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白の童話騎士  作者: アースウェル
カエルの王さまと鉄の帯
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祭り前夜

「ただいまー!」


「みぃー!」


「ん、お帰り。楽しかったか?」


「うん!」


「時雨も似合ってるぞ」


「みぃー・・・」


 夕食を食べ終わって自室でゆっくり本を読んでいると、ようやく女子たちが城に帰って来た。

 部屋の扉を勢いよく開けて、相変わらずな赤ずきんスタイルのフレイが僕の元まで駆け寄ってくる。その後ろには獣人の姿の時雨も一緒だ。此方は髪と同じ色のワンピースになっている。


 僕は読書を中断し、ベットから起きて2人を受け止めると、乱暴に頭を掻き撫でる。

 すると、少しだけ間をおいて、苦笑を浮かべた2人の女性が入ってくる。


「こら。そんなに走ったら危ないぞ」


「まぁ元気なことはいいことですよ」


 入ってきたのはクリスとサリー。みればクリスの方はいつもより素朴な服装だった。

 ばれたらいけないから変装したのか知れないが、パッと見そこらの村娘の格好のクリスに、普通に立派なメイド服を着ているサリーが付き従っている光景もなかなか面白い。


「クリスもサリーもお帰りだ。何かいいものあったか?」


「はい、残念ながら武器はいいものは見つかりませんでしたが」


「それ以外ならいいものを見つけたぞ」


「ほう」


 それなら服と防具かね?面白いものだったらいいな。


「なにか変な期待してないか?」


「いや、面白い魔法でも掛かってないかなと」


「・・・矢張りムツラ様はどこかずれてますね」


「・・・だな」


 なんだ?急に見透かされたようなジト目で見られたと思ったら、すぐに残念な子を見るような目に変わったぞ?

 何気にショックだ。


「薄々こういう反応なのは予想ついてたが・・・。ハァ・・・。

そんなに高価なものがこの大陸に早々ある訳ないだろう。

魔法的な価値は薄いが、鎧としては逸品ものだぞ。ほら、早く入って来い」


「はいはーい」


 そしてあっさりと渋ることなく軽快なステップで入ってくるスノウ。まあスノウに焦らしとか期待するのも酷か。


「どうですか?ムツラ君?」


 そんなスノウの格好は黒いショートパンツに白く袖は短いのに裾だけは長いコート。その上にところどころに金色の装飾を施された純白の胸当てだけの超軽装だった。

 普通これじゃ冒険なんて出来ない気がするが・・・


「ユニコーンとしての身体能力が残ってるなら・・・行けるか」


 ニコニコしている顔に若干苛立ちながらそう言うと、眉を八の字にして少し怒ったような表情になった。


「そんな実用的かなんて聞いてなんかいませんよ~。似合ってますか?」


 成程、そっちか。先に2人も同性に評価受けてんだろうから無駄かと思ったんだが。


「ああ、いいんじゃないか?魔法に少し弱そうで長持ちしないかもしれないのが残念な位だな」


「そ、そこまでですか?なんだか照れますね」


 これで満足かと思って、そこまで言い切ると彼女はほんのり紅くなった頬を両手で隠して照れ始めた。


 まあだからといって何かがある訳じゃないから別にいいけど、武器が無いのは問題だな。

 姫様はあの時腰に下げていた細剣でいいとして、サリーはどうだったかな?


「なあ、サリーは何を使うんだ?」


「何、とは?」


「ああ、言葉が足りないか。武器の事だ」


「そうですか。それなら私は槍ですね」


「そうか、分かった」


 もしここの4人でチームを組むのなら、僕は『遊撃』と『遠距離戦闘』の兼任でいいとして、クリスは『近接戦闘』、サリーは『中距離戦闘』を担当することになるだろう。

 彼女らの戦闘を見たことは無いので一概にはなんとも言えないが、本来この3人でも十分通用するはずだ。


 幸いスノウはこれまで武器を使ってきたことなんて無かったわけだし、今回選ぶもので彼女の戦闘スタイルも決まってくるはずだ。

 となればどんな武器を選んでも強さ的には差はないし、どうせなら今の僕らに足りないものをカバーしたい。


 僕ら人間組に無い物・・・か・・・・・・。

 ・・・・・・。

 ・・・・・・。

 ・・・・・・。

 ・・・・・・あ、思いついた。丁度いいの。

 でも勝手に決めて怒られるの嫌だな。念のために最終確認っと。


「スノウは使って見たい武器とあるのか?」


「ふふふ~♪はっ!い、いえ!何せ触れた事も無いので」


 よし、言質もとったしこれならいいだろ。丁度実験しまくってあまりに余った分の在庫処分もかねてアレ(・・)を渡すか。


「そうか、だったらこれを使え」


 そこで僕は『アイテムボックス』を開き、そこから、柄から先端まで漆塗りのような黒のハンマー(・・・・)を取り出した。


「こ、これは?」


 それを差し出されたスノウはおっかなびっくりそれを受け取る。僕はそれに悪戯を仕掛ける子供のような笑顔で茶化してみる。


「結構前に拾った面白いマジックアイテムだ。いざとなったら魔力でも適当に込めたら何かいいことあるかもしれないぞ」


 多分、スノウは僕の言ったことの意味はまったく理解できていないはず。

 でもそこはやっぱり短い間とはいえ一緒に旅をした仲間内。そこまで僕の話を聞くと彼女は『プレゼントに見合うだけの働きは約束します』と頷いた。


 武器もそろった役者もそろった。

 さてさて、明日はお祭り開催日、僕はどこまで楽しめるかな?

読者が増えた感激で徹夜してもうた・・・。

もしかしたら後から修正入るかもだけど許してください・・・。

あと文章構成向上のために感想もお待ちしています。

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