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ドリームワールド 〜夢の世界の冒険記〜(旧)  作者: ハルクマン
冒険の始まり編
4/11

第3話 青龍団と赤龍団

「行くぞ」


カルムは凍った右手をバンッと地面に当てた。

すると、カルムの周りの地面が凍り出した。


「氷柱…」


カルムがそういうと、凍った地面から一本の氷の柱が勢いよく出てきた。


「!!」


アランとリサはバラけるように横へ回避した。

氷の柱は、そのまま民家へ直撃した。


「厄介だな…」


氷弾(ひょうだん)!」


カルムは続けて、指と同じくらいの大きさの氷の弾を数個放った。


「くっ!」


アランは走りながら氷弾を避けた。

リサは剣から炎を出し、その炎で氷弾を溶かした。


「どんなもんよ!」


「ちっ」


カルムは横にある壁にドンッと手を当てた。

すると、壁は徐々に凍り出し、氷は勢いよくリサの横へと辿り着いた。


「速い!?」


氷手(アイスハンド)!」


カルムが手を壁から離し、横に動かすとリサの横の氷から大きな氷の手が現れた。


「まずい…!」


ギュッ!

現れた氷の手はリサを掴んだ。


「リサ!!」


「ぐっ…」


「ふん」


カルムが手を強く握ると、氷の手も強く握り始めた。


「ぐぁぁあ!!」


リサは苦悶の表情で叫んだ。


「くそっ!!」


アランは走り出し、氷の手に斬りかかった。

しかし、氷の手に当たった剣は弾かれ、横から走りこんできていたカルムに殴られた。


「ぐはぁ!」


ドォン!

アランは民家の壁へと衝突した。


「くそっ…強ぇ…」


「まずお前からだ」


カルムはアランに近づきながら、右手を鋭い氷の剣へと変化させた。


(まずい…身体が動かねぇ…!)


カルムは、ガシッとアランの頭を掴み上に持ち上げた。


「ぐっ!」


「さぁ、死ね」


アランは死を覚悟し、目を瞑った。

その時だった。

ボォォオ!!

カルムの左から炎が飛んできた。


「ちっ、来やがったか…」


カルムはアランを離し、後ろへと避けた。


「よぉ、カルム」


声のする方を見ると、そこには赤い髪の男と眼帯をつけたスーツの男が立っていた。


「火炎放射っと」


赤い髪の男が手のひらをリサの方へ向けた。

すると、手から炎がボォォオと音をたてながら吹き出した。


「すげぇ…」


アランは思わず見惚れてしまっていた。

赤い髪の男が放った炎は、リサを掴んでいる氷の手を燃やし、溶かした。


「げほっ、げほっ…」


リサはその場に座り込んだ。


「リサ!」


アランは力を振り絞り、リサの元へと走った。


「大丈夫か!?」


「え、えぇ…平気よ…」


「よかった」


アランとリサは赤い髪の男の方を見た。


「あいつらの…背中のマーク…あれは赤龍団ね…」


「そうみたいだな…」


「とりあえず…ここで様子を見ましょう」


「よし、分かった」


ーーーーーーーー


「なぜ邪魔をする、ジェリド」


カルムはイラついた顔で言った。


「まぁまぁ、そんな顔すんなって。邪魔というか、ここは俺たち赤龍団の領地だ。領地の人間の使い方は俺たちが決めて当然だろ」


「貴様たちはここの人間を失いたくないということか」


「まぁ、そうだな、なぁ、親父」


ジェリドが振り返り眼帯の男に言った。


「親父!?」


「親子だったのか…似てなさすぎて分かんなかった…」


アランとリサは驚いていた。


「そうだな。ここは食料が多く獲れる。労働力は多く残しておきたいからな」


「先ほどから聞いていれば…!ここは我々青龍団の領地だろ!!レッド!!」


ブルーが叫んだ。


「何を言っておる!ここは我々赤龍団の領地だ!ブルー!!」


レッドも叫んだ。


「ならば今ここでどちらの領地か決めようではないか…!」


「いいだろう…!」


「行け!カルム!」


「頼んだぞ、ジェリド!」


「自分達でやらんのかい!!」


ーーーーーーーー


「セマフさん、俺たちも行ってきます!」


「気をつけるんじゃぞ!」


赤龍団と青龍団、俺とリサは場所を変え、町の外の平原で戦うことになった。


「リサ、奴らの動きをしっかり見ておこう…!」


「そうね、何か参考になるかも…」


アランとリサは少し離れた場所に座った。


「場所を変える必要はあったのか!?」


「我々の領地を荒らされては困るからなぁ!」


「ちっ、まぁいい、始めろ!!」


ブルーの声と同時に、カルムは両手を凍らせた。

そして、両手を地面に当てた。

すると、氷は地面を這いながら、ジェリドの足元へ向かい始めた。


「いいねぇ!」


ジェリドは両手を燃やし、上にジャンプした。

そのまま、両手を下に向け炎を放った。

ボォォン!

ジェリドの炎とカルムの氷がぶつかり合った。

あたりは煙に包まれ、何も見えなくなった。


「くらえ!」


煙の中から炎が放たれた。

ボォォォ!

しかし、カルムは炎を避け、煙の外へ飛び出た。


「氷柱!」


カルムは地面に手を当てた。

すると、数本の柱がジェリドの方へ飛び出した。


炎拳(フレイムフィスト)!」


ジェリドは燃え盛る拳で氷の柱を殴り、破壊した。


「ちっ、やるな」


「お前もな!!」


ジェリドは燃え盛る手でカルムに殴りかかった。

しかし、カルムは何度も飛んでくる拳を全て避けた。


「おらぁ!」


カルムは凍った手でジェリドを殴った。


「ぐぉっ!!」


ジェリドは地面に手をつき、体勢を立て直した。


「やるな、カルム」


ジェリドは両手のひらをカルムに向けた。


「くらえ、剛火炎(ごうかえん)!!」


ジェリドがそう叫ぶと、ものすごい勢いで炎が放たれた。


「ちっ!!」


カルムは両手をパンッと合わせ、自分の前に氷の壁を作った。


「いけぇ!!」


ボォォォ!

炎は氷の壁とカルムを包み込んだ。

ドォォォン!!

カルムの氷とジェリドの炎がぶつかり、爆発が起こった。


「どうなった…!?」


煙が晴れると、そこには顔を抑えたカルムがいた。


「あっちぃじゃねぇか…ジェリド!!」


「!!」


カルムの顔の右半分は赤黒く焼けてしまっていた。


「いいぞ!!カルム!!がんばれぇ!!」


「ジェリド、やってしまえ!!」


ブルーとレッドが叫んだ。


「言われなくても分かってるっつうの」


ジェリドは手に炎を溜め、玉の様にした。


「まだまだいくぜ…!」


「あぁ、こいよ…!」


ジェリドとカルムは睨み合った。


投稿は不定期で行います。

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