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ドリームワールド 〜夢の世界の冒険記〜(旧)  作者: ハルクマン
冒険の始まり編
8/11

第7話 鎧の男、ダンテ

こっそりとダンテ達の後をつけて行くと、ダンテ達は酒場に入っていった。


「奴ら酒場に入ったぞ」


「どうやらあそこが奴らの拠点みたいね」


3人は建物の陰に隠れながら話した。


「さて、つけてきたけどどうするの?」


リサは腕を腰に当てながら言った。


「うーん…奴らの拠点に攻め込むのは危険だし、とりあえず奴が出てくるまで待つしかないか」


「ま、それが一番だね」


3人は建物の陰で、ダンテが出てくるのを待つことにした。


ーーーーーーーー


それから約30分後、酒場の扉が開いた。


「ふぅ、飲んだ飲んだ。よし、次はレイズタウンに向かうか」


酒場から出てきたのは、紛れもなくダンテだった。

先ほどと同じく、後ろに二人の部下を連れている。


「ダンテだ!」


「レイズタウン…ここから2キロくらいの小さな町ね」


「どうするの?アラン」


エリサは小声で聞いた。


「とりあえず様子見を続けよう、ここで出て行って仲間を呼ばれても面倒だし…」


そんなことを話していると、ダンテと二人の部下は馬にまたがっていた。


「さ、行くぞ」


ヒヒーン!という馬の声と同時に、ダンテ達は平原へと走り去って行った。


「行っちゃったわよ!?」


「よし、そこの馬を借りよう!」


アラン達は酒場の前に結ばれていた馬の紐をほどき、またがった。


「さ、よろしく頼むぜ!」


三頭の馬は勢いよく駆け出した。


ーーーーーーーー


平原を走って行くと、ダンテ達の姿が見えてきた。


「二人とも、スピードを落として!バレない距離で追いかけよう」


アランがそう言うと、リサとエリサは馬の手綱を引っ張った。

すると、先ほどまで全力で走っていた馬はスピードを落とした。


「よし…あ、あれがレイズタウンか!」


ダンテ達のさらに奥に、小さな民家が立ち並ぶ町が見えてきた。

町と言っていいのかも怪しいほど閑散としている。


「奴ら、ここで何するつもりなのかしら」


「どうせ町を脅して町民からお金でも巻き取るんでしょ」


エリサは嫌気混じりの顔で呟いた。


「ち、許せないな…あ、奴ら止まったぞ」


ダンテ達は町の民家の前で馬を止め、降り始めた。


「よし、俺たちもここらで馬を降りよう」


アラン達は馬を降り、近くにあった木に馬の手綱を巻きつけた。


「さ、行きましょう」


3人は姿勢を低くして町に向かった。


ーーーーーーーー


「町の税、払ってもらわないとこまるぜ」


ダンテは町長と思わしき老人の胸ぐらを掴みながら言った。


「ぜ、税と言われましても…」


「あのなぁ、ここは俺達黒龍団の土地なんだよ。土地貸してやってんのに金も払えないのか?」


ダンテの部下の一人が言った。


「そ、そんな…」


「ま、金が無理って言うなら若い女でも構わないんだぜ?」


「そ、それは無理です!」


「だったらさっさと金払えや!」


ダンテは老人を思い切り突き飛ばした。

その瞬間、アランはとっさに物陰から飛び出した。


「ちょ、アラン!?」


「いいね、私も行く!」


リサの制止を無視し、アランとエリサはダンテの方へ走っていった。


「…もう、ほんと勝手なんだから!!」


文句を垂れながらも、リサはヘタリの後に続いた。


ーーーーーーーー


「おい、ダンテ!そろそろいい加減にしろよ!」


アランはダンテに詰め寄り、大声で叫んだ。

それに対し、ダンテは冷静な態度のまま呟いた。


「なんだ?お前、ガキのくせに調子乗ってんじゃねぇぞ!」


ダンテが叫んだ時、手の甲の紋章が黒く光り出した。


(紋章が黒く…!やばいか!?)


「おらぁ!」


ダンテの拳が飛んでくる。

アランは後ろに避けようとジャンプした。

しかし、なぜか先ほどまでより体が重く、拳はアランの腹部にめり込んだ。


「ぐぁぁぁあ!!」


痛さより苦しさが増えていく。

アランは猛烈な吐き気に襲われ、その場に嘔吐した。


「アラン!!」


リサはアランに駆け寄り、背中をさすった。


「大丈夫!?」


「く…くそ…!気をつけ…ろ…奴の周りは…体が重く…なる…」


「体が!?エリサ…ていない!?」


リサが振り返った時には、すでにエリサはダンテの目の前まで走り込んでいた。


「さっきから鬱陶しい奴らだぜ…全員皆殺しにしてやる!」


そう言うと、ダンテは拳を構えた。


「できるもんならやってみな!」


エリサは地面に手を当てた。

すると、大きな紋章が地面に現れた。


「ほう、印章術か…」


「いけ!(ナーガ)たち!」


地面に当てた手を上に弾くと、三匹の蛇が紋章から現れダンテの方へ向かっていった。


「召喚の印か…おもしろい!」


ダンテは構えていた拳を背中にまわした。

蛇達はダンテに向かい飛びかかった。

その瞬間、一匹の蛇が上下真っ二つに切り裂かれた。


「ち…短刀を持ってたのか」


他二匹の蛇もダンテに飛びかかったが、二匹ともダンテの短刀で切り裂かれてしまった。


「さすがっす!ダンテさん!」


ダンテの部下が叫んだ。


「当たり前だ…このダンテ様がこんなガキどもに負けるわけがない」


「へぇー、思ったよりはやるんだね。鎧着てるくせに動きも早いし」


「当たり前だ。これは特注品でな、ほぼ衣服と変わらない重さの金属で作られているんだぜ」


ダンテは自慢するように答えた。


(なるほど…だからあんな早く動けたのか…)


「さぁ、どうする?このままだとすぐ終わっちまうぜ?」


ダンテがじりじりと歩み寄ってくる。

それと同時に、エリサは少しずつ後ずさりをしていく。

あたりに緊迫した空気が漂う。

その空気を破ったのは、リサだった。


「エリサ、私も手伝うわ!アランは少し休んでて」


「あ、あぁ…」


リサは剣を抜き、エリサの横に立った。


「サンキュー、リサ。二人ならなんとかなるはず!」


「ふん、雑魚が何匹増えようが変わりはない。同時に来てもいいんだぜ?」


ダンテは蔑むような表情で二人を睨み、指をクイクイっと曲げた。


「さ、行くよ!リサ!」


「えぇ、エリサ!」


二人はダンテの方へ走り出した。



投稿は不定期で行います。

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