我が運命、君が為
「なっ……」
目の前から消えた。全員が一点集中で見ていたにもかかわらず、飛鳥の姿を完全に見失った。当然、消えるはずがない。物理的に何の前触れもなく有機物を完全に消し去ることは出来ないのだから。
しかし現実問題、飛鳥の姿は見当たらない。何処に消えたのかと現実を認識し始めたタイミングで、一人の兵士の視点が反転した。
声が出ない。
息が出来ない。
やがて自分の視界に映るのは地に倒れ伏す、己の身体。胴体と顔は分断され、断面からは赤く染まる液体が止めどなく溢れて来た。そこで初めて自分自身が切り飛ばされたことを認識する。何が起きたかも分からず、気付いた時には既に絶命する寸前。
誰かに切られた事実は分かれど、誰にどのように切られたのかは分からなかった。考える術もなく、一人の命を奪う。
「ぎゃぁっ!!?」
「ギッ!?」
一人、また一人と一瞬の内に命を刈り取られていく目の前には誰もいない。立ちはだかる相手はことごとく、何も出来ないままに無惨にも切り刻まれていく。相手からすればこれほど怖い出来事は無いだろう。
気配を消して相手に近寄り、一撃で相手の息の根を止める様はまさに暗殺者そのもの。相手に自身の場所を悟られないように高速で移動し、無防備な相手の懐へと飛び込む。
呂布のような一騎当千の武ではなく、確実に一人一人死へと葬り去る戦い方は、王道の戦い方ではなかった。敵兵士たちすればいつ近付いてくるか分からない得体の知れない恐怖と戦わなければならない。
そうこうしているうちにも、飛鳥の前に立ちはだかった兵士の一角が壊滅的な被害になっていた。飛鳥の対角線上にいた兵士は根こそぎ飛鳥に切りとばされ、ドミノ倒しのように死体の山を築いて行く。
情けは無かった。
周囲の魏兵は震え上がり、味方である呉兵たちも未だかつて見たことのない戦い方に言葉を失い、誰一人参戦しようとしない。みるみる内に減っていく敵の壁に孫策の暗殺を企てた兵士は身を隠す。
だが、彼にとってそんなことは関係など無かった。
「うぎゃあああああああああ!!!?」
悲痛なまでの叫びが戦場に木霊する。
土の上に倒れ込み、自らの腕を押さえながらのたうち回る一人の兵士。
涙や鼻水を流し、大量の涎をまき散らしながら押さえる腕の先に映るのは、手首から上が無い自らの腕。切断部分からとめどなく溢れてくる真紅の血が何とも痛々しい。
痛覚がハッキリしているせいで、想像を絶する痛みが全身を襲い、いくら普段から鍛えている身とはいえ、立ち上がることなど出来なかった。
倒れる兵士の様子を呆然とした表情で見つめる一人の兵士の後ろから、今度は視界に一本の太刀筋が目に入る。背後から突き出る矛先には誰かの血がついていることを目視すると同時に、自分の視線がぐらりと揺らいだ。
貫かれたのは自分。
背後から近寄る相手を認識することも出来ず、そこで意識は暗転した。
物言わぬ屍と化した兵士を見下ろす飛鳥に近寄る兵士や、遠方から弓矢で狙撃を画作する兵士は誰一人としていない。先ほど孫策の命を狙った兵士たちは既に全員事切れている状態で、残って居るのは手を切りとばされた兵士一人のみ。
刀を振り下ろしたまま、無機質な冷たい視線を向けると、恐怖のあまり後退りながら逃げ出そうとする。しかし全身に走る激しい痛みから行動は制限され、上手く立ち上がることが出来ない。
逃げまどう姿を見つめながら、周囲に立ち尽くす魏の兵士たちに向かって一言、小さい声ではあったが静寂に包まれる戦場ではその声がはっきりと届いた。
「……死にたくなければ退け、俺の周囲にいる全員だ。さもなければ殺す」
