あめ玉一つ、砕けた先に。
女子は死にました。
首に縄の跡を残して、死にました。
先に待っていたのは、今までの人生の振り返りでした。
それは、甘えるという言葉が当てはまる場面ばかりの、人生でした。
金に甘え、人に甘え、平穏に甘え、自分に甘え、甘えない為に縄に甘えた。
そうして次は来世に甘える。
死して尚、次に甘える。
スクリーンに映る最後の映像、それは生誕の瞬間だった。
赤子として母親のお腹から出てくる瞬間だった。
次はこの人に、甘えるのだろう。
そう思いながら、女子は意識を手放した。