第二章~神の見習い~
「依頼おしまいなの?」
オレの隣で、黄色い瞳の少女、シルキーがはしゃいでいる。
「ああ。終わりだろ。」
今まで一人だったオレの隣になぜ彼女がいるか?
不気味に光る月が浮かぶ暗い夜空。
依頼を終えたオレは、 休息をとるため、休めそうな場所を探し、歩いていた。
その時、甲高い悲鳴が轟いたのだ。
空から謎の少女が降ってきた。
そう、今オレの隣ではしゃいでいる少女、シルキーは、空から降ってきたまさに
謎の少女なのだ。
「謎の少女・・・」
つい口をついて、出た一言、それは彼女の耳に届いたようで・・・
「ん?なんか言った?」
「うん。言った」
「なぁに?なんて言ったの?」
ポカーンとしているシルキーに、オレは、思い切って聞いてみた。
「お前さぁー?何で上から落ちてきたの?何者のわけ?」
「え?私はね~修行してたの」
「へ?」
今度は、オレがポカーンとしている。
「しゅ、修行っって何の?」
「神になるためのだよ」
・・・・・・・・・・・・
「ハアァァ!?神ぃ!?」
オレは、驚きを隠せず、叫んだ。
「うん。神の見習いなの私。」
「ん?見・習・い?っつー事は、すでにお前神なの・・・?」
「うん。私はね正式な全能の神になるために、下界に修行に来たの。
だけど下界に降りる時、間違えて落ちちゃったの。」
笑いながら平然と衝撃の事実を話すシルキーにツバサは唖然としている。
「私の修行の内容は、世界中に散らばる、この世界に存在する聖霊や
神獣の力を宿した宝玉を集めて力を手に入れる事と、
下界に住む、魔獣を倒して、強くなること。」
「すげーな・・・」
あまりに壮大過ぎる話を聞いて、ツバサは口をあんぐりと開けている。
「そうそう、魔獣ってゆうのは、ドラゴンとか、悪い聖霊とかかな?
とりあえず敵って覚えていて」
「あっはい・・・」
とにかく唖然とするしかないツバサだった。
・・・・・・・・・・・・
「グォォォォ!!!」
突然、馬鹿でかい唸り声が響いた。
シルキーが、ニタァっと笑って言い出した。
「私、運がいいみたい。」
「今の唸り声が魔獣・・・か・・・?」
ツバサは、シルキーにそう言って、戦闘体制に入った。
「ツバサ君、一緒に戦ってくれるの?」
「当たり前だろ?仲間じゃん?それに面白そうだ!」
「グギャァァァ!!!」
銀色の大きな影が動き出した・・・・・・
二章終