殺気を全面に出して周囲を睨みつける。冗談でも脅し文句でもない一言に気圧された魏兵たちは固唾を飲み込んだまま、動けなくなってしまう。
動かないことを確認すると、飛鳥は逃げまどう魏兵の元へとゆっくりと歩み始めた。
一歩ずつ、だが確実に近寄る姿は処刑人そのものであり、逃げ惑う魏兵の姿は死を待つ罪人のよう。否、一国の王の暗殺を企て、実行に移した時点で、十分過ぎるほど重たい罪となる。
仮にここで逃げおおせたとしても、素性が全員に知られた以上、国に戻れば罪人として扱われ、死罪として処罰を受ける結末は目に見えていた。
「く、くるなぁ!!」
「……」
かつては誇り高き兵士だったはずの自分が迫り来る存在に恐怖を覚えている。
こいつは何なんだ。
無機質な瞳で見つめる姿は、感情など無く、ただひたすらに目の前の人間を殺していくだけのマシーンのよう。無論この時代に機械などあるわけが無いが、魏兵からすれば恐怖の存在以外の何者でもない。
「……死ぬ前に一つだけ聞く。暗殺を指示したのは誰だ?」
「し、しらねぇ! お、俺はただ言われるがままに作戦を実行しただけで!」
「だからその言われた相手が誰だと聞いている」
矛先を相手の喉元へ突きつける。
孫策の暗殺を企てたことは事実であっても、彼にも確認すべきことがあった。この一連の流れは本当に一部の魏兵たちだけが企てたものなのか、それとも魏とは全く関係ない第三の勢力が絡んでいるのか。
そして元々この戦いが第三者に発起するよう仕組まれたものだったとしたら。
当然、質が悪い兵が混じっている事実を黙認し、戦で教育しようと安易な考えを持った曹操にも非がある。
「か、頭は天のお告げだとか」
どこかで聞いたことのあるニュアンスの言葉に、飛鳥の表情がほのかに歪む。彼的にはあまり聞きたくない言い回しの言葉だったことが容易に想像できるが、分かる範囲で確認しなければならない。
───北郷一刀、時雨飛鳥、二人に続く現世から降り立った人間がいる可能性も含めて。
「……天のお告げだと? そんな下らない理由でお前たちは孫策を襲ったのか?」
上官の命令は絶対だ、背くことはイコール死を意味する。我が身を守るための行動だと考えれば致し方無かったとも考えられる。が、ここは戦場であり、自分たちにとっての大義名分だったとしても、飛鳥にしてみれば関係ない。
自分の大切な存在を殺そうとした、その事実だけで飛鳥が情けを掛ける必要は一切無い。刀を首元に突きつけるとうっすらと切れ目が入ったのか、赤い血の帯が首筋を伝う。
本気で自分を殺すつもりなのだと改めて認識をした魏兵は、命だけは助けてくれと、涙と鼻水、そして涎を垂れ流し、切り捨てられた腕の痛みなど忘れて飛鳥に訴えた。
「ひっ!? か、勘弁してくれ! お、俺は本当に頼まれただけなんだ!」
「ほう?」
必死の弁明に刀を首元から遠ざけ、更に語られるであろう言葉に耳を傾ける。
「た、確かに俺は孫策の暗殺に荷担した。だ、だがそれは自分の頭に頼まれたからで! 俺だって元々孫策を殺そうなんて思っても無かったんだ!」
「……で?」
「俺は悪くない! 悪いのは全部……ひっ!」
首元から遠ざけた刀の矛先を再び顔に突きつける。
沸き上がってくる恐怖から思わず声を漏らすも、彼は何一つ容赦しなかった。人に言われたから自分は行動に移しただけ、だから自分は悪くない。
全てにおいて他人が悪い、指示をした人間が悪いと言い張る姿があまりにも哀れに見えた。周囲で見守る魏兵や呉兵、そして双国の王でさえ、つらつらと戯れ言の羅列を並べる姿に失望しているようにも見えた。その証拠にだれ一人兵士を心配する者はいない。
