2話 パーティ会議
僕はパーティメンバーに集まるように声をかけた。
そして、パーティでの会議が始まった。
全員が椅子に座り、一つの机を囲む。
機嫌が悪そうに横柄な態度でいる、ロイ。
萎縮して小さく縮こまっている、ノルト。
机に突っ伏して寝ている、グラン。
話が始まる気配がなかった。
みんなが沈黙をしている中、ロイが話し始めた。
「俺は冒険者学校を退学になっても商業学校に転校できるからお前らで頑張れよ」
そう言ってロイは席を立った。
「おい、待てよ。パーティなんだから会議の間はいろよ」
僕はつい強く言ってしまった。
「はぁ、まぁそういうならいるだけいるとするよ」
ロイは戻ってきて座った。
「グランも会議は起きててくれると助かるんだが」
「俺は起きてるよー」
突っ伏したままグランが返事をした。
「起きてるなら体を起こしてくれ」
「はいはーい」
グランはそう返事をして体を起こした。
「じゃあ、会議を始めよう」
やっとのことで会議が始まった。
「まずは、指定された素材を確認しよう」
「それはこの紙に書いているやつか?」
ロイが高圧的に聞いてくる。
「それ以外何があるんだ」
グランが呆れたように言い返す。
「確認しておいた方がいいと思ったから言っただけだよ」
「ロイ、落ち着いてくれ」
こんな状態だと先が思いやられる。
ノルトはさらに縮こまっているように見えし、ロイとグランは睨み合ってる。
「はやく取ってくる素材の確認しよう」
僕は空気を変えるために話を戻した。
「そうだな」
ロイとグランは睨み合いをやめて話を再開した。
「取ってくる素材は白狼の森に生えている薬草だ」
「薬草はどれぐらい取ってくればいいんだ」
「20束って少し小さいけどここに、書いてあるな」
ロイがまたグランを睨む。
さらに、何か言おうとしていたが、睨むのと一緒にやめた。
「取ってくる素材を確認したし、パーティの役割を決めよう」
そうして、役割を話し合うことになった。
「僕は剣術が得意だから、前衛でいい?」
「俺も剣振れるから前衛やるー」
「はぁ?お前、剣振れるの」
ロイがグランに突っかかる。
「君よりは強いと思うよー」
グランが言い返す。
「チッ、まぁ確かに俺は剣術は軽くしかできねぇからな」
ロイは怒りを抑えながら答えていた。
「ちなみにノルトは何ができる」
今まで空気になっていたノルトに話しかける。
「あっ、えっと…弓が使えます」
そう言ってノルトはさらに縮こまった。
そうして話し合いの結果、探索する時の編成が決まった。
先頭に僕とグラン、真ん中にノルト、後方にロイになった。
戦闘は基本的に僕とグランが担当して、ノルトが援護、そしてロイが周りを警戒することになった。
こうして、ぎこちないパーティは始動した。