スポーツマンシップ?なにそれ食えんの?
ながぁ~~~~~~~~~~くなりました。
体にまとわりついて離れないフレイをそのままで僕は宿に向かい、部屋をとった。宿は一階建ての木造建築だった。窓から外を覗くと庭の井戸の周りで子供たちが遊んでいた。
あと部屋に着いたときフレイは窓から外に投げ捨てた。投げるとき『ひゃぁ~♪』とか言ってたから大丈夫だろう。
部屋について僕はレアスキルの『アイテムボックス』の効果を確認した。他のも見たいけど今はオッサン待たせてるし。
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アイテムボックス
レベル/1
効果
『空間創造』/消費MP1 カテゴリ/パッシブ
自らの魔力で無限に広がる異空間を作り、そこにアイテムを収納する。その中では時は止まっているためアイテム劣化の心配はない。
中に入れたアイテムの詳細を確認できる。
生きている動物や魔物を中に入れることはできない。
最初の異空間生成とその後の異空間拡大の時のみ50のMPを消費する。
ふーむ、流石の一言に尽きるな。生物を入れられないと言うことはお約束だが、なんせ異空間に物を入れてるんだから当然荷物が重いと感じるわけない。おまけに中に入れたアイテムの事も知ることができる。消費MPがあるのはネックだがそこまで開け閉めすることも無いだろう。その上僕のユニークスキルは武器を手に入れる事が出来る。その持ち運びも考えるとここまで僕にとって便利なスキルは無い。
「そろそろギルドに向かうか」
そういって僕は異空間に荷物を全部詰め込んで、女将さんに挨拶をして玄関を出た。そしてギルドに向かおうと歩---
「おにーちゃんはやくいこっ!」
---きだそうとしてワンコ系赤ずきんに捕まった。
僕が天を突かんとそびえ立つ犬耳と千切れんばかりに振り回される尻尾を彼女の体に幻視したことは言うまでも無いだろう。
☆・☆・☆・☆・☆
暫くして僕たちはギルドに着いた。なおフレイはなんとか巻いてきた。
中を覗いて見ても守衛のオッサンは見当たらなかった、待つの面倒だし先に登録しよう。
そう思って僕は暇そうにほんにゃりしている受付嬢に声をかけた。
「こんにちは」
「はぁい、こんにちわぁ。クエストのご依頼でしょうかぁ?」
なんかとてつもなくマイペースな人だな。見た目は16歳ぐらいで、瞳と髪の色は一点の曇りもない青、体つきはまぁ男好きする肉付きしてるから看板としては有能だろうけど。仕事の方は出来るのか?
「いえ、冒険者登録に来ました。登録お願い出来ますか?」
「へぇ~そうなの。若いうちから頑張るのねぇ。分かったわぁ。それでは冒険者登録しますので、ここに血を1滴垂らして下さいなぁ。」
言われた通りに銀の皿に血を垂らすと、彼女は腰まで伸ばしたの髪を跳ねさせながら奥の部屋に入っていった。すると---
「オイ」
「はい?」
---30歳くらいの酔っ払いたち4人に声をかけられた。
はいでは皆さん。ここからの展開読めてた人は挙手!はい皆分かったね!それじゃ正解は---
「テメェ見たいなガキに冒険者が勤まるかよ!」
「そうだそうだ!」
「身の程ってもんを教えてやんよ!」
「表に出やがれ!」
---『絡まれる』でした!
はーい!正解者は5pt獲得ー!・・・まぁそんなふざけた雰囲気は置いといて。
普通こういうの聞いたら説得しようとするのがラノベの主人公たちなんだろう。しかし僕はそうではない。それにぶっちゃけめんどくさい。よって---
「ガッ!」「グッ!」「ブヘッ!」「ゴハッ!」
---スマートに頭を殴ったり首を絞めたりアッパーカットを極めたり鳩尾に手刀に突き込んだりして無力化した。皆防具なかったからやりやすかったよ。
一方的な蹂躙が終わった頃、守衛のオッサンが駆け込んで来た。
入ってくるなりオッサンは膝を突き
「遅かった・・・」
と悔恨の涙を流す。
その後受付嬢が戻ってきた。彼女は床に踞る男5人(酔っ払い+守衛)を見て
「あらあらぁ、なんだか楽しそうねぇ。」
と微笑んでいた。・・・やっぱりこの人ズレてるわ。
感想プリーズ!
あと『アイテムボックス』の最後の設定見てスマホゲームみたいって思った人は挙手!