覚悟の一つもなく、一国の王を襲ったこと。兵士として持たねばならない矜持を平然と踏みにじったこと。言葉の一つ一つ全てが何とか保てたいる理性の紐を一つ一つ解いていった。
「さっきから聞いていれば何もかも全部人のせいか。あぁ? どんな屁理屈を述べたところで、お前がやった事実は変わらない」
そう言い放つと突き付けていた刀を上段に構え、振り下ろす形を取る。飛鳥が何を考えているのか分からないほど鈍感ではない。まるで生ゴミでも見ているかのような哀れみの視線を浮かべたまま、動きを止める。
「や、やめろ! 早まるな!」
今の話を聞いて味方に付くほど、他の兵士は腐っては居なかった。現に彼を助けようとする兵士は誰一人としていない。必死に命乞いをするも、既にその言葉が飛鳥の耳に届くことはなかった。
「くだらない欲に流され、主との約束を平気で破り、あまつさえ人の主に手を掛けようとした……そんな人間を生かしておく義理は無い」
───刹那。
振り下ろされた刀が目の前の兵士を両断する。事切れた肉体は地に落ち、ピクリとも動かなくなった。
「……」
絶命を確認した飛鳥は踵を返し、曹操の元へと向かう。事の顛末見守っていた曹操だったが、まさか飛鳥が現れるとまでは思わなかったらしい。目を丸くしたまま、歩み寄る姿に驚きを隠せないでいた。
無言のまま曹操の前に立つ飛鳥だが、今の彼に明確な敵意や殺意といったものを感じ取ることは出来なかった。
「久しいな曹操」
「そうね。董卓連合以来かしら。まさかこのような再会になるとは思わなかったけれども」
しばらく見つめ合った後にようやく飛鳥の方から切り出し始める。二人が出会ったのは先の董卓連合での軍議以来であり、それ以降は会話交わすこともなければ、会うこともなかった。
「ふん、ならもうお前のすべき事は分かっているだろう。さっさと兵士たちを退かせろ」
軽い挨拶を交わした後に飛鳥の口から伝えられるのは、魏の兵士たちを呉の土地から退かせろという、何とも単純な言葉だった。彼の発した言葉にぎょっとさせたのは他でもない孫策であり、曹操はただ険しい顔を浮かべるだけ。
自身に怪我を負わせた敵が目の前にいるというのに、全くの無傷のまま帰すとでも言うのか。
敗者は勝者の言い分を聞かざるを得ない。総大将がどちらも存命中故に、雌雄を決してはいない。目の前に最大の敵が居るというのに、何故みすみす逃すような真似をするのか。
足に乳酸がたまっていることなどお構いなかった。
飛鳥の意図が理解できずに場に立ち上がると、前に居る曹操を差し置いて、彼女の前に割って入った。
「ちょ、ちょっと飛鳥! 何言ってるのよ!! アナタが何をされたか分かっているの!?」
納得がいかない。
納得出来るようなものでもない。
自分にとっての大切な存在が傷つけられ、憎き相手が間の前にいるというのに、どうして逃すようなことをするのか。傷つけられた本人が許していたとしても、彼女にとっては許さざるべきこと。
「……あぁ」
先ほどまでの殺気満開の飛鳥はどこへ。
いつもと変わらぬ、落ち着いたトーンで淡々と返事をするその姿は紛れもなく、普段の飛鳥と何の変わりも無かった。
何故そんな落ち着いていられるのか、どうしてそんな簡単に相手を許すことが出来るのだろうか。
分からない、飛鳥が何を考えているのか。
「……アナタ、本気で言っているの? 私はアナタにとって敵のはずよ。討ち取るには絶好の機会だと思うのだけれど、それをみすみす逃すのかしら」
と、曹操。
