お祭り開始!
PV6000突破ー!
あと感想くださいー!
『これよりッ!第19回『GOLDEN IN LAKE』を---開ッ催ッしますッ!』
『『『ワアアアァァァーーーーーー!!!!!!』』』
本来なら宿屋の娘が目を覚まし、朝の準備を始める時間帯のフロッキン王国。
その小さな国の試合会場である王城の闘技場には、朝霧を晴らさんが如くの気迫を身に纏った様々な戦いの中に生きる者たちの姿があった。
彼、彼女らの視線の先には、派手なミニスカのアイドルのような恰好をした桃髪ツインテールの少女がハイテンションでマイクのよう(ていうかまんま)なマジックアイテムを握りしめて、ノリノリで開催宣言を告げる。
『わたしは今回、この祭りの司会兼進行役を務めさせて頂いておりますッ!
Aランク冒険者の『踊る音玉』ことミオンですッ!
今後もしもの時はミオンを御贔屓に!なんちゃってッ!』
因みにここまで言い終わる頃には、会場にいる男冒険者の半数が地面に沈んだ。
その中の半数は彼らの隣にいる女冒険者の拳。・・・更にその半数は翻ったミニスカの中身を見たのか出血多量でくたばっている。
「『踊る音玉』・・・。恐ろしい奴だな・・・」
正に男キラー。自ら手を下さず相手を無力化するとは・・・。
「感心する所はそこなのか?」
「ムツラ様ですから」
何故2人はさも僕の言いたいことが分かりきってるかのような態度なのだろうか?
僕ってそんなに分かりやすいのか?顔に出やすかったりするのか?
「今日の格好では顔も見えていませんけれどね」
スノウもアッサリ見透かしてくれるし、もうすっかり自覚なしのポーカーフェイスへの自信がぶち壊された・・・。元から宛てにしてないけど。
そんな阿保な会話をしている僕らの格好は、僕が高校生状態でフードを被って煙管を咥えていて、サリーの格好がメイド服の上に皮鎧なこと以外いつも通りだ。武器は僕がまとめて管理している。だって品質劣化しないし。
『ではでは冗談はそこまでにっと、今回の祭りの主催者!フロッキン王よりお言葉を頂きたいと思いますッ!どうぞッ!』
「ん、王ってことは」
「うむ。父上だな」
そうか。これまで何かと気にしてはいたが、直接会ってないからな。どんな感じなのかは気になるな。
ミオンが魔法陣を構成すると彼女の後ろから騎士団長と魔法使い団長の二人を引き連れた、30歳程の壮年の男が現れた。
決して大きくはないが、強く引き締まった肉体。その頭の上には---金色に輝く王冠。
間違いない。人越しにしか聞いていなかったが、彼がこの国の王にしてSランク冒険者---
「『ガズル・フロッキン』」
---曰く、辺境に現れたドラゴンを単独で仕留めた。
---曰く、これも単騎で一つの盗賊団を壊滅させた。
---曰く、それでもギャンブルは弱くて、一晩でパンツ一丁にされるほどだとか。
などなど最後の一つ以外ほとんどの欠点などないように見える。この国最強の戦人。
そんな頼れる王は、厳かにその口を開く。
『皆の者。今日はこんなにも沢山の戦士がこの祭りに参加してくれたことをうれしく思う。
この祭りも今回で19回目だ。私の代までこの伝統を引き継げたことをうれしく思う。それもお前たち国民がいてこそだ!
今日は羽目を外して日ごろの鬱憤を晴らしたり、存分に楽しんで行ってくれ!
さて、短くて済まないが、これをもって開式の言葉とさせてもらう。
まずは『GOLDEN IN LAKE』予選第一回戦だ!諸君らの奮闘に期待しているぞ!』
『『『ウオオオォォォッッッ!!!』』』
会場内に響き渡る歓声、怒号、雄叫び。どれも人の感情の高ぶりから生まれる活気の現れだ。
「これが、王か」
「うむ」
正直何代続いたとかどれだけの人間が楽しみにしているかとか割かしどうでもよかった。
だが、大きなものを動かす一人の人間の姿は見飽きることはなさそうだ。
王様の名前考えてるとき〇イナスとかガ〇ルとか頭に浮かんだぜ・・・。




