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ドリームワールド 〜夢の世界の冒険記〜(旧)  作者: ハルクマン
冒険の始まり編
6/11

第5話 青髪の少女

「暗くないか?」


路地裏を歩いていると、アランが言った。


「何?怖いの?」


リサはからかうように言った。


「こ、怖くわねぇけど…なんか誰かから見られてる気がすんだよなぁ」


「見られてる?そんな気しないけど」


アランは周りをキョロキョロと見渡した。


「気のせいかな?」


「気のせいよ、早く行くわよ」


「あ、あぁ」


二人は歩き出した。


「くくっ、気のせいじゃないっつーの」


人影は建物の上を移動した。


ーーーーーーーー


「…やっぱり誰かいるって」


「やめてよ、怖いわね」


アランは目を瞑り、耳を澄ました。


「上か…?」


「上?」


「誰かいるのかー!?」


アランは口の周りに手を当て、叫んだ。


「ちょ…!」


すると、上から誰かが降りてきた。


「何あれ!?」


「シュタッと!」


アランとリサの前に降り立ったのは、青いショートヘアーの女の子だった。

どうやら同い年くらいのようだ。


「本当にいたのかよ…!」


「ねぇ、あんた達、お金持ってる?」


「え?持ってるわよ」


「ちょっと見せてよ」


「ほら」


アランは腰にぶら下げた袋を見せた。


「ありがと…」


そう言うと、少女はフッと消えた。


「何!?」


アランが腰に目を向けた時にはもう遅かった。


「金が無い!?」


「バカッ!!何やってんのよ!!」


「くそっ!」


「追うわよ!!」


アランとリサは少女が逃げた方向へと走り出した。


ーーーーーーーー


「くそ、どこ行ったんだ?」


「…あ!あそこ!」


リサが指差したのは、レンガ造りの建物の屋根だった。


「本当だ!よし、俺は上から行くからリサは下から行ってくれ!」


「分かったわ!」


二人はそれぞれ走り出した。


ーーーーーーーー


「待て!」


アランは青髪の少女の元へ辿り着いた。


「へぇ、ここまで来れるなんて凄いね」


「そんなことより金を返してくれ!」


アランは手を出しながら女の子に近づいた。


「バカね、そんな簡単に返すわけないじゃん!」


「どういうことだ?」


「遊びよ、あ・そ・び・♪」


「遊び?」


「そうよ、もしあなたが午前5時までに私を捕まえられたらこのお金は返すわ。だけど、もし午前5時までに捕まえられなかったらこのお金は私がもらうわ。どう?」


「…どうせやるしかないんだろ?」


「分かってるわね♪あ、もう一人の女の子が捕まえても平気よ。それじゃね」


青髪の少女は建物の屋根を飛び移りながら走り出した。


「リサ!!」


アランは建物の下にいるリサに向かって叫んだ。


「どうしたの!?」


「午前5時までに彼女を捕まえる!手伝ってくれ!」


「よく分からないけど捕まえればいいのね!?分かったわ!!」


リサは少女が逃げた方へ走り出した。


「なんでこんなことに…」


アランも屋根を飛び移りながら走り出した。


ーーーーーーーー


「くそっ、どこ行ったんだ!?」


アランは屋根の上から暗い街を見渡していた。

光はあるものの、ほんの少ししか無いためほとんどは暗闇である。


「あっ!!」


道を挟んだ建物の上に少女の姿が見えた。


「見つけたぜ!!」


アランは屋根を飛び移り、少女の方へと向かった。


「見つけたぞ!!」


「へぇー、意外とやるね、君」


少女は屋根に手を当てた。

すると、少女の下に大きな紋章が現れた。


「なんだ?あれは」


「へへっ、いくよ!!」


少女が手を合わせると、下にある紋章から何かが出てきた。


「行け!魔蛇(ナーガ)!」


紋章から出てきたのは、三体の大きな蛇だった。

色は白く、少女と同じくらいの大きさがある。


「いっ!?」


アランは一匹の魔蛇をジャンプして避けた。


「あぶね…!!」


安心する暇も無く、魔蛇は襲いかかってくる。


「くそっ!」


アランは剣を抜き、魔蛇の攻撃を防いだ。


「くらえ!!」


アランの手は黄色く光り、剣も黄色く輝き出した。


「乱れ斬り!」


アランは剣を乱れたように振り、三匹の魔蛇を切り刻んだ。


「シャー…」


三匹の魔蛇はそのまま消えた。


「へぇー、すごいね、光の紋章持ってんだ!!」


「行くぞ!!」


アランは少女の言葉を無視し、走り始めた。


「とりぁ!!」


アランは少女に向け剣を振った。


「峰打ちで許してやるよ!」


「それはありがとさん!」


少女は手を合わせ、両手を前に出した。


守護(しゅご)(いん)!!」


少女の前に紋章が現れた。

ガン!!

アランの振った剣は紋章によって防がれた。


「なんだこれ!?」


「すごいっしょ?」


少女は守護の印を解いた瞬間、右手を前に出した。


「いくよ!爆破(ばくは)(いん)!」


「まず…」


ドォォォン!!


少女の手のひらの紋章から爆発が起きた。


「へへ、ちとやり過ぎたかな」


着地した少女は苦笑いしながら言った。

アランが先ほどまでいた建物は、屋根が崩れてしまっていた。


「とりあえず逃げよっと」


少女はその場を離れた。


ーーーーーーーー


ドォォォン!


「何の音!?」


リサは爆発音がした方へ走り出した。

崩れた屋根を見つけ、近くにあった点検用のはしごを使いその屋根へ向かった。


「何これ…」


屋根は酷く崩れていた。

ガラッ

積まれていた屋根の破片が転がった。

ドォン!


「オラァ!!」


屋根の破片の下から勢いよく出てきたのはアランだった。


「アラン!!」


「リサ!無事だったか!」


「ええ、それより何でこんなことに!?」


「さっきの女の子にやられたんだ…見くびってたぜ」


アランは剣をしまい、言った。


「奴は何かしらの能力を使ってくる。気をつけてな」


アランは屋根を飛び越え走り出した。


「あっ!待ちなさいよ!!」


リサも後に続いて走り出した。


ーーーーーーーー


「完全に見失ったな…」


時計塔を見ると、針は午前2時を指していた。


「時間はまだたっぷりあるわね…」


「そうだな…」


ドォォン!

二人が話しをしていると、どこからか爆発音が聞こえてきた。


「なに!?」


「あっちだ!」


爆発音は時計塔の方からだった。


「行ってみよう!」


「そうね」


二人は時計塔へと走り出した。

投稿は不定期で行います。

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