表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

コカ・コーラ

作者: ミックスゼリー

「お前は勉強をする気があるのか!!」


 中間テストの結果をお父さんに見せたところ、大激怒された。

 

 というのも、僕は勉強がとても苦手で、返ってくるテストはいつも赤点ばかりという根っからのバカなのだが、今回の中間テストはいつもよりも結果が悪かった。


 お父さんの説教は1時間にも及び、僕はそうとうくたびれていた。

 

 説教が終わった後も、お父さんは機嫌が悪く、家の雰囲気全体がどんよりしていた。その雰囲気を何とかしようと思ったお母さんが、僕にこう言った。


「とりあえず、お父さんにコカ・コーラでも買ってプレゼントしてみたら?」


 僕のお父さんは炭酸ジュースがとても好きで、中でもコカ・コーラは1番好きなのである。つまりお母さんは、好きなものを渡してご機嫌をとりなさいと僕に言ってるのだ。


 僕はお母さんの助言に従い、家の近くの自販機に行ってコカ・コーラを買った。早く渡してお父さんの機嫌を直そうと焦る気持ちが加速し、自販機から出てきたコカ・コーラを持って全速力で家に戻った。


 家に帰宅してすぐさまお父さんの下へ駆け寄る。


「お父さん、次のテストでは一生懸命頑張ります」


 とりあえず謝りの言葉を述べる。


「俺もさっきは言い過ぎた。次は頑張れよ」


 意外にもお父さんは僕を許してくれた。僕はほっとした気持ちでコカ・コーラを渡すことが出来た。


「これ、さっき買ってきたから良かったら飲んでください」

「わざわざすまんな。ありがとう」


 コカ・コーラの魅力は流石である。渡した瞬間にお父さんの表情に笑顔が戻ったのがわかった。


 僕からコカ・コーラを受け取るとお父さんは、すぐさま蓋を開けて飲もうとした、が・・・


 蓋を開けた瞬間、開け口からコカ・コーラの中身が噴水のごとく溢れだし、お父さんの顔を直撃したのである。


 僕はその後、もう1時間説教を受けた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] ホッとするお話で温かい気分になりました。オチも良かったと思います。 [一言] 私の知人にもコーラ好きがいるので親近感を持ちました。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