コカ・コーラ
「お前は勉強をする気があるのか!!」
中間テストの結果をお父さんに見せたところ、大激怒された。
というのも、僕は勉強がとても苦手で、返ってくるテストはいつも赤点ばかりという根っからのバカなのだが、今回の中間テストはいつもよりも結果が悪かった。
お父さんの説教は1時間にも及び、僕はそうとうくたびれていた。
説教が終わった後も、お父さんは機嫌が悪く、家の雰囲気全体がどんよりしていた。その雰囲気を何とかしようと思ったお母さんが、僕にこう言った。
「とりあえず、お父さんにコカ・コーラでも買ってプレゼントしてみたら?」
僕のお父さんは炭酸ジュースがとても好きで、中でもコカ・コーラは1番好きなのである。つまりお母さんは、好きなものを渡してご機嫌をとりなさいと僕に言ってるのだ。
僕はお母さんの助言に従い、家の近くの自販機に行ってコカ・コーラを買った。早く渡してお父さんの機嫌を直そうと焦る気持ちが加速し、自販機から出てきたコカ・コーラを持って全速力で家に戻った。
家に帰宅してすぐさまお父さんの下へ駆け寄る。
「お父さん、次のテストでは一生懸命頑張ります」
とりあえず謝りの言葉を述べる。
「俺もさっきは言い過ぎた。次は頑張れよ」
意外にもお父さんは僕を許してくれた。僕はほっとした気持ちでコカ・コーラを渡すことが出来た。
「これ、さっき買ってきたから良かったら飲んでください」
「わざわざすまんな。ありがとう」
コカ・コーラの魅力は流石である。渡した瞬間にお父さんの表情に笑顔が戻ったのがわかった。
僕からコカ・コーラを受け取るとお父さんは、すぐさま蓋を開けて飲もうとした、が・・・
蓋を開けた瞬間、開け口からコカ・コーラの中身が噴水のごとく溢れだし、お父さんの顔を直撃したのである。
僕はその後、もう1時間説教を受けた。