釈放
釈放ですよ~
ここではフレイちゃんが弁護したと言ってますが、そこはそのうち別の話で~♪
驚異の歓迎(入村と同時に投獄)の翌日。
僕は厳つい顔した守衛さんによって釈放された。
「すまねぇな。ボウズ、話しも聞かずにいきなり投獄してよ」
そう言って豪快に笑う中年の守衛さんを、僕はこれ以上はないジト目で睨み返した。
「そう睨むなって。流石に『巫女様』の近くに危ねぇ格好したにぃちゃんがいたら過剰反応してもおかしくないだろう?」
「巫女様?なんだそれ?」
「お前そんなことも・・・いや、そうか。お前は他所から来たんだったな。まあこの村にいたら嫌でもわかるさ」
「?」
なんだと言うんだこのオッサン?ハッキリしないな・・・。
まあ考えても知らないことはしょうがない。とりあえず荷物を返してもらおう。
「おいオッサン。とりあえず僕の荷物を「おにーちゃんっ!」グハァッ!」
背後から謎の衝撃!膝をつく僕!背中にゴリゴリと押し当てられる何か!
---アカン、これ続いたら死ぬ。
そう直感で判断し、僕は肩の関節を外して背中に引っ付いたわんこ幼女の首を掴み、引き剥がした。
「フレイ。必死に僕を弁護してくれたことは嬉しいが僕はたった今君の手によって死ぬとこだったぞ」
「えへへー。ごめんなさいおにぃちゃん!」
「おいボウズ!お前さっき肩の関節外したよな!?なんでそんな普通のままなんだよ!!?」
何だか外野が喧しいが、話しを聞くと今僕の目の前で『ぶら~ん』と口で言いながら嬉しそうにぶら下がっているこの幼女が、僕を釈放するように頼んでくれたらしい。
一宿一飯の恩義みたいなものかな?一宿はないけど。有り難い。本当に有り難い。
僕はフレイを下ろし、まだなんか喚いているオッサンに目で荷物を持ってくるように促した。
するとオッサンは色々納得して無い様子だったが、渋々荷物を持ってきてくれた。一体何が不満なんだろうな?こいつ。
「とりあえず持ってきたぞ」
「おう、ありがとな?そう言えば宿を取りたいんだがどこかいいとこ知らないか?」
「そうだな・・・。村の西に『妖精の庭』って言う宿がある。とか言ってもこの村に宿屋はそこしかないんだがな」
「そうか、礼を言っとくよ」
「ああ、そういやお前さんギルド登録してるのか?」
ギルドか、やはりあったか。ファンタジーだと定番だし。
「いや、まだだが」
「なら荷物を宿に置いたらギルドまでこい。登録の仕方教えてやるよ」
「分かった」
そこまで話して僕はオッサンと別れた。
そして今度は首にまとわりついたフレイをそのままに宿に向かった。
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