓海に「唐揚げはゆずポン酢派」の新しいお父さんが出来ました。
チョコをタダで診てくれたじゅう医さんって事にして。
まあ、お母さんのてっぺきのガードを破るのはアクマも苦労したみたいで、正式にお父さんになるのは1年も後だったんだけど。
なんでも本気で惚れた相手には魔力を使いたくなかったんだって。
アクマのくせに意外と純情だよね?
ここまでお読み頂きありがとうございました♪
正解は・・・???
はい。分かりやすかったですよね。「もり」でした☆
ではでは、来月も新しい企画も決まっておりますので、よろしくお願い致します!!
あ、まだまだ皆様からの企画も募集中です☆




