”LUCK:0”の意味
村を目指し歩き出して、5時間で僕は村についた。
・・・長すぎるって?そうですね、いくら森で迷ったとしても普通の森の帰り道でこんな時間まで迷い歩くことはない。
―――普通のならな。
歩き始めて2時間たった頃、辺りの木に傷をつけてそれを目印にする方法を思い出して、それを実践してみようとしたら木がモンスターになったのだ―――周りの木々全部。
怒り狂って(僕が)切りかかったことでモンスターの正体が分かった。
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NAME:レッサートレント
LEVEL:3
HP:350/350
MP:15/15
SKILL
●レアスキル
○吸血
効果
『生贄の血』/消費MP5s カテゴリ/パッシブ
生き物の血を吸いHP&MPを底上げする。
後で聞いてみればトレント種は、群れで獲物を奥に騙し入れ、弱ったところで血を吸い尽くす狡猾なモンスターらしい。とは言っても森の奥にいるもの程強力で個でも獲物は獲れるらしい。外側にいるのは比較的若くそのため弱くそうするしかないのだが。
入口で気付かなきゃ死んでたな。こりゃ。
まあ持ってるスキルはとても便利なので頂いた。おかげでステータスがここまで強くなった。
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NAME:ムツラ・シラバネ
LEVEL:10
HP:2000/2000
MP:1500/1500
STR:30
DEX:50
VIT:15
INT:30
AGI:50
MND:15
LUK:0
SKILL
●ユニークスキル
○武神
●レアスキル
○アイテムボックス
○強奪
○千里眼
〇見切り
○吸血
●ノーマルスキル
○無し
あいかわらずノーマルスキルが全くないな。あと折角異世界に来たなら魔法が欲しい。折角MP1500もあるしな。
それは別としてやっぱり疲れたな。帰ったらすぐ寝たい。日も傾いてるし。
ギルドに入って受付に進むとマリルがいた。さっさと報告して宿に行こう。
「やあ」
「あらぁ、ムツラ君じゃなぁい。遅かったわねぇ。なぜか血まみれだけど・・・大丈夫だったぁ?」
「ああ、全部返り血だから・・・そういやゴブリンって赤いのもいるんだな」
「へ?」
「ほれ」
そう言ってゴブリンエースの耳を渡した。あれ?マリルがなんかプルプル震えてるんだが。
「おい、どうした「すごいです!」はい?」
「すごいです!Dランクのゴブリンエースを、しかも三体も狩るだなんて!これでムツラさんはDランク冒険者ですよぉ!」
「へー、それって凄いのか?」
「凄いどころじゃありませんよ!Dランクスタートで冒険者になった人は過去にも一人しかいないんですぅ!」
「そうなのか・・・(めんどくせ・・・厄介な肩書手に入れちまったな)」
「そうなのです!それではギルドカードをお渡しください!・・・はい!これで今からムツラさんは冒険者です!これからも頑張ってくださいねぇ!」
「はい。それではまた」
ふぅこれでやっと眠れる。帰ろ帰ろ。
ガタンッ!
「大変だ!」
なんか守衛のオッサンが入ってきたな。慌てているようだがどうしたんだろうか?
「ゴブリンの群れがこちらに向かって来ている!数は五十だ!」
・・・へ?
「それは大変ですね!それでは皆さん!緊急クエスト発令です!Dランク以上の冒険者の方々はゴブリン殲滅にあたって下さい!」
あの普段ぽけぽけしているマリルが本気の顔でそう言った。これは断れる雰囲気じゃない。
「・・・ああ・・・。こういうことか・・・」
僕は自分の運の悪さを改めて自覚した。
・・・結局ゴブリン掃討の緊急クエストは翌朝まで続いたという・・・。
主人公っていうのはだいたい間の悪い人間なのです。
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