3月◯日 デートにて その②
データ紛失によりここから後はかきなおしの最中ですがなんとか残っていたところだけ先に投稿しますです(ーー;)すいません。
そんなことはまったく知らない理はヒカリの服を持ってきたり返したりで歩き回っていた。本人も高橋から教わってはいないものの、この程度なら何とかできていた。
「こんな感じなのかな…?デートって」
女の子がこんなに服を試着するものだとは思っていなかったようで、理もいったいいくつ服を運んだかわからない。
「ねえねえ理君」
「はい!」
慌てて振り向くと両手に一着ずつ服を持ったヒカリが立っていた。
「こっちの服とこっちの服、どっちがいいかな?」
その瞬間、理の思考回路が一気に回り始めた。
(これはもしかして、俺を試しているのか?いや、間違いない!俺を試している!これは俺のファッションセンスを試しているんだ!)
理はこのとき己の私生活を思い出して嘆いていた。
今日着ているものは実は高橋に見繕ってもらったもの。普段の理はファッションになんかこれっぽっちも興味が無かったのだから、こういったときになって制服のありがたみを痛感せざるをえなかった。
とはいえ今この場でそれを嘆いても仕方は無い。
理は心の中で立ち上がった。
しかし、実際にこういった類の質問はあまり意味を成さない。
女性は大体どちらかを選ぶと
「え~私はこっちだと思うけどな」
などと男性の一生懸命考えた末の答えを一瞬でひねり潰してしまうのだから。
最初から決まっているのであれば最初から言えばいいものを、あえて男性に聞くことで同意を得ようとするわけだ。
「ねえ?どっちかな?」
ヒカリの再度の質問に理は、
「そうだね、み、右手に持ってるピンクのやつ。それはとても清楚な感じがしてとてもいいと思う。でも、左手に持ってる黄緑のワンピースもこの時期に合う色合いで捨てがたい。どっちもヒカリにならに会うと思うけど僕の個人的な好みでもどちらもいい感じだと思うからヒカリが好きなほうを買えばいいんじゃないかな?」
理、大正解
この場合の正確な答え方とは、まさしくこれである。
実際すでに聞いてくる時点で決まっているのならどっちつかずの回答こそが正解!理はテンパりながらも自ら正解にたどりついたのだ。
だが、これで終わりではなかった。
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