あくまで相手にマウントを取らせない話し方は、何一つ変わらない。が、裏を返せば何の理由もなく撤退を命じる飛鳥の意図が読めないとも読みとれる。
それほどに飛鳥が口にした撤退命令は理解し難いものだった。
「勘違いするな。別に討ち取ろうと思えばこの場で討ち取るのは造作もない。これはしばらく呉に宣戦布告を出来ないようにするための貸しだ、いずれはしっかり返してもらう」
今この場で曹操を殺すことは飛鳥にとってそう難しい事ではない。が、この戦が得体の知れない第三者によって引き金が引かれたものだと推測すると、ここで曹操を討ち取るのはナンセンス。ここで殺してしまえば魏は総大将を失ったことで大混乱に、呉は多くの兵士たちが既に疲労困憊の満身創痍の状態。
殺した兵士の言葉を信じるとするのなら、漁夫の利を狙う第三の勢力が存在する可能性があった。となれば最悪のケースを想定するとこの場で両国とも滅ぼされる可能性もある。そうではなかったとしても、自国の人間を危険な目に合わせたくない。
彼にとっては天下統一が最終的な目標ではなく、呉の国に本当の平穏をもたらすこと。そもそもこれ以上、ここで曹操と戦い続けるメリットはない。
彼の想定する最善の策を取った形になった。
だが、彼の言うとおりこのまま終わるつもりはなく、貸しを作ることでしばらくは呉に手出しをさせない意味合いもある。偶然だったとはいえ、自分の部下が働いた狼藉に対して後ろめたさを持っているのも事実。彼女の性格上、理不尽なことはしない。弱体化した国を叩くことは、彼女のプライドにも反する。
「それに孫策。お前ももう到底戦える状態じゃない」
「な、何よ! 私はまだ戦え……っ!」
再度、孫策の膝が崩れかけた。
言葉では強がっても、身体は正直だ。立っているのもやっとな状態でどう戦うというのか。今の孫策が気丈に振る舞ったところで、説得力は何一つ無い。
「その様でか? 一つだけ勘違いしないでもらおう。お前は誰だ?」
「……孫策よ」
「して、孫策。お前の立場は?」
「……一国の王よ」
「なら王がすべき事は?」
「……」
そこまで言われて急激に血の気が引いてくる。
一つの栄光のために戦うのもいいだろう。だがそれは立場によっては周囲を巻き込み、取り返しのつかない結末を招く要因になりかねない。
今、孫呉の王としてこれ以上刀を振るい続ける必要があるのか。確かに魏の兵士たちは壊滅状態であり、上手く行けば勝てるかもしれない。しかし同じように呉の兵士たちの体力は底を尽きていた。
このまま見逃せば憎き相手を取り逃がすことになるが、脅威は去る。逆に戦えば勝てるかもしれないが、損害は今以上のものとなる。下手をすれば今まで築き上げてきた土台が完全に崩れることも想定できた。
一個人としての感情なら、間違いなく戦うべきだ。が、今の彼女は一国の王。王として下すべき決断は一つしかない。
「国を守り、民を守ること」
冷静に話す孫策の様子を見て、飛鳥は曹操の方へと視線を移す。
「つまりそーいうことだ。俺や孫策の気が変わらない内にさっさとこの場から去れ」
「……」
「納得がいかなくて結構。どうしても納得がいかないというのなら俺と戦ってねじ伏せてみろ……もしそちらの選択をした場合、俺は手加減なんかしないけどな?」
「……これ以上、アナタに迷惑を掛ける訳には行かないわ。この戦いが下種に怪我された以上、続ける意味はない。アナタの言葉に従いましょう。春蘭、秋蘭! 撤退よ!」
「「はっ!」」
「時雨、この借りは必ず返すわ」
飛鳥と孫策に聞こえるように一言呟くと、踵を返して陣営へと戻っていく。
