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秋彼岸
秋彼岸
墓参り
水をかけて
花を供え
線香に火をつけ
まっすぐと墓前に立つ
そして
会ったこともない
自分のルーツに
手をあわす
曼珠沙華が揺れる
そこは遠く離れた片田舎
私を覚ている人は
今となってはもういない
それでも行かずにはいられなくて
私はなぜ生まれたのか
私の存在は何をもってここにあるのか
わかるはずもない事を確認したくて
自分はここにおるのですと
もう会うこともないだろう
私に連なるひとたちに
知ってほしくて
今年もまた
ここに足を運んだ