開かれた”セカイ”
ここで人界は一旦しゅーりょーでっせー!
咲を補修と留年の魔の手から救うべく”咲改造計画(ここまで言い切れるレベルでやらないと効果がない)”を取り決めた僕は、家に着くなり早速準備に取り掛かった。
立てかけた鏡に黒髪黒眼の少年が映ることに構いもせずに2階にのぼり、自分の部屋に荷物を置く。
「やはりあのバカを矯正するのは数学からの方が良いんだろうか?いや時間の無駄になる確率の方が高いな」
他人が聞いたら『それは大げさだろw』とか言われそうなことを言っている自覚はあるが、咲に関しては僕はこの意見を曲げる気は一向にない。
「いや、科目に関しちゃ考えるのも無駄だな。どうせどれを選んでも1つの単元で軽く3時間はかかる」
そう、咲の理解力は1歳児よりも下なのだ。これは炎が熱いのと同じぐらい当たり前だ。当然たら当然ナノダ。
「そうだな、どうせ時間はかかるのだからせめてわかるように説明する工夫をしよう。焼け石に水なのはわかってるけど」
そうと決まれば準備に取り掛からねば。
「えーと、児童用の勉強資料はどこにあったっけ?」
確か押し入れの中に幼稚園児のとき使っていた教材があったはずだ。いつか必要になるかもしれないとか思ってとっといたと思うんだが・・・どうだろなぁ。
「おっ、あったあった。このダンボールだな」
しばらく漁っていたらひらがなで『とりあえずとっとくもの』と実にはっきりとしないことを書いてあった目的の物らしきダンボールを見つけることができた。
思ったより早く見つかったな。これで対咲対策を奴が帰ってくるまでに練ることができる。
しかし思ったよりも昔の物って家に残ってたんだな・・・いつか家にあったものを減らそうとしてごっそり捨てたはずだが・・・気のせいか。
「えーと、毬、赤い靴、鉞のおもちゃ、薔薇のおしばなに、貝殻やしまいにゃ赤い頭巾だぁ?」
むむ?見事に統一感のないものばっか詰まっているな。咄嗟には共通点が見つからないな。
それらを端によけながら中身を漁っていると一冊の古いスケッチブックを見つけた。
「うん?ノートだったら僕のだろうがあるが・・・絵なんか描けないし描いたこともないんだがな・・・」
そう思いつつ、玄関に我が物顔で居座っているツチノコを見るかのような顔でスケッチブックを眺めていると、それに一枚の写真が挟まっていたのをみつけた。
「なんだ?」
僕は特になにも考えずにその写真に写ってるものを確認しようとスケッチブックを---開いた。
「---------------------っ!!!!」
まばゆい光が溢れ出し
世界が・・・崩れた。
皆さんはファンタジア文庫の作品読みました?ぼくは2冊買いました!
さぁ、次はどんな世界で始まるのでしょーかー!
答えは・・・作者も決めてないっ!