第4話 新たな街へ
「行くぜ!!」
お互いがお互いの所へ走り出そうとした時だった。
「待て!!」
レッドが叫んだ。
「なんだ?」
「時計を見ろ」
時計は正午12時を指していた。
「…ダンテの来る時間か」
「ちっ、めんどーだな…」
二人は炎と氷を消した。
「この勝負はお預けだ。必ず倒しに行くからな!!」
ブルーとカルムは平原を走り出した。
「お前らも鎧を着た奴らには気をつけろよ」
ジェリドはそういうと、カルム達とは反対方向へ走り出した。
「ダンテって一体誰だろうな…」
「そうね…とりあえず町に戻りましょう?」
こうして、俺たちは町へ戻った。
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「特に問題ないです!」
黒い軍服を着た男が言った。
「そうか、ならいい」
鎧を着た男が言った。
「なぁ、あれってさっき言ってた奴かな?」
アランとリサは隠れながら様子を伺っていた。
「多分そうね…あっ!」
鎧の男の前に何人かの町人が出ていった。
「なんだ?てめぇら」
「この町は貴様らの物ではない!!
若い男は、持っていた剣で鎧の男に斬りかかった。
「はぁ、めんどくせぇな」
鎧の男は攻撃を軽々と避け、若い男を蹴り飛ばした。
「ぐぁ!!」
ドォン!
若い男は吹き飛ばされた。
「く…そ…」
「…ひどい、行きましょう!」
飛び出そうとしたリサをアランは引き止めた。
「奴の手を見て」
鎧の男の手には、黒い紋章があった。
「黒い紋章…闇の力…!」
「今の俺たちでどうこうなる相手じゃなさそうだ」
「…そうね」
「ったく、大人しくしてやがれ」
鎧の男はそう言うと、数人の部下を連れて町を出て行った。
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「大丈夫ですか!?」
アランとリサはセマフの所へ向かった。
「おぉ、お二人さん、我々は平気ですじゃ。それより、赤龍団と青龍団は?」
「ダンテが来る、とか言ってどこかに行きました」
「そうか…」
「あの…ダンテって誰なんですか!?」
リサはセマフに詰め寄りながら言った。
「…お教えしましょう、とりあえず私の家に」
こうして、アラン達はまたセマフの家へと戻ることになった。
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「奴…ダンテはこの辺りの村や町なんかを支配してる者ですじゃ」
セマフは真剣な表情で言った。
「村や町の人を奴隷のように使うんですよ?本当にひどい…」
ユリーナは怒った口調で言った。
「そして、どうやらダンテはゼイルと言う暗黒騎士の手下に当たる存在らしいのです」
「ゼイル?」
「えぇ、この辺りでは名高い暗黒騎士ですじゃ」
「名高い…」
「えぇ、以前どこかの村が反乱を起こした時に、村人を一人で全滅させたらいしのですじゃ」
セマフは悲しそうな顔で言った。
「村人を全滅…か」
「かなりの騎士みたいね」
「そうだな…」
「そしてダンテはこの辺りの村や町に定期の時間に来ては人々を奴隷のように扱ったりするのです」
ユリーナは切ない表情で言った。
「それはひどいな…」
「ねぇアラン、私たちでなんとかして見ない?」
アランは突然の質問に驚いた。
「俺たちだけでか!?」
「いい実戦経験になると思うのよね」
「…うーん、確かにそれはそうだ」
アランは少し考えた。
「こうしないか?もし旅の途中で奴らに出会ったら戦ってみる」
「…そうね、そうしましょう」
「よし…とりあえず今日は寝よう」
アランとリサは眠りについた。
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アランとリサは、村の出入り口の門に立っていた。
「それじゃあお元気で!」
ユリーナが笑顔で言った。
「あぁ、ユリーナ達も気をつけてな」
「ええ!もちろん!」
「それじゃあ!」
アランとリサは沢山の町人に見送られ、町を後にした。
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アランとリサは平原を彷徨っていた。
「次はどこに行くんだ?」
「この平原の先に少し大きなベティストリートっていう街があるわね」
「よし、それじゃあそこに向かおうか」
アランとリサは歩き出した。
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「ここがベティストリートか…」
そこは人が多く、とても大きく、かなり発展を遂げた街だった。
「すごいわね…こんな大きな建物見たの初めてかも」
二人は高鳴る胸を抑えて、大きな門のある入り口を通り抜けた。
「すげぇ…」
街の中は店が沢山あり、人も多く歩いている。
「こんなに沢山人が歩いてるのを見たの初めてかも…」
「そうだな…」
「とりあえず宿を探しましょうか」
「そうだな」
二人は人混みの中を歩き出した。
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街を歩いていると、日が落ち始め、あたりは夕日で赤く染まり始めていた。
「ここに入ってみましょう」
アランとリサは少し大きめな宿に入った。
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「一部屋いくらですか?」
「はい、一部屋で15000ゴールドになります」
受付の女性は笑顔で答えた。
「15000ゴールド!?」
「俺そんなに金持ってないぞ!?」
「しょうがない、他を当たりましょう」
アランとリサはトボトボと歩き出した。
「15000ゴールドは高すぎだよな」
アランは街のメインストリートを歩きながら文句を垂れた。
「しょうがないわよ、街の宿は高く設定されてるの」
「はぁ、もう完全に日が落ちたな」
「そうね…とりあえず街の外れた場所に行って見ましょう?」
リサはそう言うと、メインストリートから路地裏へと入っていった。
「はぁ、しょうがないか」
アランもリサに続き路地裏へと入っていった。
「…いいカモ見っけ♪」
人影はアランとリサの方へと歩いていった。
投稿は不定期で行います。