6話 パーティの初陣
こちらをじっと見つめる狼に僕らも狼をじっと見つめていた。
「…僕は左に行くからグランは右に…」
「あぁ…わかった。俺らで挟むんだな…」
僕たちは小声で作戦を立てた。
作戦を立てている間は互いに睨み合っていた。
そのおかげで作戦は大雑把に決まった。
僕とグランが狼を挟みながら、戦闘をする。
そして、ノルトが弓で狼を狙い、ロイは弓に集中するノルトを守り、周囲の警戒というそれぞれの役回りが決まった。
互いに睨み合いながら、一歩も動かない状態だった。
作戦が決まったことで僕は足を一歩前へと進めた。
その瞬間、狼はノルトに向かってまっすぐ走ってきた。
走ってきた狼に対して、グランが剣を振り下ろした。
グランの剣が当たる前に狼は僕の方へと進行方向を変えた。
僕もその狼に対して、剣を振り下ろした。
狼は僕の剣を避けて、誰もいない僕の左側へ行って、僕に狙いを定めて走って来た。
僕は体の向きをすぐさま狼の方に向け直した。
狼は僕に向かってまた、まっすぐ走ってきた。
そんな時、狼の横からグランが剣を振り下ろして、攻撃を試みた。
狼はすぐに反応して、グランの剣を避けた。
狼は避けたことでその場に一瞬、停止した。
そこにノルトが矢を射って、狼の右目を撃ち抜いた。
狼は撃たれたことで暴れ回った。
僕たちは狼の不測的な動きで立ち回りが混乱した。
僕とグランは前に出て、狼に攻撃を試みた。
僕たちの剣は狼に掠り、狼の白い毛が宙を舞った。
だが、決定的な傷を与えることはできなかった。
そこにノルトは狼の頭を狙って、矢を射った。
狼はその矢を避けて、ノルトに牙を剥いてまっすぐ走って行った。
僕とグランは一瞬にして、狼の後ろに来てしまった。
ノルトは走ってくる狼にビビって尻餅をついてしまった。
そんなノルトの前にロイは引け腰になりながらも立った。
狼はそんなロイに噛みつこうとして全力で走って行った。
ロイはそんな狼にビビって目を瞑りながら、剣を振り下ろした。
振り下ろされたロイの剣は狼に掠りはしたが止まるまでには至らなかった。
狼はそのままロイに対して、飛びかかった。
そこに「うわぁぁ〜」と大きな声を出しながら、ノルトが矢を握りながら狼に振りかざした。
そのノルトの矢は狼の横腹に突き刺さった。
狼はそのまま地面に倒れたが次の瞬間、暴れ回って、ノルトは吹き飛ばされた。
ロイは引け腰だったこともあって、すぐに後ろに下がってその途中で尻餅をついた。
僕はそのタイミングで狼の元に辿り着いて、僕はそのまま狼の横腹に剣を突き刺して、狼を抑え込んだ。
そこにグランが来て、剣を振り下ろして狼の首を切って、僕たちパーティの初戦闘は終わった。
戦闘終了後はみんな疲れからか、その場に座り込んだ。