4月◇日 道端にて
春を感じさせる風が吹き、新しい生活が始まる今日この頃。
心機一転しようとしている皆様に
理と高橋から一言。
「「作者の煩悩がつまってます」」
……オーケイお前ら俺にケンカ売ってんだな?
「なあ高橋」
「なんだよ?」
「今日は風が強いな」
「まあ春一番ってとこじゃないか?」
おそらく高橋は他愛のない話をしているつもりなんでしょう。さて皆さん思い出してください。僕はどんな人間でしょうか?
……オーケーわかってます。そんな「お前ごときが自分のこといい感じに言ってもらおうなんておこがましいんだよ!!」みたいな目で見ないでくださいよ……僕も流石に自分のことわかってないわけじゃないですし。
まことに!
心から!
不本意ではありますが!!
この小説のあらすじに「頭のネジが500~600本はずれている」と書かれた位ですし。
ちょっとおかしい奴だというのはわかってるんですよ!
しかしですよ?僕が今考えていることは、男は一度は考えたことがある筈なんですよ!
「そうだよ高橋。これからまだ強くなるってテレビでも言ってたしね!」
「学校でのお前への風当たりもな」
「ぐっ……しかしだ、この風の中、健全な男子が考えることなんて一つだろう!?」
「何だよ?」
……え?は!?わかっていない!?なにコイツ!?不純なの!?ピュアすぎるの!?バカなの!?
「……高橋、お前本当に男なんだろうな?」
「文化祭でカワイイって理由で女装させられてあまりに似合ってたから女子の着せ替え人形になってた奴に言われたくねえな」
……コイツ僕の心の傷を的確に抉るだけじゃなく土足で踏み込むどころかダンプカーで爆走してきやがった!
「で?風が吹いてなに考えてたんだ理君?」
「ん、いやさ、こんなに風の強い日には一体どれだけのパンチラが起こってるんだろうな。ってさ」
「……期待した俺がバカだったわ。そういやお前変態だったな」
「本当にそう思うか?ジャイアンから大統領、はたまたハリウッドスターまで男なら誰もが一度は考えるはずだ!!」
そう。男の夢、パンチラ!!一体何人の男が夢半ばに力尽きていったか!!しかし少し目を凝らせば桃源郷はそこにあるのだ!!世の男子諸君!!読者の男子諸君!!ガマン、ダメ、ゼッタイ!
「ていうかお前ならヒカリちゃんは無理だろうが真ちゃんに土下座すりゃスカート履いて外出てくれんじゃねえのか?」
「フッ、青いな高橋。仕組まれたパンチラに何のチラリズムがあるんだ?パンチラってのは偶発的に起こるから興味がわいて、パンチラはたまたま見えるからこそ見てしまった後ろめたさが残るもののすぐにパンチラを拝めたことから達成感を生み、その偶発的パンチラが背徳感を煽り世の男性を虜にする行為となり得るんだよ!!」
「お前パンチラパンチラうるせえよ!!……今日の理超めんどくせえ……」
心なしか高橋がげんなりしていますがパンチラを見ればきっとその良さがわかってくれるはず!!
「あれ?向こうにいるのヒカリちゃんじゃね?」
「え……あ、ホントだ」
いやーやっぱりかわいいな~
春の季節にピッタリのブラウスに薄ピンク色のスカート!我が彼女ながら似合いすぎてて怖い!!
……スカー……ト?
その時、
僕の後ろから、
風が、
吹いた。
「……高橋。見たか?」
「……み、見てない」
「……水玉って、お前はどう思う?」
「……いいと思う」
「てめえやっぱり見てやがったか!!この超絶ムッツリスケベ大王がぁ!!」
「こ、これは事故だ!だいたいお前だってさっきパンチラ推奨みたいなこと言ってたじゃないか!?」
「それでもヒカリのはお前にはもったいなさ過ぎるわ!さあ忘れろ!今すぐ忘れろ!」
「あのー、理君も高橋君もなにやってるの?」
「「いえ、何もしてません!」」
いつの間にかすぐそばまで来てたヒカリちゃん。僕も動揺してて気づかなかったヨ……
その後高橋はしばらくヒカリちゃんと顔合わせられませんでしたよアッハッハ。
僕ですか?
……盆と正月とクリスマスとハロウィンが同時に来たような気分でしたよ!幸せです!