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寒気の原因 4

はっ

僕が目を覚ますと病院にいた。なんかデジャブだな・・・。あれ?僕どうして助かったんだろう?


「ようっ。元気か?」

「うわあああああああ。な、なんだ。啓二か・・・」

「誰だと思ったんだよ・・・」


僕が一人で考えていると急に声が聞こえた。・・と思ったら啓二だった。いや、本当にびっくりするよ。だって一人だと思ってたのに人がいたらびっくりするだろ。心を落ち着けて僕がどうして助かったのか聞いてみる。


「ああ、拓也が二人を投げ飛ばした後に出てこなかったから俺が見に行ったんだよ。そしたら白い煙が出てくるは、拓也は倒れてるはでびっくりしたぜ!」


笑いながらそれを言う啓二に凄いと感心した。そうか、そんな危険を侵してまできてくれたのか。


「ありがとう」


僕は改めてお礼を言った。


「あっ、花蓮は?」

「ああ、彼女なら命に別状はないらしい。ただ、一ヶ月は絶対安静だってよ」


そうか・・僕はそれを聞いて呟いた。それでも命に別状が無いなら良かった。


「あ、あと田中千裕なら捕まったらしいな。なんでも、他の所でもいろいろやらかしていたらしくてな学校は退学処分になったってさ」


そっか・・・これでやっと普通の生活に戻るのか・・僕は手を握り締めた。息を吐く。

空を見るとそこには、白い鳥が飛んでいた。晴天の中で。


「じゃあまた来るから大人しくしてろよ」

「あはは・・。努力はするよ」


そう言って啓二は病室から出て行った。今回の事では啓二に本当に助けられた。啓二が居なければ僕は死んでいたかもしれない。痛っっ。今まで気づかなかったが、足首には新しい包帯が巻かれていた。ああ、これはまた怒られるな・・。僕は肩を落とした。あ!!花蓮のお母さんの血液検査を病院に提出しないと!!僕は松葉杖でゆっくり受付に向かった。受付にはお姉さんがいた。


「あの~、これ、花蓮のお母さんの血液検査です」

「え?」


お姉さんは不思議そうな顔をする。当たり前か・・。急にこんなことを言われたらびっくりするか・・。


「花蓮のお母さんの血液検査の結果は催眠薬が検出されました。それじゃ!よろしくお願いします」

「え!ちょ!」


僕はお姉さんの返事を聞かずにそそくさと自分の病室に向かった。向かう途中で花蓮の名前プレートを見つけた。入りたかったが、絶対安静の花蓮に迷惑をかける訳にはいかないと思い、大人しく病室に戻った。大丈夫かな・・。


それからはリハビリだった。催眠ガスを吸った事により少しだが、後遺症が残った。僕は足の動きが少し動きにくい程度だった。花蓮と田中千裕は僕が直ぐに投げ飛ばしたからか、後遺症は無かったらしい。良かった!!

それと、僕が提出した花蓮のお母さんの血液検査は病院から警察まで届き、田中千裕の罪は重くなったそうだ。少し可哀想だが、他人に薬を使う重さを知ってほしい。


今日は2ヶ月ぶりに花蓮と会う日だった。花蓮は僕より早く退院して学校に復帰した。僕はリハビリのためにまだ入院することが決まっていた。


「やっほ~。元気~?」

「いらっしゃい。花蓮」


花蓮は片手に花束を持ってやってきた。大きな花束だった。


「私何だか助けて貰ってばっかりだね」

「僕が好きにやってるだけだから、気にする事無いよ」

「早く学校に戻ってきてね。皆、拓也の話で持ちっきりだよ。嫉妬しちゃうな~」


そう言って、花蓮はほっぺを膨らましていた。前髪をくるくるといじりながらそっぽを向いていた。そんな花蓮に僕はついほっぺをつついた。すると花蓮は驚いてこちらを振り向いた。


「な、なな、なに?!」

「可愛かったから。つい」


花蓮は顔を赤くする。この光景も見慣れたものだと、安心した。


「じゃ、じゃあ、また来るから・・!」


髪で顔を隠したいのか横の髪の毛で顔を覆っていた。花蓮が出た後誰も居ない病室を見る。今日からまた平和な日々が始まる。


僕はとても安心して眠った。その日はとても眠れた。


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