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最終話 初陣、共に超えて

 僕たちは成果を持って、白狼の森を後にした。

 「いやぁ、疲れたな」

 帰りの道中、グランがふと言った。

 「そうだな、狼との戦闘が一番疲れた」

 ロイが反応して、いった。

 ロイがグランに対して、突っかからなくなっていた。

 「そうだね…狼は怖かったです」

 ノルトがみんなの話に混ざるようにもなった。

 そんな中、僕は狼を背負うのが大変で話に混ざることができなかった。

 せっかく、パーティの関係が良くなったのに話に混ざれないのが悔しかった。


 そうして、3人の会話を聞いていると街の門についた。

 「おぉ、狩ったのか。若いのにすごいなぁ」

 僕の背負っている狼を見て、門番の人が話しかけてきた。

 「おぉ、学校の進級試験やってる時に遭遇して、なんとかな」

 グランが答えた。

 「そうか、解体は門を入ってすぐ右手にやってくれるところがあるからそこによりな」

 門番の人のそれを聞いて、僕たちはそこへ向かった。

 解体は1匹だったからかすぐに終わった。

 僕は重りから解放された。

 「これで自由だー」

 僕はつい叫んでしまった。

 パーティのみんなや周りにいた人たちが笑っていた。

 僕は少し恥ずかしくなった。


 解体が終わった狼の毛皮と肉をもらった。

 解体料金として、一部は渡すことになった。

 僕たちはとりあえず、それぞれの家に帰ることにした。

 狼の毛皮と肉はロイが自分の商会に直接売ってくれると言ったので、持って行ってもらった。

 薬草の方はノルトが管理してくれることになった。

 学校の進級試験の依頼達成の報告は明日、みんなで行くことにした。

 その日、僕は家へと帰り、疲れのあまりすぐに眠りについた。


 次の日、僕たち、パーティは学校に集まった。

 「ノルト、薬草持ってきた?」

 僕はノルトに確認した。

 「うん…持ってきたよ」

 ノルトは薬草を鞄から出して、見せながら言った。

 「じゃあ、先生のところに報告に行こう」

 僕のその言葉にみんなは頷き、緊張しながら先生のところへ向かった。


 「先生、進級試験の依頼、達成しました」

 僕は先生を見つけてすぐに言った。

 「ラント君、それにロイ君とグラン君とノルト君のパーティですね」

 先生は僕たちを見ながら言った。

 「では、薬草20束を提出してください」

 先生のその言葉にノルトは薬草を出した。

 「確認しました。進級試験の合格発表はまとめてするので待っていてください」

 先生はそう言って、僕たちを見つめていた。

 「先生、どうしました?」

 「いや、進級試験は3ヶ月なのに君たちは4日で達成したので…。今日、朝から報告に来たから3日か…」

 先生は少し呆れたように言った。

 「まぁ、昨日君たちが白狼の森から狼を背負って帰ってきたことは門番の人から聞いていたので、試験は合格だと思っていいですよ」

 先生はそう言って、その場を後にした。

 僕たちは約3ヶ月後の結果発表を待つことになった。


 そして、待ち遠しかった進級試験の結果発表の日を迎えた。

 学校の掲示板に結果が張り出される。

 僕たちはその前にできている人だかりをかき分けて見に行った。

 結果はA〜Cクラスは全員合格、Dクラスは僕たち、4人だけ合格だった。

 「やったー」

 「おっしゃ」

 僕たちは4人で喜んだ。

 合格発表が終わってすぐに先生に呼び出された。

 「先生、なんですか?」

 僕たちは先生に聞いた。

 「A〜Cクラスは全員合格だったから、3年でのクラスはそのままということになって、君たち4人は4人だけのDクラスになる」

 「ええ〜」

 僕たちは驚いて、今までで一番大きな声を出した気がする。


 そうして僕たちは進級して、4人だけの3年Dクラスになった。

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