家臣である二人に声を掛け、戦場に居る兵士たちを撤退させていった。背を見せる魏の兵を襲おうと画策する兵士は一人としておらず、皆ただ呆然と撤退していく姿を見つめている。
そして戦いが落ち着いたことを身体が認識すると同時に、多くの兵士たちは膝から地面に崩れ落ちた。既に限界を超えて戦っていた肉体はぷつりと糸が切れたかのように動かなくなる。否、動けなくなった。
想像を絶する泥臭く、策もない戦いは兵士たちの体力を根こそぎ奪っていた。気力だけで膝に手を当てて立ち尽くす兵士、地に倒れ込み必死に外の酸素を取り込もうと過呼吸になる兵士、傷を負ったことで息絶える兵士、様々だった。
それに対して、残った魏の兵士は疲れこそ感じさせるも、倒れ込む兵士はほとんどいない。今回は火事場の馬鹿力で善戦はしたものの、通常時で戦えばまだ力の及ばない存在であることを、各々が認識したことだろう。
どんどん小さくなっていく後ろ姿を孫策と飛鳥は見つめていた。この戦いで得られたもの、それは何一つ無い。痛み分け……それも呉に対してのダメージはあまりにも大きい。何のために戦っていたのか、心の中には虚しさだけが残り、ぽっかりと穴があいているようだった。
「孫策」
「……何よ」
「後は……任せたぞ」
「は……「姉さまーーーーーーーっ!!」蓮華……」
背を向けたまま、意味深な言葉を呟く飛鳥。意味が分からずに聞き返そうとするも、二人の元へ駆け寄る孫権の声に遮られ、声の聞こえる方へと顔を向けた。よく見ると普段側に居る臣下たちが、心配そうな顔を浮かべながら近付いてきている。
身体の至る部分に怪我をしているものの、傷は決して深くはなく、ちゃんとした治療を施せば重傷化するようなものではなかった。走ってくるメンバーも服に汚れこそ目立つも、怪我らしい下我をしている様子は見られない。
これだけひどい戦いだったというのに、前線に出ていた兵士たちの怪我が最小限だったのは不幸中の幸いだった。どことなく、やるせない気分に苛まれつつも、脅威を追い払えたこと、それだけが唯一彼女を支えている救いかもしれない。
一国の王が悲しい顔をしていても始まらない。
早く皆の元へと戻ろう。
「飛鳥、戻るわよ。いつまでも敵の背中を見ていたところで意味ないわ」
いつまでも曹操たちが去った後を見つめる飛鳥。もし自分たちが背中を見せている時に襲われたらと、警戒をしているのか。彼らしいといえば彼らしい。
とはいえ、既に曹操に戦いを続ける意志が無いのは飛鳥だけではなく、孫策も見ている。あの曹操に限って約束を破るような真似はしないはずだ。
「……? 何をしているの?」
だが飛鳥がこちらを振り向く様子はない。
多少生意気な性格ではあるが、人の指示を全く聞かないなんてことはなかった。ましてや孫策が話を切り出せば納得はしなくても、顔を向けることくらいはする。
それすらしない姿に疑問がわき出ていた。
「……」
不意に、嫌な予感が孫策の脳裏をよぎった。
彼女の勘は信じられないレベルの的中率を誇る。何故戦いの終わったタイミングで、嫌な予感を覚えなければならないのか。
「ね、ねぇ! 飛鳥ってば!」
声を掛けるが反応が無い。
そんな、そんな馬鹿なことがあってたまるか。
ひきつろうとする顔を必死にこらえながら、今一度飛鳥に声を掛ける。
「そんなところでいつまで立ってても楽しくないでしょ? 帰ろうよ」
嫌だ、あり得ない。
「ねぇ」
ソンナコト……。
「あす……か……」
手から力が抜け、がらりと音を立てて飛鳥の手から刀が抜け落ちる。
同時に吹く一輪の風。
風に煽られるように飛鳥の身体は傾き。
地面に倒れ込んだ。




