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第三章~銀の龍~

「グギャァァ!!」


銀色の大きな影が動き出した。

その銀の影は、どす黒く怪しく光る目に、硬そうで、鋭い鋼の翼を持った巨体。

まさに銀の龍、鋼のドラゴンだった。




「あれを倒せばいいんだな?」

ツバサのサファイアの瞳は、ドラゴンに負けないくらい、怪しく光を放っている。


「うん。あれは、メタルドラゴン。鋼の体を持つ龍。

 だけど私、やっぱり運が悪いかも・・・」

シルキーは、脅えた目をして、少し、引き腰になっている。


「何だよ。今更?それに、さっきは運がいいみたいって言ってたじゃねーか!」

「うん、そうなんだけど・・・メタルドラゴンってかなり強いほうの魔獣なんだよ~・・・

 最初から強いよ~・・・ まだ私弱いのに・・・」

今度は、かなり脅えている。

「ハア?強いやつに勝ったら、すげー強くなるじゃねーか!それに、この先嫌って程、

 強えーやつと戦うことになんだろ?

ツバサは、ドラゴンを睨みつけた。

そして、いきなりドラゴンに向かって、走り出した。


「あっ、ちょっと待って、ツバサ君!」

ツバサは、速度を緩めようとしない。

それどころか、ドラゴンの手前で、高く飛び上がった。


「シルキー!何事も先手必勝だぞ!」


「だから、ちょっと待ってツバサく・・・」


「おらぁぁ!」

ツバサは、ドラゴンに、強烈なかかと落としをは喰らわせた・・・のだが・・・


(ガイィィィン)


「グルル・・・」

「・・・痛ってぇぇぇ!」

「あーあ・・・だから待ってって言ったのに・・・」


硬かった。それはもう硬かった。


「あのね、メタルドラゴンは鋼の龍だよ?とっても硬いの。」


「先に・・・言っておいて・・・」

「ツバサ君が私の話聞かないのがいけないんじゃん~」


「・・・ごめんなさい」

ツバサは真面目に反省した。


「グギャァァァ!!」

ダメージは、ほとんど無いが、かかと落としの衝撃で怒ったのか、鋼の翼を振り下ろし、

ツバサを攻撃した。

(ドコン!)


「うぉっ!危ね!」

間一髪で攻撃をよけ、シルキーに、聞いた。


「どうすればアイツを倒せるんだ?」

するとシルキーは深く深呼吸をした。


「あのね、メタルドラゴンは鋼。

 鋼は炎に弱いの。だから私の力で、すきを作るから、そこでツバサ君は、弱点に、

 一撃入れてやって!」

「えっ、おう!」

「いくよ!」


すると、シルキーが、黄金の光に包まれた。


「火炎鳥!!」


光の中から、炎をまとった、美しい巨鳥が現れた。


「さすが神!カッケー!」

「ありがと。メタルドラゴンの弱点は、鋼の翼の内側だよ!」

「わかった!」


「それと、この能力、まだ上手く使えないから。

 チャンスは一回限りだよ!魔力をためるから、メタルドラゴンの気を引いて!」


シルキーの言葉を合図に、ツバサは、メタルドラゴンの周辺を素早く動き始めた。

「おい!ドラゴン!オレはこっちだ!」


「グルル!」

ドラゴンは、ツバサに集中していて、シルキーには目もくれない。


そして、ツバサは、フェイントをかけて、ドラゴンの足元に一発、蹴りを入れた。


「グルル!?」


ドラゴンは、不意打ちに若干、バランスを崩した。


「やれシルキー!!」


「うん!」

火炎鳥の姿をしたシルキーは、空高く飛び上がり、口から巨大な

炎の玉を出した。



「火炎弾!!」

勢いがよく、シルキーの放った火炎弾がメタルドラゴンに直撃した。


「グギャァァァ!!」


メタルドラゴンは苦しんでいるのか、

翼を大きく開いた。


「ツバサ君!」

「おう!オラァ!ドラゴン!その態勢から動くなァ!」


(ドゴッ・・・バリンッ!)


ツバサの一撃が決まり、ドラゴンの鋼の翼は砕け散った。


「「やった・・・?」」


「ギャルル・・・」

静かに鳴くと、メタルドラゴンは、銀色の宝玉になった。


「「やったァー!」」

「てか、コイツ宝玉待ってたんだ?強くなれたし、宝玉も手に入れて、一石二鳥じゃん!」


「そーだね!一つ目ゲーット!」

そういって、宝玉はシルキーに吸収された。


「これで、メタルドラゴンに変身出来んの?」

ツバサは、ワクワクした目でシルキーに聞いた。

「ううん・・・私は、まだまだ、魔力が足りないから、修行して、強くなって、

 コントロール出来るようになってからだよ」


シルキーは、がんばらなきゃ、という風に、気合を入れた。


「そっかぁ」

ツバサは少し残念そうだ。



「でもまぁよかったな?」

「うん!」








「月がきれいだぞぉ!」

シルキーは空を見上げて叫んだ。


(ポー・・・)


「どうしたのツバサ君、顔赤いよ?」

ツバサはぼーっとしている。

「んぁ?少し熱っぽい」


「大丈夫?」

「ああ。平気だよ!」


「寝るとこ探すぞシルキー」

「うん!」





二人の楽しそうな話し声が、

 真夜中に響く・・・







三章終

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