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花蓮視点

私は秋山花蓮。今、幼馴染みの拓也にこの胸の気持ちを伝えている。拓也を好きになったのは幼稚園の年長だった。


        * * * * * * * * * * * * *


「こんにちは~」

「あら!こんにちは~」


最初は家が隣だったので、よく遊びに行っていた。母親同士も仲がよかったし・・

母親同士が話している間は、私は拓也の部屋で遊んでいた。


「花蓮ちゃん!僕のお部屋にようこそ!!」

「お邪魔します!」


階段を上って突き当たりが、拓也の部屋だった。その部屋は男の子らしさが出ている部屋だった。

ベッドは青いシーツが掛けており、隣にはその時代にはやっていたゲームのぬいぐるみが置いてあった。


「自分の部屋なんていいな~」

「そんなことないよ。家族の音が聞こえないからさ、怖いんだよ」


音?そんなものなの?などと話している内に時間が過ぎて帰るのか、下から帰るわよ~とお母さんの声が聞こえた。


「あ、帰らないと。じゃあまたね!」

「見送るよ」


拓也は一緒に玄関まできてくれた。お邪魔しました~と、お母さんが言う隣で私は大きく手を振る。帰り道にお母さんに、今日は何話したの?と聞かれるが毎回秘密~~と笑っていた。でも、その日は違った。


「お母さん。私自分のお部屋が欲しい・・」


そんなことを言うとお母さんはその場にとまり、


「そう、でも自分で出来る?虫が出ても自分で対処しないといけないのよ?

 花蓮、虫が嫌いでしょ?」


最初はう・・と詰まってしまったが、大丈夫!と元気良く言うとお母さんは、わかった!準備はもうしてあったのよ。と手でOKサインを出していた。

その夜、私には自分のお部屋が出来た。隣は拓也の部屋。手を伸ばせば届く距離だった。

私は無性にさみしくなり、ベランダに出た。!!出たら、そこには拓也がいた。


「どうしたの?」

「音が聞こえなくなるといつもここに出るの」

「そっか・・」

「そのお部屋、花蓮ちゃんのお部屋だったの?」

「今日からね・・」


何故か話が続かなかった。それでも、自然と心が休まった。


「さみしいなら、おまじないかけてあげる!」


そんなことを言うと、手出して!と言われたので言われるがままに手を出す。


「何が起こっても、この時間は消えないし、ずっとずっと僕たちの心に残るの。

 これからは、ここでも思い出を作っていこう」


まるで魔法だった。キラキラと拓也は光っていた。その時に胸の奥から熱い何かを感じた。

その日から毎日ベランダでの思い出も増えていった。


       * * * * * * * * * * * * *


きっとその熱い何かが恋なのだと今では思う。

だって、今私はあの拓也に告白をした瞬間に体が熱くなったから。きっと今私の顔は、誰が見ても真っ赤だと思う。私はその空気に耐えられず、一週間後に答えを聞くなんて言ってしまった。

そして、持ってもらっている荷物を受け取り走って家まで帰った。


あ~~どうしてあそこで一週間後なんて言ってしまったのだろう。一週間も待てないよ~~

家に帰るとお母さんが、何かを悟ったように


「どうだった?」


なんて聞いて来るからまだ分からないと顔を赤くしてこたえた。せっかく顔の熱が冷めたのに・・またあの時の事を思い出し、赤くなってしまった。

大丈夫よ花蓮!頑張って努力して綺麗になったじゃない!きっと今の私なら彼と釣り合うはず!



      一週間後・・まで待てるかな~~~~






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