表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/8

7話 はじめての成果

 僕たちはその場に座り込んでいた。

 「みんな…大丈夫か?」

 僕はみんなに聞いた。

 「俺は…大丈夫だ…」

 「問題ない…」

 「うん…なんとか…」

 みんながそう答えた。

 「ここは森の中だし、気を引き締めないと…」

 僕はそう言って立ち上がった。

 みんなもつられるように立ち上がった。


 「薬草の採取をしちゃおう」

 僕はみんなの方を見て、言った。

 「うん…そうだね…」

 最初に返事をしたのはノルトだった。

 ノルトは今までと違って、声が出ていた。

 「よし、やるかぁー」

 「俺は周りを警戒しとく」

 「じゃあ、俺も周り警戒するわ」

 グランとロイもそう言って、周りを見渡して、警戒をしてくれた。

 薬草の採取は僕とノルトがやることになった。


 僕は草を引き抜く。

 「それは…ただの雑草だよ…」

 ノルトが僕が取った草を指差しをながら言った。

 「えっ、そうなの。…どれが薬草?」

 僕は生えてる草を見渡しながら、ノルトに聞いた。

 「この葉っぱが細くて、4方向で十字に伸びているのだよ。ラント君が取ったのは2方向で左右にしか葉っぱが伸びてないでしょ」

 ノルトが薬草と雑草の違いを説明してくれた。

 僕は座学は全然だから説明を聞いて、やっと違いがわかった。

 「なるほど…」

 僕はそう呟いて、薬草採取を再開した。


 薬草採取をしている間はなぜか、静かであった。

 みんな、初めてのことで何を話せばいいかわからなかった。

 僕は薬草を採取しながら、どう話しかけようか悩んでいた。

 さっきまでの狼の戦闘、今はどれくらい疲れているか?

 聞きたいことは色々あった。

 でも、この沈黙の中、何かを話そうとは思えなかった。

 みんな集中していて、邪魔をしたくなかった。

 僕は薬草を採取しながら、ずっと考えていた。

 「こっちに生えてる薬草は取り終えたよ…」

 ノルトが小さな声で言った。

 「…あぁ、僕ももうすぐで取り終える」

 僕は少しの間の後に答えた。

 そうして、薬草の採取は終わった。


 「薬草は20束だろ、どれぐらい取れたんだ?」

 グランが僕とノルトのところに来て、聞いてきた。

 「僕は8束だね」

 「あっ…僕は15束です」

 僕とノルトはそれぞれ答えた。

 「23束か、じゃあ帰るか」

 ロイが僕たちのところに来て言った。

 「そうだね、街に帰ろう!」

 僕はそう言って、立ち上がった。

 「そうだな、帰るか」

 グランが同調して言った。

 「帰るのはわかったがあれはどうやって持って帰る」

 ロイは僕たちが倒した狼を指差しながら言った。

 「誰か、解体できる人いる?」

 僕はみんなに聞いた。

 「解体は3年で習うからできねー」

 グランはそう答えて、2人はそれを聞いて頷いた。

 少し悩んだ後に僕は言った。

 「じゃあ、僕が背負っていくよ…」

 僕は持っていた薬草をノルトに渡して、ロイとグランに狼を僕の背に乗せてもらった。

 初めての戦いと初めての成果を背負って、僕たちは静かに森を後にした。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